言葉の世界・伝言板 2000年8月



「る・らる」ついでに「す」

面独斎 (2000/08/31 23:43)

助動詞「る・らる」の四つの意味 (自発・受身・可能・尊敬) の成立について、
大野晋『古典文法質問箱』(角川ソフィア文庫 241、1998年) にも記述が
ありました。こちらは 6 ページにわたって説明されています (pp. 144-149)。
説明がやや長いぶん、より理解しやすいのではないかと思います。

ついでながら、この本では、使役の助動詞「す」と他動詞形成語尾「す」の
関係を、「同じ語源の語であったろうと考えられ」るという表現を用いて
説明しています。同様に、受身の助動詞「る」と自動詞形成語尾「る」とは
「起源的に同じもの」という説明の仕方をしています。



hot dog

蛍 (2000/08/31 21:55)

ソーセージが胴長のダックスフントに似ていたからという説があるそうですよ。



なぜに「あつい犬」?

ゆう (2000/08/31 18:46)

食べ物に、「ホット・ドック」ってありますよね。
この語源はなんなのでしょうか?
食べることが大好きな私にとっては、
気になるところなんですが、
どなたか教えていただけないでしょうか?



IT

佐藤和美 (2000/08/31 09:42)

「IT」、最近やけに目につく略号ですね。
私が初めて目にしたのは今年の3月頃だったか。
サミット前の6月頃からか急に目につくようになってしまいました。
森首相も「IT」、「IT」と連発してるようですが……
「Information Technology」(情報技術)
「IT革命」なんて言葉も出てきたりしてますね。
こんな短期間に略号がひろがるのもめずらしいかな?
なにを今さら騒いでるんだ、という気がしないでもないですが。
6月頃だったか、森首相が「IT」のことを「IC」と連発してたなんて話が新聞に載ってましたっけ。
そりゃ、「集積回路」でしょ。
それに今じゃ「IC」なんて死語じゃないのかな?



(無題)

まつまつ (2000/08/31 08:20)

>  受け身・自発の助動詞「る」は下二段活用で、「上がる」は四段活用なので、
> これは明らかに間違いでしたね。

 それを言うなら、使役の「す」も下二段だから、「す」の方も明らかに間違い
でしたね。

>「す」に関する思い付きを書いている最中に派生的に思い付いたことで、検討
> 不足でした。

 「す」の方も同様に検討不足でした。でも、やはり何かありそうな気がします。



Re:上代日本語の母音について

まつまつ (2000/08/31 07:39)

>  受け身・自発の助動詞「る」についても同様で、「起く」→「起こる」、
> 「上ぐ」→「上がる」などの規則的派生が考えられる。

 受け身・自発の助動詞「る」は下二段活用で、「上がる」は四段活用なので、
これは明らかに間違いでしたね。「す」に関する思い付きを書いている最中に
派生的に思い付いたことで、検討不足でした。でも、このパターンは結構多い
ので、何かありそうな気がします。



Re:上代日本語の母音について

まつまつ (2000/08/30 23:54)

> 思い付きに関する疑問 4.
>  上二段の「借る」及び下二段の「現はる」と「隠る」に「す」を付けたものから
?
> 得られるのは、それぞれ「かろす」、「現はらす」、「隠らす」の筈であるが、
> 実際に存在するのはそれぞれ「貸す」、「現はす」、「隠す」で、「ろ」や
> 「ら」が抜けている。

 「足る」-「足す」も「借る」-「貸す」と同類ですが、関西弁では「借る」も
「足る」も現存して五段動詞ですから、上二段より四段の方が本家でしょう。
とすると、脱落しているのは「ろ」ではなくて「ら」でした。そうすると、
「回る」-「回す」なども同類ですね。下二段の例では、「崩る」-「崩す」、
「汚る」-「汚す」、「零る」-「零す」、「倒る」-「倒す」、「潰る」-
「潰す」、「流る」-「流す」、「逃(のが)る」-「逃す」、「外る」-「外す」、
「離る」-「離す」、「解(ほぐ)る」-「解す」、「乱る」-「乱す」、「窶る」-
「窶す」など、結構いろいろありました。



RE:上代日本語の母音について

佐藤和美 (2000/08/30 09:59)

まつまつさんwrote
>大野晋「日本語の成立」を購入しようとしましたが、
>書店に在庫がなく、出版社にも在庫僅少とのことで、入手できませんでした。
「日本語の世界」全16巻は去年あたりから中公文庫でではじめてますね。
そのうちの一冊である大野晋「日本語の成立」もそのうちでると思います。

>一部の行にだけ発見されるということは、橋本説の通り発音上の差が存在し、
>次第にその差が失われてきたことの証拠と考えられると思うが、
>発音上の区別はなかったという説では、どう説明しているのか。

このへんは小泉保「縄文語の発見」(青土社)にまとめてあったので引用します。
上代特殊仮名遣での漢字の使い分けについて四つの説が出てました。

1.音声の違いが意味の区別に関係していたという見方。
(a)イ段、エ段、オ段にそれぞれ類似した二種の母音があった。
(b)イ段乙は中舌のイ、エ段乙は狭いエ、オ段乙は狭いオであった。
(c)イ段とエ段は子音における直音と拗音の違いによる。
2.甲乙音声の相違は語の中で占める位置によるもので、意味の区別には関係ない異音的なものである。

最後の説の意味がどうもよくわかりません。



上代日本語の母音について

まつまつ (2000/08/29 20:15)

> 「古代国語の音韻に就いて」を読んでの疑問:
>  イ・エ段に甲乙二類の対立が発見されたのは、カ・ガ・ハ・バ行だけとあるが、

 マが抜けてました。



ありがた〜あした

おじき (2000/08/29 18:24)

佐藤和美さま 蛍さま
 ありがとうございまアシタ。
 簡単に結論は出せないのでしょうが、アシタ(明日)、もしくはアシタ(朝=アサ)が
詰まって「アス」といったところなのでしょうか。勉強になりました。
 アサッテについては「明日去りて」ではなく「明日果て」とのこと、たしかに
明日果てのほうが無理なくアサッテに転化しそうな語感です。
 これで飲み友達に、えらそうに薀蓄を披露できます。



上代日本語の母音について

まつまつ (2000/08/29 13:18)

 2カ月ぶりくらいの投稿になってしまいました。前回の投稿の時には米国に
長期出張中でしたが、先月から日本に戻っております。帰国してから、大野晋
「日本語の成立」を購入しようとしましたが、書店に在庫がなく、出版社にも
在庫僅少とのことで、入手できませんでした。手近の図書館を当たってみようか
と考えていますが、なかなか実行できずにいます。月刊「言語」の記事「上代
特殊仮名遣いと後置定冠詞」(安本美典)は、友人にコピーして貰って読みました。
橋本進吉「古代国語の音韻に就いて」は、web の青空文庫で読みました。
 さて、この「古代国語の音韻に就いて」を読んで疑問に思ったこと、また
(いかにも「日本語の成立」あたりに書いてありそうなことですが) 一つ思い
ついたこと、そのことに関して更に疑問に思ったことがあります。

「古代国語の音韻に就いて」を読んでの疑問:
 イ・エ段に甲乙二類の対立が発見されたのは、カ・ガ・ハ・バ行だけとあるが、
それ以外の行ではその後も発見されていないのか。また、一部の行にだけ発見
されるということは、橋本説の通り発音上の差が存在し、次第にその差が失われて
きたことの証拠と考えられると思うが、発音上の区別はなかったという説では、
どう説明しているのか。

思い付き:
 使役の助動詞「す」は四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に付くが二段動詞には
付かず、二段動詞の未然形に付くのは「さす」であるが、古くは「す」が二段
動詞の未然形にもついたのではないか。例えば、上二段動詞「起く」の未然形
「起き(乙)」=「起こ(乙)い(甲)」なので、これに「す」が付いて、途中の
「い(甲)」が略されると (或は、「い(甲)」がないものが古形だったのかも)
「起こ(乙)す」となり、「起こす」が得られる。同様に、下二段動詞「明く」の
未然形「明け(乙)」=「明かい(甲)」に「す」が付いたものから「明かす」が
得られる。同類の規則的派生と考えられるものに、「過ぐ」→「過ごす」、
「落つ」→「落とす」、「怖づ」→「おどす」、「干(未然連用形が乙類なので
古くは上一段動詞「ひる」でなく上二段動詞「ふ」だったと考えられるとのこと)」
→「干す」、「滅ぶ」→「滅ぼす」、「降(お)る」→「降ろす」、「焦ぐ」→
「焦がす」、「果つ」→「果たす」、「出(い)づ」→「出(い)だす」、「覚む」
→「覚ます」、「燃ゆ」→「燃やす」、「晴る」→「晴らす」などがある。
 受け身・自発の助動詞「る」についても同様で、「起く」→「起こる」、
「上ぐ」→「上がる」などの規則的派生が考えられる。

思い付きに関する疑問 1.
 この思いつきは見当外れなのか。以下、見当外れではないとして、

思い付きに関する疑問 2.
 「い(甲)」は略されたのか、古形では元々なかったのか。

思い付きに関する疑問 3.
 上二段の「伸ぶ」と「懲る」に「す」を付けたものから得られるのは、それぞれ
「伸ぼす」と「懲ろす」の筈であるが、実際に存在するのは「伸ばす」と「懲らす」
である。下二段の「伸ぶ」と「懲る」が存在したのか。或は、別の理由によるのか。
また、上二段の「懲る」と「殺す」の間に関係はあるのか。

思い付きに関する疑問 4.
 上二段の「借る」及び下二段の「現はる」と「隠る」に「す」を付けたものから
得られるのは、それぞれ「かろす」、「現はらす」、「隠らす」の筈であるが、
実際に存在するのはそれぞれ「貸す」、「現はす」、「隠す」で、「ろ」や「ら」が
抜けている。

思い付きに関する疑問 5.
 「得(う)」に「る」を付けたものから得られるのは「ある」の筈であるが、
「得」と「有る」の間に関係はあるのか。

思い付きに関する疑問 6.
 「落つ」に「る」を付けたものから得られるのは「おとる」の筈であるが、
「落つ」と「劣る」の間に関係はあるのか。

思い付きに関する疑問 7.
 「教ふ」に「る」を付けたものから得られるのは「教はる」の筈であるが、
「教」の部分の読みが変化している。それは何故か。



余計なお世話

通り縋りの狐の悠 (2000/08/29 12:27)

大雑把にwebSite内を見させていただきました。大変参考になります。

そこで一つ提案を。
「HTMLでの特殊フォント表示(IE対応)」ですが、<META>タグを取り除いて
ブラウザの「文字コードセット」を「欧米(ISO8859-1)」などにすることで
(途中の日本語は全滅になりますが)表中の特殊文字(だけ)は
Netscape Communicator(4.7win)でも正しく見えます。
というわけで、いっそ表だけのページを作られたら如何ですか?
既に検討済みでしたら失礼しました。そうでないならご検討を。
#蛇足ながら、二バイト文字と一バイト文字を混用してらっしゃいますね。



「満洲老档」を自分で調べてみてください

哈台族 (2000/08/29 09:23)

先ずは訂正16世紀は17世紀の誤りです。ご迷惑おかけしました。

入関以前も女真は積極的に中原と交渉を持っています。
女真があのような勢力を有した最大の原因が、当時の女真と明朝の交易権を抑えたことに有ります。その交渉過程の文書は数は少ないですが、きちんと現存しています。
そのような文書は『満洲老档』と呼ばれ、無圏点満文のため未だ明らかになっていない内容が多いですが、
現在は北京の档案館で整理が進んでいます。
殆ど知られていない歴史文書では有りますが、世の中面白い文書は尽きません。

本来は辞典かなんかで調べれば直ぐに分かるのですが、『満洲老档』とは同一の内容を満洲語と漢文の2言語で併記した文書で、それを見れば当時の地名、人名の発音が類推できるという文書です。史料的価値としては当時の公文書であり、誰の手も加えられていないという点に有りますが、たまに当時の地名の発音が出てきて、ほ〜と思うこともあるわけです。
因みに満洲語は今のモンゴル文字の原型となる文字であり、それは先達の研究の結果、ローマ字への転写が可能となっています。そんでもって「Pekin」という発音が出てきているわけです。

それと私見ですが、BBSで呼び捨ては止めたほうがいいのではないでしょうか?人を非難するような姿勢ではまともな議論の阻害となるばかりか、社会的関係の構築にも悪影響を与えます。「哈台族の君、ほんまに満洲語文書が読める?清朝成立前の清朝の文書はほんまにあるかい?
」という一文は余りにも人を見下した書き方では有りませんか。世の中そんなマイナー言語を学んだ人間もいるんです。勿論言語学者ではないですが…
私からのレスは対応の改善が無い限り今回で打ち切らせていただきます。



「ペキン」の語源

哈台族 (2000/08/28 17:41)

以前話題になった北京の読み方、
現代中国語では「BeiJin」なのに何故英語表記は「Pekin」という問題について、 ある方面から広東語由来という話がありましたが、
先日清朝の満洲語文書を読んでいたら興味深い事実が出てきました。
1630年代の文書ですが、北京の漢字に対し「Pekin」という発音で表記されています。
この文書は当然北京在住の満人が書いたもので、広東語が入り込む余地は考えにくいですし、
また「張三」という人名に対しては「ChanSan」という発音を適用していることから、
当時北京で話されていた官語の発音を写し取ったと考えて問題ないと断言できます。
ということは少なくとも16世紀初頭までは「Pekin」という発音が標準であったことを意味しています。何時の時代から「Beijin」に変わったかは不明ですが、どうやら北京語系統の発音らしいです。



re:エ

通りがかりの言語学者 (2000/08/28 15:35)

>佐藤さん
はい、どうも。

> 「ラテン語とかそういう問題ではなくて」って何に対する「re」ですか?
> 私は「f」等の名称の語頭についている「エ」は
> ラテン語が先で英語が始めてではないと書き込みましたが、
> 英語で独自にローマ字の名称を決めたと言いたいんでしょうか?
> (それがたまたまラテン語と同じになった?)

 英語が独自にローマ字の名称を決めたというのは、そりゃ違います。じゃラテン語が先かというとそうでもありません。j、v、wは佐藤さんの言う所の古典ラテン語(ラテン語には古代、古典、俗、教会など色々な時代や方式があるんですぜ、ま、教科書として出ているラテン語と言やあ古典ラテン語と相場は決まっていますがね)には存在しませんからね。ま、このへんで話をややこしくしているのが「現在のラテン語の教科書文法は後世の学者が文献をもとに再構築したものである」わけでして、アルファベットの読み方にもそれが言えます。j、uなんて文字は学者が読みやすいようにこの頃に作ったんですよ。正書法なんてつい近年まで確立されていませんでしたからね。
 だいたい英語はもともとルーネ文字を使っていたので、英語本来のアルファベット?の名称はまったく別のものでしょ。つまり中英語の時代にへぼ写字生が、おフランスだとか拝借してきていたのですが、おフランスと喧嘩した後にラテン語をもとに規範文法が作成され、その時にアルファベットの名称も正式に決定し、ラテン語の綴りを英語風に読んだだけのことです。
 ですから英語の読み方がラテン語より「後」とか、そういう通時的なつながりはないのですよ。それで「そういう問題ではなくて」というわけです。
 だが一時期ラテン語が至高の言語だという馬鹿な考えがもてはやされたせいで、似ているものどころかまったく関係のないものでさえ、ラテン語と同じ方式で表現をすることが強いられてしまったのですよ。It's meではなくIt's Iだ、なんてのもそういう悪い風習が産み出してしまったものです。

 ところでbは[be:]なのにmはなぜ[em]なのか、という問題がありますな。すべて[me:][le:][re:]とやった方が論理的でいいでしょ?
 ここら辺はなぜかは小生は知りません。誰か教えてもらえませんかい?



ラクリマ・クリスティ

佐藤和美 (2000/08/28 12:55)

蛍さん
>「ラクリマ クリスティ -キリストの涙- の伝説」
>http://www.suntory.co.jp/wine/winery/MA_cave.html
ありがとうございました。
見てきました。

佐藤和美
>小学館「プログレッシブ英和中辞典」で「Lachryma Christi」を引くと、
>「ラクリマクリスチ:イタリア南部Naples付近産の食卓用ぶどう酒」
それでナポリだったんですね。
なっとく!



うと

佐藤和美 (2000/08/28 12:33)

「うと」の追加情報です。

中村幸弘「難読語の由来」(角川文庫)
「商人(あきんど)」の項からです
「この言葉については、佐藤武義「「商人」の訓み」(「宮城教育大学国語国文(一)」昭和四十四年三月)という研究論文がありました。上代のことは未詳だが、「アキビト」(類聚名義抄・仏下本)とあるところから、平安時代には「あきびと」と連濁していたことがわかります。その撥音便形あきんどは、その時代の訓点資料から見え、ウ音便形あきうどは、室町時代からだ、といいます。」

また、山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」(講談社)
「弟」の項には次のようにあります。
「語構成は「おと+ひと(人)」で、そのうちの「ひ」がウ音便化し「おとうと」になったもの。」

どうやら「ひ」が「う」になったのはウ音便だったようですね。

「盗人(ぬすっと)」「ぬすびと」の転(大辞林)
するとこれは促音便なのかな?


「乳母(めのと)」は「ひと」とは無関係のようです。
武光誠「日常語の由来辞典」(東京堂出版)に
「め」(妻)の「おと」(弟、妹)
と出てました。



re:エ

佐藤和美 (2000/08/27 19:19)

通りがかりの言語学者さん
>ラテン語とかそういう問題ではなくて、こういうケースの語源は発音の便宜上なんですよ、、、
>子音だけで発音するのは難しいでしょ。

ちょっと書いてある意味がよくわからないんですが。
「ラテン語とかそういう問題ではなくて」って何に対する「re」ですか?
私は「f」等の名称の語頭についている「エ」は
ラテン語が先で英語が始めてではないと書き込みましたが、
英語で独自にローマ字の名称を決めたと言いたいんでしょうか?
(それがたまたまラテン語と同じになった?)


追加情報
ラテン語では、「l」は「エル」/el/ですが、
「r」も「エル」/er/でした。
「x」の発音は/ks/ですが、その名称は「イクス」。これは「エ」じゃないですね。





蛍 (2000/08/26 20:27)

「朝」の語源を調べたときに「明日」が出てました。
そのまま引用します。(どこに出てたか忘れましたが・・・)

 夜明け時のことを古くは「アケシダ(明け時)」と言った。
 この「アケシダ」の「ケ」が脱落して「アシタ(朝)」になった。
 さらに変化して「アサ」になった。
 「あさって」は「明日が終わった次の日」と言う意味で
 「アスハテ(明日果て)」と言ったのが「アサテ」〜「アサッテ」と変化した。
 「しあさって」は「再度のアサッテ」と言う意味での「サイアサッテ」が変化した。

以上でした。「みょうにち」とかは、単なる音読みでは?



Re:「うと」の件、ありがとうございました。

turbo (2000/08/26 14:19)

<「うと」は「ひと」が転化したものですね。

ありがとうございました。
大辞林も調べずにたずねてしまい、失礼しました。
転化していった経過を考えても、よくわかりませんが、「ひと」の「ひ」が
省略され、その後、「と」の前に「う」が付加された等と空想してみました。
「と」だけが付く言葉に、乳母、勇人、隼人、助っ人、盗っ人が想いつきま
した。



あした、あす

佐藤和美 (2000/08/26 13:02)

あしたはあ、どおちだあ〜

「あした」と「あす」の語源ですが、
堀井令以知編「語源大辞典」(東京堂出版)から引用します。

アシタ
あす。もとは、朝の意。ユウベにたいして朝はアシタであった。夜を中心にして、ユウベが、一日の始まりで、アシタで終わる古い区切り方にもとづく。夜が明けたときがアシタで、明日の意味に変化したのは、中世以後のことである。朝の意味から、暗い時間の向こうをいうようになり、明日の意味になった。アサの語は、ユウに対し、複合語をしばしば構成する。アサヨイ(朝夕)のような語もある。

アス
今日の次の日。アサ(朝)と同系か。アシタ(明日)とアシタ(朝)が同系なので、それと対比できる。明くる朝を言いならわして、アサ(朝)から転じたか。


武光誠「日常語の由来辞典」(東京堂出版)から。
中世になると「あした」が翌日の意味に転訛する。そして「あした」がつまって「あす」の語も生まれる。


新潮文庫の新刊、萩谷朴「語源の快楽」の
「あさって・しあさって・やなさって」の項から。
アという単音節のコトバは、アカ・アク・アケ・アサ・アスなどと、明白・透明な語感を持つ数々のコトバの語根となっているようであるが、そのことは考えずにおく。
 アシタとは、元来、アサ(朝)の意味で、橘守部の「雅言考」に、
  明節(あけした)の略也。時節などを、古く「した」と云ふ。
とある説が認められているようである。


以上、「あした」に関係ありそうなのをひろいだしてみました。



re:エ

通りがかりの言語学者 (2000/08/26 04:48)

 ラテン語とかそういう問題ではなくて、こういうケースの語源は発音の便宜上なんですよ、、、子音だけで発音するのは難しいでしょ。元をたどっていくとe ・・・・あくまで一説ですがね。
 ちなみにラテン語ではnは[en]という名称なのが一般的なので「エヌ」は大西さんの思い込みだと思います。



「ラクリマ クリスティ」です

蛍 (2000/08/25 23:21)

「ラクリマ クリスティ -キリストの涙- の伝説」
というのがありましたので、紹介しようと思ったのですが、
途中で行っちゃいました。すみません。
サントリーのワインの話です↓


http://www.suntory.co.jp/wine/winery/MA_cave.html



[ラクリマ クリスティ -キリストの涙- の伝説

蛍 (2000/08/25 23:18)

ラクリマ クリスティ -キリストの涙- の伝説



うと

佐藤和美 (2000/08/25 20:24)

以下、「大辞林」からです
カッコ内は新カナ、旧カナです。同じ場合は一つのみ。

弟(おとうと)「おとひと」の転
妹(いもうと)「いもひと」の転
仲人(なこうど、なかうど)「なかびと」の転
狩人(かりゅうど、かりうど)「かりひと」の転
素人(しろうと)「しろひと」の転
客人(まろうど、まらうど)「まらひと」の転

オマケ
若人(わこうど、わかうど)「わかびと」の転
商人(あきゅうど、あきうど)「あきびと」の転
商人(あきんど)「あきびと」の転

「うと」は「ひと」が転化したものですね。
「あきうど」からは「あきゅうど」と「あきんど」の二つが派生してますね。
「蔵人」(くらうど)も「くらんど」、「くろうど」二種類の読み方があります。

「玄人」は「「くろひと」の転」とは書いてありませんが、
これも「素人」が転なんだったらこっちも転でよさそうですね。

舅(しゅうと、しうと)ですが「広辞苑」には「シヒトの音便」と書いてあります。
堀井令以知編「語源大辞典」(東京堂出版)にはこうありました。
「シュウトは、もとはシゴト(仕事)と関係ある語ではなかったろうか。シ(仕)ヒト(人)にもとづくか。」





佐藤和美 (2000/08/25 20:22)

muraginさん
>mにeがついてエム、lにeがついてエル、
>sにeがついてエス、fにeがついてエフ、
>などということに気づいたからです。

オー、おもしろい!
きがつかなかったですねぇ。

大西英文「はじめてのラテン語」(講談社現代新書)P23に
ローマ字の表が載ってるので見ましたが、
もうすでにラテン語で「f」(エフ)、「l」(エル)、「m」(エム)、「s」(エス)ですね。
ローマ字の本家本元のラテン語のほうが先で、英語で初めて「エ」がついたわけではなさそうです。
なおこの表では「n」が「エヌ」になってます。



「明日」はどっちだ?

おじき (2000/08/25 16:26)

「明日」はどっちだ?

 はじめまして。「おじき」と申します。飲み友達と話していてある疑問が浮かび、YAHOOで探してたどり着きました。しょっぱなから質問で恐縮ですが、ご教授ください。
 それは、こんな会話でありました。
 「おじき、『あさって』の語源知ってる?」
 「うぅむ、わからん。降参、教えて」
 「あす去りて(その次の日)がなまって『あさって』なんだって」
 「ふーん。漢字だと明後日だけどね。でも、そういえば『明後日』は『ミョウゴニチ』とも『アサッテ』とも読めるけど、どっちが正しいの? 両方とも正解なら、なんでこんなに発音が違うの?」
 「そういえば『明日』も『ミョウニチ』『アス』『アシタ』と3通りも読みがあるな」
 「そう。『今日』も『コンニチ』『キョウ』の2通り」
 『昨日』は『サクジツ』『キノウ』、『一昨日』は『イッサクジツ』『オトトイ』など、大雑把に見ると漢字を読み下したような音読みと、『あす去りて=アサッテ』のような大和言葉風(?)の2通りの読みがあるいようです。
 ちなみに「オトトイ」については大辞林に下記のような表記があり、「おと(遠)つ日」という大和言葉が転じたものと思われました。
**************************************************
おととい をととひ 【〈一昨日〉】 
〔「おとつい」の転〕きのうの前の日。いっさくじつ。おとつい。〔副詞的用法の場合、アクセントは [0]〕→おと(遠) 

おと をと 【遠・彼方】 
〔「おち(遠)」の転〕時間的また空間的に遠いこと。遠方。おち。「大宮の―つ鰭手(はたで)/古事記(下)」「―つ日も昨日も今日も/万葉 3924」〔現代語では「 おとつい」「おととし」などの語形に残存する〕
**************************************************
 ひとまず納得してみたものの、それでも分からないのは「明日」です。漢語、大和言葉風の2通りではなく『ミョウニチ』『アス』『アシタ』。
 「明日」はどっちだ?
 この辺りについて、ご存知の方はお教えください。



ニングルに補足

ポロヌップ (2000/08/25 14:08)

ちょっと時間が経ってしすいません。
まいましたが、「ニングル」について補足です。

倉本聰の作品にはアイヌに関する記述が時々出てきますが、これ本当なのだろうか?、この情報源はなんなんだろうか?、と首を傾げたくなる記述が数多くあります。
でも、本人に確かめないで「間違い」と断定するわけにもいかないので、本人に転居を確認する必要があると思います。

佐藤さん:
> 「ナ」 「水」、「流れ」なんて意味はないでしょう。
> (バチェラー辞典はどうだか知らないけど)
> 「ペツ」、「ナイ」 暴れる、暴れない、なんて間違い。
> 「ワッカ」、「ペ」 飲める、飲めない、なんて間違い。
> 「シシキ」が「小便」? これもどっからでてきたんだか。
> 「チュチュ」が「芽」? これも疑問。

これらはすべてバチェラーにも出てますが、倉本聰が参照したという磯部精一『和愛・愛和 アイヌ語辞典』にでてます。
おそらく倉本氏の記述はすべてこの辞典の受け売りでしょう。

ただ、少なくとも「シシキ」については、あながち間違いと断定できないみたいです。

『アイヌ語方言辞典』によると、旭川と名寄のアイヌ語では、おしっこのことを「シシ」と言うそうです。「キ」は「する」ですから、「おしっこする」という意味で使えるかもしれません。
ただ、普通、「おしっこをする」という動作を表すときは「オコイマ」または「オクイマ」と言うのですが。



Lachryma Christi

佐藤和美 (2000/08/25 09:36)

「ラクリマ・クリスティ」っていう音楽のグループがありますけど、
小学館「プログレッシブ英和中辞典」で「Lachryma Christi」を引くと、
「ラクリマクリスチ:イタリア南部Naples付近産の食卓用ぶどう酒」
などとでています。
ラクリマ(涙)+クリスティ(キリストの)
キリスト教の知識、ほとんど持ってないんですけど、
「キリストの涙」ってなんか根拠というか由来というかあるんでしょうか?



「うと」の意味を教えてください。

turbo (2000/08/24 23:57)

初めての書き込みをさせていただきます。弟、妹、仲人、狩人、素人、玄人、姑、客人(まろうど)等の言葉には、「うと」が付きますが、この「うと」と言うのは、何か意味があるのでしょうか。永年、疑問に思っていることです。よろしくお願いします。過去ログを全部みていませんので、同じ質問があったらごめんなさい。



おひさしぶりです。

muragin (2000/08/24 23:33)

整理された過去ログを読んできました。やっぱり面白い。
ところで、アルファベットの「e」って特別な感じがします。
質問の仕方がよくないかもしれませんが、
どうして、英語は、語尾や語頭に「e」をつけたがるのでしょうか?
特に語頭の「e」に興味あります。
歴史的な経緯は?何か意味がありますか?
ここに来るときは、質問ばっかりで、あつかましいのですが、
どなたか、情報がありましたら、お教えください。

参考までに。
興味の元になったのは、
mにeがついてエム、lにeがついてエル、
sにeがついてエス、fにeがついてエフ、
などということに気づいたからです。

では。

http://www.geocities.co.jp/NeverLand/1182/



伝言板の整理

佐藤和美 (2000/08/24 11:54)

 この一年の伝言板に書き込まれた内容を整理しました。
以下のように新規追加・更新を行ないました。

新規追加
 「語源・思いつくままに(日本語編)PART2
 「語源・思いつくままに(外国語編)PART2

更新
 「日本語の発音
 「英語の発音とそのカナ表記

(細かい追加・修正についてはふれていません)



「火の鳥・未来編」と「若きウェルテルの悩み」

佐藤和美 (2000/08/24 00:27)

 「手塚治虫研究」に「「火の鳥・未来編」と「若きウェルテルの悩み」」を追加しました。



断る

佐藤和美 (2000/08/24 00:24)

蛍さん
>「断る」は、「事(言)割る」から来ているということなのですが、
>「拒絶する」という意味と、「前もって承諾を得る」という意味がありますよね?
>どうして、こんなに違った意味を持つのでしょう?

蛍さんも多分「大辞林」を見たことと思いますが、
「断る」よりも「断り」のほうが説明文が多いですね。
さらに広辞苑の「断る」、「断り」のほうが多いです。
用例からすると「前もって承諾を求める」のほうが古そうですね。

「新明解古語辞典」の「断わる」2として
「(前もって)わけを話す」という意味が載ってます。
(「四谷怪談」の用例つき)

「広辞苑」では「断る」の5として、
「(理由を言って)辞退する。」とでてます。
このカッコの中が二つの意味をつなぐポイントかなと思ってしまいました。



「親切」のgogen

蛍 (2000/08/23 21:00)

下記参照↓
http://www13.big.or.jp/~msk/tisen/si/0075.html



親切の語源

ながおかしんぞう (2000/08/23 19:24)

親切の語源を教えて下さい



オドン

佐藤和美 (2000/08/21 16:43)

恐竜の名前で語尾に「ドン」がつく名前がいろいろあります。
イグアノドン
マストドン
プテラノドン

実は意味があるのは「ドン」ではなくて「オドン」です。
「オドン」はギリシア語で「歯」の意味です。

イグアノドンIguanodon
「イグアナ」+「odon」(ギリシア語:歯)
イグアナの歯に似た歯をもつということで命名された。

マストドン 
ギリシア語:「mastos」(乳房、乳首)+「odon」(歯)
臼歯に乳首状の小突起があることから。

プテラノドンPteranodon
ギリシア語:「pter」(翼)+「an」(否定辞)+「odon」(歯)
歯のない長いくちばしをもったこうもりのような特徴から命名。

(以上、「地学の語源をさぐる」(東京書籍)を参考にしました。)



「断る」

蛍 (2000/08/20 20:18)

「断る」は、「事(言)割る」から来ているということなのですが、
「拒絶する」という意味と、「前もって承諾を得る」という意味がありますよね?
どうして、こんなに違った意味を持つのでしょう?



どうも

ヤナギ (2000/08/18 03:33)

手塚MLでこちらのサイトを紹介されたヤナギ@岩手です。
「シュマリ」関連以外にも興味深い記事がたくさんですね。
「シシャモ」や「ラッコ」がアイヌ語だったとか。
ブックマークさせていただきます。じっくり読むべー。



アイヌの物語

佐藤和美 (2000/08/17 12:33)

「アイヌの物語」ですけど、入手しやすいものから選んでみました。
ちょっと大きい本屋なら置いてあると思います。

知里幸恵「アイヌ神謡集」(岩波文庫)
知里真志保「アイヌ民譚集」(岩波文庫)
萱野茂「アイヌの昔話」(平凡社ライブラリー)
山本多助「カムイ・ユーカラ」(平凡社ライブラリー)



はじめまして

はるな (2000/08/16 00:56)

 私は学校の選択授業で古典を選択しています。一学期は古事記など日本の神話について習いました。二学期は研究発表をすることになっていて私は一学期に習った神話と関連させて、アイヌの神話や昔話について発表しようと思っています。アイヌ神話が元となって出来た物語などがあれば教えて下さい。昔と今をつなぐなにかがあればそれについて発表しようと考えています。



成る程(゚o゚)!!

蛍 (2000/08/14 23:06)

そっかー。漢字ですものね。
漢和辞典と似てるのかな?



秋桜 (2000/08/13 22:13)

 標準語の中国語なら今はローマ字のアルファベット順ですね。
 香港とかだと画数順とかも。



Re: StreetとRoad

いばら (2000/08/13 13:42)

訂正と追加です。
>(文献を)ネット上で探すことには限界があるように思われます
と書きましたが、
「(ネット上の検索等で文献を)捜すことが難しい」という意味ではなく、
「ネット上に置かれている(つまりネット上で閲覧できる)文献には限界があると思う」
という意味でした。
(言葉足らずでした、ごめんなさい。)

Amazonで比較的手に入れやすそうな語源辞典を調べてみました。
Chambers Dictionary of Etymology (http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0550142304/o/qid%3D966140533/sr%3D2-1/102-5330386-7034525)
by Robert K. Barnhart (Editor), Sol Steinmetz (Editor)
Oxford Dictionary of English Etymology(http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0198611129/o/qid%3D966140533/sr%3D2-2/102-5330386-7034525)
by Onions, Charles T. Onions (Editor)
The Concise Oxford Dictionary of English Etymology (Oxford Paperback Reference) (http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0192830988/qid=966140533/sr=1-27/102-5330386-7034525?search-path-string=)
by T.F. Hoad (Editor)
The Barnhart Concise Dictionary of Etymology(http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0062700847/o/qid%3D966140533/sr%3D2-3/102-5330386-7034525)
by Robert K. Barnhart (Editor)

紀伊国屋や三省堂など、日本でも洋書を扱っている大手の書店にならあるかもしれません。
(大学の図書館で学生のリクエストに簡単に応えてくれるのなら取り寄せてもらうのも
いいかもしれません。)
上記リンクには使った人の評価も出ていますので、多少参考になるかも。



street、road

佐藤和美 (2000/08/13 12:59)

「street」と「road」ですが、
今里智晃「英語の語源物語」(丸善ライブラリー)
の、P38からP44まで7ページにわたって説明があります。

また
梅田修「英語の語源辞典」(大修館書店)P21
も参考になりそうです。

簡単にいうと、
「road」はもともとのゲルマン語系の単語ですが、
「street」はラテン語に由来します。

「streetの語源はLL via strata(軍事用舗装道路)であり、wallの語源はL vallum(防壁)である。北欧の未開の森に囲まれて、粗末な丸太小屋に住んでいたゲルマン人にとって、石作りの城塞や舗装道路が目をみはるほどのものであったことを示している。」
(「英語の語源辞典」より)
LL:Late Latin
L:Classical Latin



難読語の由来

佐藤和美 (2000/08/13 12:57)

角川文庫ソフィアに
中村幸弘「難読語の由来」
という本があります。
言葉に興味のある人にはオススメの一冊でしょう。

この本にも「只管(ひたすら)」がでてます。

なお「難読語の由来」の他の項目にはこういうのがあります。
小豆(あずき)
許婚(いいなずけ)
烏賊(いか)
似非(えせ)
十八番(おはこ)
竹刀(しない)
蕎麦(そば)
氷柱(つらら)
一日(ついたち)
日和(ひより)
etc



中国語

蛍 (2000/08/13 07:30)

自転車小僧さま!ありがとうございます!!(^o^)丿
そうですかぁ、中国語からきてたんですね。φ(。。 )

ところで、ふと思ったのですが、中国語って
日本語でいう「五十音順」のような並びってあるのですか?
辞書とか、どういう順になってるのでしょう?
基本中の基本みたいなことで、恐縮ですが、
宜しくご教示くださいませ。m(__)m



只管

自転車小僧 (2000/08/12 22:01)

蛍さんの言われている"只管"について
おそらく「ひたすら」と読むものについて言われているのだと思いますが、これは中国語で
「〜だけを行う」という意味で使われます。鎌倉時代に禅宗が渡来したころ、当時、宋の口語
であった"只管"も入ったというものが有力です。禅寺の境内には「只管打坐」(坐禅をすること
だけをしなさい)と書いてあります。禅宗の経典はそれまでの文言体で書かれていた仏教文典
とは違い、口語的要素が非常に強いものです。現代の中国語とそれほど変わっていないので、
中国人は特別なことをせずに普通に読めるそうです。
蛇足:禅問答の"そもさ"、"せっぱ"も「甚麼説(上)」(なんと言う)、「説(口+巴)」(言いなさい)
から来ているとのことです。



おおざと、こざと

佐藤和美 (2000/08/12 11:22)

えびちゃんwrote >漢字の部首について、質問があります。
「こざとへん」と「おおざと」それぞれもとの文字や意味が異なるということは、分かったのですが、
>では、なぜ、それぞれ「こざとへん」「おおざと」という名前なのでしょう?

まずはいつもの「大辞林」から。

おおざと【邑】
漢字の旁(つくり)の一。「都」「部」などの旁の部分。偏(へん)の「こざとへん」と区別していう。人の居住地・地名などを表す文字を作る。おおざる。のぼりざと。〔漢和辞典では一般に「邑」(七画)に配列される〕

こざとへん【阜偏】
漢字の偏(へん)の一。「防」「限」などの偏の部分。旁(つくり)の「おおざと」と区別していう。〔漢和辞典では一般に「阜」(八画)部に配列される〕


次は「漢語林」から。

「邑」
1.村、里。
2.みやこ。
etc

人がむらがりくつろぎ住む所、村の意味を表す。

「阜」
1.おか。
2.おおきい。
etc

段についた土山の形にかたどり、おかの意味を表す。
転じて、大きい・ゆたか・さかんの意味をも表す。


こう調べてくると、だんだん見えてきますね.

「おおざと」と「こざとへん」は形は同じですが、ルーツが違いますね。
「おおざと」は「さと(里)」と関係がありますが、
「こざとへん」は「さと」とは無関係です。

これを区別するために、「さと」と関係あるほうを「おお」をつけて「おおざと」、
「さと」と関係ないほうを「こ」をつけて「こざと」としたんじゃないでしょうか。



只管

蛍 (2000/08/12 08:04)

えーーっ(゚o゚)!!そおだったんですか???
ずーっと佐藤さんって女性だとばっかり思ってました(^^ゞ

それは兎も角。またまた疑問が…(~_~;)
「只管」って、一体どうしてこういう字なのでしょう?
「流石」はさすがに解ったんですけど、「只管」はひたすら謎です。
やっぱり、何か故事などから来てるのでしょうか??

それと、お風呂の栓の「ギボシ」ってやっぱり「擬宝珠」ですか?

相変わらず、詰らない質問ばかりで、申し訳ありませんが
何卒宜しくお願い致します。m(__)m



Re: StreetとRoad

いばら (2000/08/12 01:52)

瑞樹さん、こんにちは。

なかなか詳しい書き込みがなくて、とのことですが、
ネット上で文献をお探しなのでしょうか。
辞書ひとつとってもネット上で公開されている(自由に閲覧できる)ものは
ごく一部ですし、ましてstreetとroadについて詳しく書かれた文献というと
ネット上で探すことには限界があるように思われます。
(仮にそのようなHPがあったとしても、卒論であるならば、
それをそのまま使うわけにはいきませんよね。)

とはいうものの、ネット上にはいろいろ便利なものがありますので
ご参考までに以下、ご紹介いたします。

◆英語についてのリンク(YAHOO! UK&IRELAND)(http://uk.dir.yahoo.com/Social_Science/Linguistics_and_Human_Languages/Languages/Specific_Languages/English/)
ここにリストアップされているサイトを片っ端からチェックしていくのも
面白いかもしれません。本格的に研究している人のサイトには役に立ちそうな文献リストが
でていたりしますから、それを参考に図書館などで参考文献を探すのもいいかも知れません。

◆語源(Etymology)(http://uk.search.yahoo.com/search/ukie?p=etymology&y=y&e=200253963&f=0%3A7825331%3A9197745%3A202718086%3A200253022%3A200253837%3A200253926%3A208974833%3A200253963&r=Social+Science%02Linguistics+and+Human+Languages%02Languages%02Specific+Languages%02English)
同じく、Yahoo! UK&Irelandのカテゴリですが、ほとんどのHPは名前に関するもののようです。
このなかでWilton's Etymology Page(http://www.wilton.net/etyma1.htm)はHPの内容そのものはともかく、参考文献リストは多少役に立つかもしれません。

一番おすすめしたいのはネットニュースのalt.usage.englishです。
英語に関することならなんでも幅広く取り上げているdiscussionの場です。
ここでstreetおよびroadの語源や意味の違い等について
意見や参考文献などを求めてみるのもよいのではないでしょうか。
(ただし、投稿者みんなが専門家という訳ではないので、
「意見」についてはきちんと裏づけを取る必要があると思いますが。)
alt.usage.englishについての詳しい説明はこちら。(http://www.alt-usage-english.org/)
(ここにある"FAQ"および"Resources"も文献等を捜すのに便利です。)

#ネットニュースの講読方法についてはプロバイダのサービス内容に書かれていることと思います。
 alt.english.usageはdeja.com(http://www.deja.com/group/alt.english.usage)でも閲覧可能ですが、
 Outlook ExpressやNetscape Messengerなどのメーラーでの講読の方が一般的と思います。
(どちらでも使いやすい方をどうぞ。)

…などといろいろ書きましたが、すでにご存知のことばかりかもしれませんね。(^^;)
その場合には、悪しからず。



streetとroadの詳しい違いは?

瑞樹 (2000/08/12 00:20)

みなさん、はじめまして。
私は今卒業論文でstreetとroadの語源から
意味の違いや意味のまじわりなどを調べています。

しかしなかなか詳しい書きこみがなくて困っています。
もし詳しい内容のHPなどをお知りでしたら教えてくださいませんか。
英語、日本語どちらで書かれているページでもかまいません。
よろしくお願いします。メールで頂けると助かります。



「は行音について」のリンク

佐藤和美 (2000/08/11 12:53)

滝島さん
>早速の回答ありがとう!
>でも、「は行音について」にリンクしようとしたらエラーになりました。(;_;)
>でも参考になりますので、検索エンジンで「は行音」で調べてみます。
Webでリンクがつながらないときの原因はいくつかあります。
・URLが間違っている。
・輻輳(ふくそう)状態になっている。
・アクセス権限がない。
etc
たぶん輻輳状態になってたんでしょうね。
状態はエラーメッセージで判断できます。

>「は行音」のURLがわかりました。
>http://www.asahi-net.or.jp/%7Ehi5k-stu/nihongo/hagyou.htm
私は「http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/nihongo/hagyou.htm」と書いてます。
「%7Ehi5k-stu」と「~hi5k-stu」で違うように見えますが、
「~」のASCII(アスキー)コードは「7E」ですので、
「%7Ehi5k-stu」と「~hi5k-stu」は同じ意味です。

それと私の名前は「和美」ですが、「male」です。



「は」と「へ」その2

滝島 裕治 (2000/08/11 08:32)

「は行音」のURLがわかりました。
http://www.asahi-net.or.jp/%7Ehi5k-stu/nihongo/hagyou.htm
です。佐藤和美さんありがとうです。(きっと美しい平安美人?)
で、昔は、私は、、って「わたしぱ」って云ってたんですかね。



To 面独斎氏

清野 良重 (2000/08/10 21:58)

レル、ラレル
教えラレルの喜ばレル
書き込まレルの見られレル
感謝せラレル
レル、ラレル



日本語の起源

佐藤和美 (2000/08/10 13:15)

日本語の起源は不明です。
同じ系統だと証明された言語は見つかってません。

アルタイ語族とは文法が似てるといわれてます。
膠着語であること。
(膠着語については「言葉の種類」(2000/07/17)を参考にしてください)
語頭にラ行音が立たない。
母音調和がある。
ただ単語のほうは似てない。

南島語(アウストロネシア語族)
アウストロネシア語族については「ポリネシア」(1999/06/10)を参考にしてみてください。
こちらのほうはアルタイ語族とは逆に
単語が似ていて文法が似てないといわれています。

以下も読んでみてください。
「“飲む(nomu)”について」(1998/09/13)
「飲む」(1998/09/13)
「“まかな(賄)う、まかない”について」(1998/09/14)
「食べる」(1998/09/15)



白地蔵、鳩

佐藤和美 (2000/08/10 13:14)

「白地蔵」と「鳩」についての質問がありましたが、
こういう質問にはちょっととまどってしまいます。
言葉について拡大解釈されてるような。
そのうち「一般相対性理論」の意味を教えてくださいなんてきたらこまっちゃう。(^^)

「白地蔵」がどういう文脈で出てくるのか知りませんが、
それに相応しい掲示板などで質問された方がいいかと思います。
仏教なら、仏教関係の掲示板という具合にですね。



RE;「は」と「へ」

滝島 裕治 (2000/08/10 08:18)

早速の回答ありがとう!
でも、「は行音について」にリンクしようとしたらエラーになりました。(;_;)
でも参考になりますので、検索エンジンで「は行音」で調べてみます。



日本語の起源

みかりん (2000/08/10 02:41)

初めて書き込みします。私は大学で、英文学を専攻しているのですが、英語のルーツってかなり明確に分かっていますよね?(Indo-European祖語)中国語も、Sino-Tibetan語族だということですが、日本語とKoreanは解明されていないと、以前に本で読んだことがあります。
非常に初歩的な質問なのですが、現在でも日本語の起源は分かっていないのでしょうか?また、どんな説が有力なのでしょうか。よかったら教えてください。



鳩が平和のシンボルなのは

蛍 (2000/08/09 19:37)

他の説もあるかもしれませんが、
ノアの方舟に洪水が終わったことを知らせに鳩がオリーブの枝を嘴にくわえてきたことから、この姿が平和のシンボルとなったようです。
「オリーブの枝を差し出す」ことが和解の提案のしるしとなっって、1949年には、パリで開かれた国際平和用語会議で、ピカソデザインのポスターが作られ世界中に浸透したとか。
ピース(煙草)の缶のデザインもそういうものだとか。



鳩はどうして平和のシンボルなのか

雲球 (2000/08/09 14:37)

鳩派とか平和の式典に鳩を放したりしますがどうして平和のシンボルになったのでしょうか。



Re: れる・られる

面独斎 (2000/08/09 07:41)

助動詞「れる・られる」の文語形「る・らる」の意味に関して、非常に簡単な
ものですが、山口明穂ほか著『日本語の歴史』(東京大学出版会、1997年) に
記述があります。以下、その「平安時代」の章から引用します。

  「る・らる」は、奈良時代の「ゆ・らゆ」が使われなくなり、その
 意味を担って使われた語である (「る」は奈良時代から例がある)。
  受身・自発・尊敬・可能の四つの意味で使われたとされるが、この語
 のもともとの意味は、当事者の意図もなく生じた (自然的発生) 事態を
 表わすことであった。受身・自発は、本来の意味の反映であり、尊敬は
 その人がしたという意味を隠すことで現われる意味になる。可能は現代
 語の「できる」の意味であるが、当時「…をできる」とはいわなかった
 (現代語ではそうなる場合もある) ように、本来は当事者の意図にかかわ
 らず生じたの意味に通じるものである。その意味で、「る・らる」に
 通じる。なお、「る・らる」が可能の意味となるとき、平安時代では
 打消の文脈で偏っていた。

国語学者の手になるものとはとても思えぬくらい下手くそな文章ですが、
言わんとするところは分かるのではないかと思います。



(無題)

えびちゃん (2000/08/08 16:03)

漢字の部首について、質問があります。
「こざとへん」と「おおざと」それぞれもとの文字や意味が異なるということは、分かったのですが、では、なぜ、それぞれ「こざとへん」「おおざと」という名前なのでしょう?
教えて下さい。



RE:「は」と「へ」

佐藤和美 (2000/08/08 12:52)

は行音についてを参考にしてみてください。



白地蔵

AT (2000/08/07 12:48)

はじめまして。
「白地蔵」という言葉の由来と読み方が、よくわからないのですが。
意味は、「隠れたる者」=「地蔵」が、たぶん、「姿を現す」=「白」なのだと思います。
あ、鬼子母神のことは、もちろん、念頭にあります。
何か、ご存知でしょうか?



「情報」

蛍 (2000/08/06 20:02)

ちょっと、前の話題ですが「情報」について。
どこのHPだったのか忘れてしまったのですが、以下の記述がありました。

「情報」の語を初めて使用したのは、森林太郎(鴎外)で、彼がクラウゼヴィッツの戦争論を「大戦学理」の名称で翻訳した際、(1903年) nacharichtを「情報」としているのがそれであるとされている。
が、実はそれ以前(1876年)に既に酒井忠恕という軍人がフランスの軍事書の翻訳の中で「情報」を用いている。
野戦では斥候、偵察、間諜などを派遣して地勢や敵情を調べる。
その報知を酒井は「情報」と訳した。原本を見たわけではないので確かではないが、「情報」の原語はフランス語の renseignement ではないかと想像される。
―(中略)―
それまでに「情報」に相当する言葉として使われていたのは、「敵情の報知」「敵情の報告」といった表現である。 

ということでした。 

(…お久しぶりです「無知」改め「蛍」と名乗ることにしました。)



れる・られる

佐藤和美 (2000/08/06 17:11)

清野さん >日本語では、助動詞「れる・られる」で
>自発・尊敬・可能・受身の4つの概念を表わしますが
>この4つの概念を一つの表現であらわすということは
>これらに何らかの共通性があるということだと思います。
>このことについて考察している書物、でなければ、
>これらについて考察した学説などを御存知の方、
>御教示いただければ幸いと存じます。

私には読んだ記憶がありません。(^^)
「言葉は恣意的である」というところじゃないかと思うんですが。



「言葉の世界」伝言板7月分

佐藤和美 (2000/08/05 16:24)

 「「言葉の世界」伝言板7月分」を追加しました。



れる・られる

清野 良重 (2000/08/04 21:01)

日本語では、助動詞「れる・られる」で
自発・尊敬・可能・受身の4つの概念を表わしますが
この4つの概念を一つの表現であらわすということは
これらに何らかの共通性があるということだと思います。
このことについて考察している書物、でなければ、
これらについて考察した学説などを御存知の方、
御教示いただければ幸いと存じます。



語源の快楽

佐藤和美 (2000/08/04 12:37)

新潮文庫の新刊です。
萩谷朴「語源の快楽」
ま、日本語の語源の小辞典みたいなものでしょうか。

あっけらかん
けんもほろろ
鰻のぼり
あばずれ
おまる
ぶす
やくざ
しめ縄
つきだし
ぼんくら

以上の語源を知りたい人はこの本をどうぞ。
他にもいろいろ載ってます。



ニングル

佐藤和美 (2000/08/03 12:36)

ポロヌップさん
>倉本聰が参照したという磯部精一の『和愛愛和 アイヌ語辞典』
>(北海道出版企画センターの『アイヌ史資料集』に収められています)には
>「ニングル  小人・侏儒」と書かれています。
>でも、この辞典の記述はバチェラー辞典の丸写しがほとんどです。
>案の定、バチェラー辞典にもまったく同じ記述が載っています。
そうだったんですか。私はまた倉本聰の造語かなとか考えてました。
バチェラー辞典がモトネタじゃ、幽霊アイヌ語の可能性もありますね。

倉本聰「ニングル」読みました。

「ペ(ツ)とワッカ」ふるさん(2000/04/19)
>ちょうど北海道の知人から以下のような話を聴いたばかり
>だったので、質問させていただきます。アイヌに、
>「そのナはワッカ、ペじゃないぞ。シシキこいたら
> ぶたれるぞ」
>というような語句があり(正確には覚えていません)、
>「その流れは飲める水で、飲めない水ではないから、
> おしっこなどしたら怒られるぞ」
>という意味だと言います。ときに、この背景には、
>ナ=流れ
>ベツ(濁音)=暴れる川
>ナイ=暴れない川
>ペ(半濁音)=飲めない水
>ワッカ=飲める水
>といった区別があるのだといいます。たとえば、稚内は、
>飲めて暴れない川、という意味だと。

ここに書かれてるのって「ニングル」の内容だったんですねぇ。
わりと感動的に書かれてますけど、アイヌ語知らない人が本気にしたらこまったもんです。
本気にした人のHPの例(http://www.ne.jp/asahi/north/dreams/northdiary.htm)
倉本聰に責任とってもらわないといけないですね。
「ニングル」読んだ限りでは倉本聰のアイヌ語の知識はほとんどなしですね。
1985年発行だから、その後のことはわからないけど。

「ペ、ワッカ、ペツ、ナイ」(2000/04/20)でも書きましたけど、
ちょっと補足を。

「ナ」 「水」、「流れ」なんて意味はないでしょう。
(バチェラー辞典はどうだか知らないけど)
「ペツ」、「ナイ」 暴れる、暴れない、なんて間違い。
「ワッカ」、「ペ」 飲める、飲めない、なんて間違い。
「シシキ」が「小便」? これもどっからでてきたんだか。
「チュチュ」が「芽」? これも疑問。

疑問だらけの「ニングル」のアイヌ語でした。



「ニングル」の謎

ポロヌップ (2000/08/01 16:49)

もう一つ投稿します。

倉本聰の原作を読むと、森の中の小人ニングルについて富良野のアイヌの伝説があると書いてあります。

倉本聰が参照したという磯部精一の『和愛愛和 アイヌ語辞典』(北海道出版企画センターの『アイヌ史資料集』に収められています)には「ニングル  小人・侏儒」と書かれています。
でも、この辞典の記述はバチェラー辞典の丸写しがほとんどです。案の定、バチェラー辞典にもまったく同じ記述が載っています。

「小人」というとコロポックルが有名ですが、「ニングル」の伝説についてはほかに記述を読んだりそういう伝説の存在を聞いたことありません。ぜひ倉本氏にこの伝説の出典を聞いてみたいところです。

最近は、誰も見たことのないはずの(笑)「ニングル」の木彫り人形がみやげ物として出まわってますし、「ニングルテラス」のように観光スポットにまでなってますね。

「ニングル」というアイヌ語が実在するとしたら、その語源はやっぱり
 ニン(消える?)・クル(人)
でしょうか・・・?
「森の小人」なので、「ニ(木)」と関係あるのかもしれませんが、「ニ・クル(木の・人)というような解釈はアイヌ語の造語法から考えて不自然な気がします。



はじめまして

ポロヌップ (2000/08/01 16:22)

はじめまして、私は東京でアイヌ語を勉強しているものです。
時々HPや掲示板を見たりはしてましたが、掲示板に書きこむのははじめてです。
よろしくお願いします。

★「ラムラッケ」について

ちょっと時間がたちましたが私の知っていることを書きます。

以前、知り合いのアイヌのおじさんの民芸屋を手伝っていた時に、ブローチに「ラムラッケアン」
と彫っていたので、
意味を聞いてみたら、「幸せ」という意味だと聞きました。
そのおじさんは、自分の母親(この方は十勝アイヌ語の話者です)から聞いたそうです。

『アイヌ語方言辞典』によると、宗谷のアイヌ語で、ramu ratkeは「落ち着いている」という
意味です。
「落ち着く」→「すこやかである」→「幸せ」という意味の連関が思いつきます。

「ラム(心、ramu=ramの所属形)」は「心」ですが、「ラッケ」がよく分かりません。
いろいろ調べてみたのですが、「ラッケ」はこれ以外の資料では見つかりません。

ラッケは、よく使われる「ラッチ(ratci=落ち着く)」と関係あるかもしれません。

もしくは、ほかの地方でよく聞かれる「ラッキ(ratki=ぶらさがる)」の異形である
可能性もあります。
たとえば、「ピシキ(piski=数える)」が、道東では「ピシケ(piske)」になったりします。

「アン」は、「我々」・「人々」という意味の人称接辞(=an)もしくは、「〜しなさい」という
意味の「ヤン(yan)」のyが脱落した形ではないでしょうか。

これ以上のことが分かったらまた報告します。



ドナウ川の語源(トンデモ版)

佐藤和美 (2000/08/01 12:46)

佐藤和美(2000/02/11)wrote
>>・利根川:(トネはアイヌ語 tanne(長い、の意)からか)
>アイヌ語に「タンネ」(長い)という単語はたしかにあるんですが……
>これも他人の空似だと思いますけど。
>これくらいでいいなら、世界中がアイヌ語地名になっちゃうでしょう。

これを実証してみようという試みです。
アイヌ語では「t」と「d」の区別はありません。
つまり「タンネ」は「ダンネ」でもいいわけです。

「ダンネ」に似た長い川。
実は「ドナウ」は「ダンネ」だったのです。(^^);
「トネ」が「タンネ」だというのなら、
「ドナウ」が「ダンネ」だと言ってもゆるされますよね?

ドナウ川の語源(トンデモ版)の試みでした。



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