ジェット噴射とロケット噴射
佐藤和美
アトムはジェット噴射で空を飛ぶが、「鉄腕アトム」をテレビ放映中にアトムが宇宙を飛ぶシーンがあり、「ジェット噴射では宇宙を飛べない」と投書がきたそうである。
これに対する返事なのか、手塚治虫は鉄腕アトムクラブに掲載した「悪役たちのロボット」で、悪役たちの作ったロボットと宇宙空間で戦ったときに、アトムにこう言わせている。
「ジェット噴射は空気のないところでは役に立たないんだよ
(中略)
ぼくは宇宙ではロケット噴射にきりかえてるんだい」
「キャプテンKen」でアロー号は地球から火星へ行くのに、宇宙空間を飛んでいく。この推進力だが、講談社全集版では「フルロケットエンジン」であるが、少年サンデー・虫コミックスでは「フルジェットエンジン」だった。アロー号もまた時代の流れの中で推進力がジェットからロケットへと変わっていったのである。
(1999・11・03)
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