北欧はノルウェーの出身であるとはいえ、スウェーデンの作品に数多く出演しているので、むしろスウェーデンの女優であると考えた方が実情に即しているように思われます。殊に、かのスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンの作品に数多く出演し、彼のお気に入り女優の一人であったことを考えればなおさらです。北欧出身の女優といえば、ガルボやバーグマンのように華やかなイメージがありますが、彼女の場合にはむしろ逆であり、極めて地味に見え、堅実さがウリでした。北欧的な神秘性を湛えたお目々が、チャームポイントでしょうか。いずれにせよ、ベルイマンの秘蔵っ子ともなれば、実力は折り紙つきです。1970年以後は、米英の英語圏の作品にも出演し始め、「遠すぎた橋」(1977)以外はマイナーな作品ばかりであるとはいえ、名実ともに国際スターの仲間入りを果たします。なお、彼女は、父親の仕事の関係で戦前の日本で生まれており、その点ではオリビア・デ・ハビランド、ジョーン・フォンテン姉妹と同様です。 |
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(斜体は非英語作品)
1966 |
仮面/ペルソナ |
1973 |
失われた地平線 |
1968 |
Vargtimmen |
1973 |
エーゲ海の旅情 |
1968 |
Skammen |
1974 |
Zandy's Bride |
1969 |
Passion |
1974 |
The Abdication |
1970 |
夜の訪問者 |
1976 |
鏡の中の女 |
1971 |
The Night Visitor |
1977 |
遠すぎた橋 |
1972 |
Pope Joan |
1977 |
The Serpent's Egg |
1972 |
叫びとささやき |
1978 |
秋のソナタ |
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