ハスキーボイスで陽気にしゃべりまくるのが彼女の魅力でしょうか。彼女のメジャーデビュー作品と見なせる「真夜中のカーボーイ」(1969)では、ホスト買いに走っていましたが、買った相手がジョン・ボイト扮するホモセクシャルであったというのは、いかにも彼女らしいところです。「いくたびか美しく燃え」(1975)(「みじかくも美しく燃え」(1967)というスウェーデン映画があり、どちらも音楽が知られているため混乱しそうです)という作品で、オスカーにノミネートされたこともあります。今からこの生ぬるいメロドラマを見るとすれば、それはマンシーニの音楽か、彼女を見ることくらいしか理由が思い浮かびません。何やら彼女が出演しているシーンだけ、やたらに生気に溢れているので、作品全体のバランスまで崩しているようにさえ見えますが、もともと恐ろしくイマイチな映画なので気にすることはないでしょう。比較的最近では、不思議なことに長いキャリアの中で初めてオスカーにノミネートされたローレン・バコールが効いていた「マンハッタン・ラプソディ」(1996)で見かけましたが(けれどもバーバラ・ストライサンドがいい年をして「私奇麗?」を連発するのには参りました)、もともとそのような素質があるように見えたとはいえ、随分と体型が丸くなられたようで驚かされました。 |
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