さよならチャーリー ★★☆
(Goodbye Charlie)

1964 US
監督:ビンセント・ミネリ
出演:トニー・カーティス、デビー・レイノルズ、パット・ブーン、ウォルター・マッソー

左:トニー・カーティス、右:デビー・レイノルズ

痴話絡みであの世に送られたはずの女たらしが、気がつくとそれまで自分が好きなようにもて遊んでいたブロンドのべっぴんさん達と同じようなグラマラスな女の子に変わっていたという、どこぞの国の人気少女漫画にもあった変身ストーリーが繰り広げられるコメディ映画です。フェミニストに総スカンを食らうような悪行を生前は重ねていたのだから、グレゴール・ザムザのごとく毒虫に変身させられなかっただけでも神に感謝すべきでしょう。「さよならチャーリー」で女に生まれ変わった元男を演じているのがデビー・レイノルズであり、彼女が男のように振舞うのがいかにもわざとらしくなかなか笑えます。比較的最近でもブレーク・エドワーズの作品でファニーフェースのエレン・バーキンが類似の役を演じていたことからも分かるように、男のように振舞って尚且つセクシーに見せるのはそう簡単なことではなく、それなりに個性的なパーソナリティが要求されるはずですが、その点エネルギッシュで小回りのきいたデビー・レイノルズはうってつけの女優さんであったと言えるかもしれません。姿は女でも心は男という設定なので、キャピキャピパフォーマンスが抑制されていつもの彼女とはイメージが少し違うとはいえ、これはこれで彼女のファンにも楽しめるでしょう。また、ビンセント・ミネリの作品らしく室内インテリアに凝っていて、見た目を楽しませてくれます。ディスタフ系の出演者として他にもジョアンナ・バーンズエレン・バースティン(当時はまだエレン・マクレーという名前で出演していました)が出演しており彩りを添えています。トニー・カーティスは、この当時この種のコメディを滅多矢鱈に得意にしており、予想通り見事に役柄に嵌まっています。お世辞にも傑作映画とは呼べませんが、60年代前半の屈託のないコメディ映画の1つとして何も考えずに楽しめる作品であることには間違いがありません。


2001/04/30 by 雷小僧
(2008/10/24 revised by Hiroshi Iruma)
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