004/アタック作戦 ★★☆
(Start the Revolution Witout Me)

1970 US
監督:バッド・ヨーキン
出演:ジーン・ワイルダー、ドナルド・サザーランド、ヒュー・グリフィス、オーソン・ウエルズ

左から:ヒュー・グリフィス、ジーン・ワイルダー、ドナルド・サザーランド、エバ・オーリン

ジーン・ワイルダーの出演作といえば、メル・ブルックスが監督した「プロデューサーズ」(1968)、「ブレージングサドル」(1974)、「ヤング・フランケンシュタイン」などが思い出されますが、個人的にはそれらよりも、ここに取り上げるバッド・ヨーキンの「004/アタック作戦」、メル・スチュワートの「夢のチョコレート工場」(1971)、アーサー・ヒラーの「大陸横断超特急」(1976)、ジーン・ワイルダー自身の手になる「ウーマン・イン・レッド」(1984)の方がはるかに好みに合っています。私見ではメル・ブルックスという監督さんは多少過大評価されているように思われ、彼の作品で面白いと思ったものはありません。いずれにしても、このあたりは個人の趣味の問題でしょう。さて、このフランス革命前夜を肴にしたコメディ作品には結構カルトファンがいるらしく、邦題の間抜けさで見るのを断念すると、或いは損をするかもしれません。ジーン・ワイルダーとドナルド・サザーランド演ずる二組の双子の兄弟が(ということは合計4人ということです)、一方は貴族として他方は貧民の子として育てられ、フランス革命前夜にルイ16世の宮殿でバッタリ出会うというストーリーが繰り広げられます。お産の手違いで二組の双子の境遇が逆になるという設定ですが、どちらにしてもジーン・ワイルダーとドナルド・サザーランドが一人二役で演じているので、途中で混乱してどちらがどちらであるか分からなくなり、どちらがどちらでも大した差異はなくなります。このような冗談映画には、ジーン・ワイルダーのキャラクターはピタリと嵌まります。また、ドナルド・サザーランドのとぼけた味も効いています。とはいえ、「004/アタック作戦」で最も傑作なのは、ルイ16世を演じているヒュー・グリフィスであり、ごく普通の舞踏会に鶏の姿で現れ、王妃アントワネットから仮面舞踏会であると聞かされていたと必死に言い訳する姿が目茶苦茶に笑えます。また、コスチュームの淡い色合い(上掲画像参照)が素晴らしく、その点でも目を楽しませてくれます。オーソン・ウエルズが最初と最後に、それから「キャンディ」(1968)のエバ・オーリンが顔を見せていることを付け加えておきましょう。オーリンは胸をチラリと見せて、一人で作品のレイティングをPG-12くらいにまで引き上げています。


2002/03/02 by 雷小僧
(2008/11/12 revised by Hiroshi Iruma)
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