ロック・ハドソンが主演した「ミサイル空爆戦隊」(1963)にチラリと顔を出しているのを見かけましたが、60年代はTV出演がほとんどであり、基本的に彼女の映画メジャーデビューは70年代に入ってからです。すなわち年齢でいえば40才代に入ってからということになります。その意味では、彼女の経歴はほぼ同年代のエレン・バースティンと似ているところがあり、70才になった現在においてもまだ現役で映画に出演し続けているという点においても二人は類似します。彼女たちのような遅咲きで息の長い女優さんが出現するようになったのも時代の変遷を示しているものと考えられ、60年代以前にはこのタイプの女優さんはほとんどいなかったように思われます。いずれにしても、ルイーズ・フレッチャーの名前がメジャーになったのは、勿論かの「カッコーの巣の上で」(1975)において、ジャック・ニコルソン扮するマクマーフィをいたぶる官僚主義的な精神科婦長を演じてアカデミー主演女優賞に輝いてからであり、確かにそれに類する役を演じることは以後なかったとはいえ、見る方としてはこの婦長のイメージが固定化してしまった感がないでもないところです。もともと上添えのある人なので男性的なイメージがあり、余計に高圧的な婦長の役が似合っていました。記憶に残る他の役としては、「ブレインストーム」(1983)での他人の死を追体験しようとする女博士役が挙げられます(これが本当にジョン・ブアマンの作品かとビッツラこく超駄作「エクソシスト2」(1977)でも似たような役を演じていました)。 |
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