言葉の世界・伝言板 2000年7月



情報

清野 良重 (2000/07/31 23:35)

情報という言葉はほぼ同じ意味で
中国語にもあります

ただ哲学、経済、手続 などのように
中国に逆輸入された和製漢語もあるので
これが和製漢語でないとは
わたしは言いきれません



情報

佐藤和美 (2000/07/31 12:56)

「情報」、これも明治以降のヨーロッパ語を訳した和製漢語って感じですね。

いつもの「大辞林」からです。

じょうほう【情報】
(1)事物・出来事などの内容・様子。また、その知らせ。「横綱が引退するという―が入った」「戦争は既に所々に起つて、飛脚が日ごとに―をもたらした/渋江抽斎(鴎外)」
(2)〔information〕ある特定の目的について、適切な判断を下したり、行動の意志決定をするために役立つ資料や知識。
(3)機械系や生体系に与えられる指令や信号。例えば、遺伝情報など。
(4)物質・エネルギーとともに、現代社会を構成する要素の一。

じょうほう-きかん【情報機関】
各種情報の収集・調査や宣伝活動を行う政府機関。日本の戦前の情報局やアメリカの CIA など。

うろ覚えですが「情報将校」ってことばもあったんじゃないでしょうか。
日露戦争の明石っていう人(苗字しか覚えてない)とか、
陸軍中野学校の卒業生みたいな人たちのこと。

「情報」ってもともとは軍事用語だったような気がします。
森鴎外も陸軍の高官でしたよね。



「情報」

いるかくん (2000/07/30 16:34)

「情報」という言葉の語源を教えてください。
いくつかの辞書で調べてみて、「事柄の内容、様子」「戦時において、敵国に
関する報告を言う。」などというような記載がありました。
何かご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。



Re: エの音価

面独斎 (2000/07/30 16:23)

むげいさんの「音素 /j/ を認めることと音素 /e/ の具現形として [je] を
認めることは矛盾しない」という主張ですが、もちろん、そういう立場も
あろうかとは思います。しかし……

> [e]と[je]が、それぞれ独立の音素か否かと云う議論の場合、寧ろ
> 参照すべきは[ke]-[kje]のような対照ではないかと思います。こ
> れらはミニマルペアを成さず、色々と環境を変えてテストすると
> 最終的に相補分布が観察されると考えられますから、[e]と[je]を
> 単一の音素に体系付けることは可能だと思います。

「[e] と [je] がそれぞれ独立の音素か否かと云う議論」そのものが成立
しないというのが私の主張だったのですが……。ミニマルペアの考え方に
従って /j/ や /e/ という音素 (の候補) を抽出してしまえば、[je] は
/j/ + /e/ という音素連続であると分析できますから、[e]-[je] の分布は
もはや問題とはなりません。[ke]-[kje] に関して言うと、[kje] のような
音連鎖が実際に存在したのかどうか知りませんが、仮に [ke] と [kje] の
両方が存在したとすると、それは [e] と [je] とが相補分布していない
ことを意味します。それらは同一環境に生起することになるわけですから。

ところで、泰樹さんが紹介している橋本進吉「国語音韻の変遷」(『古代
国語の音韻に就いて』(岩波文庫) 所収) ですが、これまで読んだことが
なかったので読んでみました。泰樹さんの引用部分にもありますが、
ア行のエとヤ行のエが区別されなくなった後のエの音価について橋本は
次の二説を提示しています。

(A) 語頭か語頭以外かに関係なく、すべて [je] になった。
(B) 語頭では [e]、語頭以外では [je] になった。(その後 [je] に合流)

以前、むげいさんが次のようにおっしゃったのは、じつはこの (B) 説の
ことではないかという気がしますが、どうでしょうか。

> 語頭では[je]、語中では[e](逆だったかも)と云うふうに、
> 単一音素の異音と云う形で相補分布を成していた時期が
> あったんではありませんでしたっけ?

もっとも、橋本は「相補分布」とも「単一音素の異音」とも言っていない
ので、他の誰かがそのように解釈したということなのでしょう。ただこの
解釈が、語頭で [e]、語頭以外で [je] という部分だけを見て相補分布と
捉え、相補分布するのだから同一音素の異音だというふうになされたもの
であるとすれば、それは性急かつ安直な解釈であると言わざるを得ません。
(B) 説に言う語頭と語頭以外という区別は、エという音節の生起する位置
についてのものであり、音素論で言う音声環境 (単音の生起する位置) に
ついてのものではないからです。

「経済性」に関して言うと、「相補分布」にしてすでに経済性のために
適用される補助的な概念なのですから、相補分布を議論しつつ経済性を
考えないというのも、おかしな話です。



タヒチ語

秋桜 (2000/07/29 01:34)

>カズアキさん
 こんなのはどうでしょう。
 太陽にはマハナ mahana,星にはフェティア fetia,月にはアヴァエ avae と当てられているみたいです。

http://www.polynesiepassion.net/lexique.html#Nature



辞書

佐藤和美 (2000/07/28 12:49)

インターネットでは今まで「大辞林」が使えましたけど、
今度は「新辞林」が使えるようになりました。
三省堂さん、がんばってますね。

詳しくは
「Yahoo! Japan」(http://www.yahoo.co.jp/new/)の
「Yahoo! JAPANからのお知らせ 」を見てください。



亜米利加=亜州?=亜細亜?

清野 良重 (2000/07/27 18:35)

アで始まるものがほかにあったせいか(アジア、アフリカ)、
america のアクセントが me にあったせいか(メリケンはアメリカンの訛りですよね)
なぜ米で始まるのか、わかりません。
あしからず。



タヒチ語

佐藤和美 (2000/07/27 12:46)

私はタヒチ語の資料を全然持ってません。
どうもあまり日本語ではタヒチ語の資料はほとんどないんじゃないかという印象をうけます。
海外のWebをキーワード「English-Tahitian」などで検索してみてはどうでしょうか。



らりる

佐藤和美 (2000/07/27 11:58)

「集団語辞典」(東京堂出版)に「らりる」が載ってました。

「らり」(馬鹿者)を動詞化したもの。
「らり」は香具師(やし)などのことば。



Re:ラリる

ふる (2000/07/27 10:30)

語源は知らないのですが、大辞林にも意味だけはちゃんと
載っているラ行五段活用動詞なのですね。



亜米利加=米

えびちゃん (2000/07/27 09:32)

清野 良重さん、回答ありがとうございます。
そこで、もう1つ質問があります。
なぜ、亜ではなく、米が使われたんでしょうか?
また、この亜米利加という当て字は、どこの機関が決めているのかご存知ですか?



eとyeとの区別

泰樹 (2000/07/27 02:40)

あ行のeとや行のyeとは万葉集の時代では書きわけられていた(つまり発音も違っていたと
思われる)のですが、その後平安朝以降書きわけがなくなり、同音となってしまいました。
それではどのような音になったか?これにてついて、1938年に橋本進吉博士が執筆された”
国語音韻の変遷”から以下抜粋を紹介します。

「普通常識的にe音となったと考えられているようであるが、必ずしもそうとはいえない。
古代の国語では、母音ひとつで成り立つ音が語頭以外に来ることは殆どないのであって、
eもまた語頭にのみ用いられた。つまり古代国語では、一語中に、母音と母音が直接に結合
することをきらったのである。yeは語頭にも語頭以外にも用いられたのである故、eとyeと
がすべての場合に同音に帰したとすれば、eよりもむしろyeになったとする方が自然であ
る。」「しかし、またもとのeとyeとの区別が失われて、新たに語頭にはeを用い、語頭以外
にはyeを用いるというきまりが出来たかも知れない。」「eとyeとがすべてeになったとする
説は極めて疑わしい。」
「室町末期の西洋人の羅馬字綴によれば「え」はye「お」はwoの音であたらしい。殊に
「え」は、現代の九州および東北の方言では現代標準語のエにあたるものすべてをyeと発音
するところがあるのをみれば、室町末期の西洋人がyeで写したのも当時の事実を伝えている
のであろうと思われる。」「室町時代においてはこれにあたるもの(注、e, ye, we, は行
のへを意味します)はすべてyeになっているのは、たとい、もとは語頭の場合だけeであっ
たとしても、語中には常にyeであり、しかも、その方がしばしば用いられるために、後には
語頭にもyeと発音するようになったのであろうと思われる。」

>種子島では「オ」を「ウォ」という。また「シウォ(塩)」「イウォ(魚)」のように、
>語中の「オ」だけを「ウォ」というのは周辺地域に多い。

これも室町時代と同じような発音がまだ残っているということなんでしょうか。



アメリカ=米国

清野 良重 (2000/07/26 18:52)

亜米利加の米から来ているように思います。
ちなみに中国や韓国では美国といいます。
ソウル市内で「美人会話」と看板が出ていたので、
鼻の下を伸ばして入ってみると、
アメリカ人の英会話教室だったそうです。



国の漢字表記の語源

えびちゃん (2000/07/26 17:16)

「アメリカ合衆国」のことを日本では、「米国」と言うことがあります。
「米作り」が盛んだからというわけではないと思うのです。
なぜ、「米国」と言われるようになったのでしょう?



「会社」対「社会」

高瀬 明 (2000/07/26 17:15)

 この種のものは沢山あると思います。時間の関係で、取り敢えず、手持ちの資料から一部のみ次に示してみます。一部、似ているものありますが、概ね異なる意味のものをならべた積もりです。

相手(あいて)/手相(てそう)
青緑(あおみどり)/ 緑青(ろくしょう)
悪性(あくせい)/性悪(しょうわる)
足長(あしなが)/長足(ちょうそく)
味気(あじけ)/気味(きみ)
圧制(あっせい)/制圧(せいあつ)
天晴(あっぱれ)/晴天(せいてん)
圧電(あつでん)/電圧(でんあつ)
東関(あづまぜき)/関東(かんとう)
後先(あとさき)/先後(先手と後手)(せんご)
兄の背中(あにのせなか)/中背の兄(ちゅうぜいのあに)
海人(あま) /人海(じんかい)
家出(いえで) /出家(しゅっけ)
一同(いちどう)/同一(どういつ)
一万(いちまん) /万一(まんいち)
移転(いてん) /転移(てんい)
色男(いろおとこ) /男色(だんしょく)
色女(いろおんな) /女色(にょしょく)
色黒(いろぐろ) /黒色(こくしょく)
色気(いろけ) /気色(きしょく)
色白(いろじろ) /白色(はくしょく)
色物(いろもの) /物色(ぶっしょく)
印影(いんえい) /影印(えいいん)
後前(うしろまえ) /前後(ぜんご)
薄手(うすで) /手薄(てうす)
内幕(うちまく) /幕内(まくうち)
内枠(うちわく) /枠内(わくない)
乳母(うば) /母乳(ぼにゅう)
産土(うぶすな) /土産(みやげ)
裏口(うらぐち) /口裏(くちうら)
上目(うわめ) /目上(めうえ)
運気(うんき) /気運(きうん)
鋭気(えいき) /気鋭(きえい)
栄光(えいこう) /光栄(こうえい)
液体(えきたい) /体液(たいえき)
得体(えたい) /体得(たいとく)
演出(えんしゅつ)/出演(しゅつえん)
王国(おうこく) /国王(こくおう)
王女(おうじょ) /女王(じょおう)
置物(おきもの) /物置(ものおき)
屋上(おくじょう)/上屋(うわや)
押花(おしばな) /花押(かおう)
重荷(おもに) /荷重(かじゅう)
温室(おんしつ)/室温(しつおん)
温水(おんすい)/水温(すいおん)
音声(おんせい)/声音(こわね)
御大(おんたい)/大御(おおみ)
温低(おんてい)/低温(ていおん)
海外(かいがい)/外海(がいかい)
会議(かいぎ) /議会(ぎかい)
会商(かいしょう)/商会(しょうかい)
回次(かいじ) /次回(じかい)
界磁(かいじ) /磁界(じかい)
海上(かいじょう) /上海(しゃんはい)
階段(かいだん) /段階(だんかい)
科学(かがく) /学科(がっか)
閣内(かくない) /内閣(ないかく)
格別(かくべつ) /別格(べっかく)
外局(がいきょく) /局外(きょくがい)
外車(がいしゃ) /車外(しゃがい)
外野(がいや) /野外(やがい)
学理(がくり) /理学(りがく)
学力(がくりょく) /力学(りきがく)
情事(じょうじ) /事情(じじょう)
優男(やさおとこ) /男優(だんゆう)
女湯(おんなゆ) /湯女(ゆな)



「会社」「社会」

ふる (2000/07/26 10:45)

「情実」「実情」
「回転」「転回」
「英和」「和英」(^^)

↑無理矢理思いついてみました。

 情熱・熱情ですが、関連するヨーロッパ系の語彙としては、
パトス、ライデンシャフト、テンパラメント
あたりですか。
 passionを透谷が訳したのが「情熱」というのは興味深い
ですね。パトスはパトスとか情念ぐらいに訳すのでしょうか。
ベートーヴェンの「熱情」ソナタの原語は何で誰が訳したの
だろうかとも思いました。



エの音価

むげい (2000/07/26 02:29)

面独斎さんに[e]と[je]を「単一音素の異音」と捉えることがおかしい
のではないか、と云う御指摘を頂きましたが、私もこの話は受け売り
でして、細かい部分に詳しいわけではないのですけど、取り敢えず成
立はし得る分析だと思います(最適かどうかはともかく)。

> [ke] や [te] という音連鎖の存在を考えた場合、これらは [je] と
> ミニマルペアをなすと考えられるので、そこから音素 /j/ が抽出できます。
> また、[ja]、[ju]、[jo] という音連鎖の存在からも、音素 /j/ の妥当性が
> 認められます。

とおっしゃる部分に就いては、全くその通りだと思うのですが、そ
もそも音素/j/を認めることと、音素/e/の具現形として[je]を認め
ることは矛盾しないのではないでしょうか?私の持ち出した分析も
音素/j/を否定する立場に立つものではないと理解しています。

[e]と[je]が、それぞれ独立の音素か否かと云う議論の場合、寧ろ
参照すべきは[ke]-[kje]のような対照ではないかと思います。こ
れらはミニマルペアを成さず、色々と環境を変えてテストすると
最終的に相補分布が観察されると考えられますから、[e]と[je]を
単一の音素に体系付けることは可能だと思います。

但し、先述の通りこれが最適かどうかは判断しかねます。可能性から
言うと、例えば「ア」を/'a/と分析して音素/'/を認め、その異音とし
て、語頭且つ/e/の前で[j]、と云うふうな考え方もできるかも知れ
ません。私自身は余りつめて考えていないのですが、矛盾無く記述で
きるならここら辺は経済性の問題になってくるような気もします。
それ以前に、音素の問題に就いては単音の分布からだけでは必ずしも
一意に決定できるとは限りませんし、音の類似性や或いは形態レヴェ
ルの情報なども考慮する必要がありますよね。

それから「ゑびす」に就いては、面独斎さんが「大辞林」から引用されて
いるような事情を把握した上での事ではなくて、単に商標からの思い
込みでした。失礼しました。



ラリる

こうたろう (2000/07/25 22:46)

「ラリパッパ」「ラリる」の語源を調べています。
誰が使い始めたのか?
いつごろから使われるようになったのか?
語源はどこなのか?

現在のところ、
*ラリった状態ではラ行しか発音できなくなるから
*歌のラリパップ(ロリポップ)からではないか
などの情報がありますが、裏づけはありません。
関連するような情報などありましたら、お願いいたします。



タヒチ語

カズアキ (2000/07/25 20:08)

タヒチ語で、太陽と星を、何と呼ぶのでしょうか?教えてもらえれば有り難いのですが、、



いとをかし

佐藤和美 (2000/07/25 12:59)

「いとをかし」は「いと」+「をかし」ですね。
意味は古語辞典を調べるのが一番いいでしょう。

とりあえずは「大辞林」から。

いと
(1)程度のはなはだしいさま。非常に。大変。「三寸ばかりなる人―うつくしうてゐたり/竹取」
(2)(下に打ち消しの語を伴う)たいして。あまり。「―やむごとなき際(きわ)にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり/源氏(桐壺)」
(3)事態が並々でないさま。本当に。「かの張騫(ちようけん)も―ただ者にはあらざりけるにや/今昔 10」

おかし・い
(形)[文]シク をか・し
[一]
(1)(「可笑しい」とも書く)笑いたくなるような面白さがある。滑稽である。「何度聞いても―・い話」「あわてて逃げて行くそのかっこうの―・かったこと」
(2)普通でなく奇異な感じがする。異常だ。変だ。「息づかいが―・い」「エンジンの調子が―・い」「挙動の―・い男」
(3)つじつまが合わない。筋が通らない。「論理的に―・い」
[二]
(1)興味深い。おもしろい。「君も―・しと聞き給ふ/源氏(若紫)」
(2)風情がある。情趣がある。「雨など降るも―・し/枕草子 1」
(3)美しく魅力的だ。「姫宮は…あてやかに―・しくおはするに/栄花(月の宴)」
(4)優れている。立派だ。「心ばへなども―・しかりければ、父母此れを愛しけり/今昔 27」〔(1)語源については「招(お)く」の形容詞形とする説などもあるが、古くから[一](1)の意でも用いられており「おこ(愚)」との関係が顕著である。滑稽なおもしろさを表す意から転じて、ほほえましい魅力的なさま、心をひきつける趣深いさまを表す意となったものか。また、[一](2)の用法は平安時代末頃から見える。(2)「をかし」は平安朝の文学を捉(とら)える上での文学理念・美的理念ともされる。趣がある・興味がひかれる・賞美したい等の感動体験を主情的に詠嘆する「あはれ」に対し、知的に対象化して観照する美意識を捉えていう。「枕草子」は、その代表とされる。→もののあわれ〕



情熱、熱情

佐藤和美 (2000/07/25 12:50)

「大辞林」から。

じょうねつ【情熱】
激しく高まった気持ち。熱情。「―を燃やす」「―を傾ける」「―家」〔passion を北村透谷が訳した語といわれる〕

ねつじょう【熱情】
物事に対する激しく熱心な気持ち。情熱。「―あふれる演説」

意味の差は特にないですよね。
「情熱」は北村透谷だから明治生まれということですね。
「熱情」も多分明治以降の生まれじゃないかと思います。
で、明治以降生まれの和製漢語に語順がどうのと言ってもしょうがない。
というところじゃないでしょうか。

調べたことないですが、
二字熟語で前後入れ替えた両方があり意味が違うというのは、
そうはないんじゃないか」という気がします。
「会社」と「社会」くらいしか思いうかびません。



いとおかし

開 (2000/07/25 10:42)

昔言葉で「いとおかし(いとをかし?)」という言葉の意味が知りたいです。



(無題)

コボ (2000/07/24 12:51)

ありがとうございました!
参考にしてみます。



タメ

佐藤和美 (2000/07/24 12:47)

「ことば会議室」に以下のページがあります。
参考にしてみてください。

「タメ」の意味
http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/BBS/room_1/BBS_MSG_971222225053.html



ためぐち

コボ (2000/07/24 12:01)

始めまして。
今ため口についてのレポートを書いてるんですが、なかなか資料がないので困ってます。
そもそもため口っていうのはどうして特別視される必要があるんでしょう?普段使ってる言葉=ため口では?



訂正 (ヱビス)

面独斎 (2000/07/24 07:30)

「ヱビス」とするのは商標の場合だけではないかと書きましたが、
『大辞林』に次のようにありました。

> 「えびす(戎・夷)」と同源の語。一般に「恵比須」と書くことが多く、
> この場合の歴史的仮名遣いは「ゑびす」

平仮名の「ゑ」も片仮名の「ヱ」も漢字「恵」に由来しますから、
「恵」を当ててそれを仮名書きする場合に限り「ゑ・ヱ」を使うということ
なんでしょうか。語源的にはア行 (ヤ行) のエであるようです。



「情熱」と「熱情」

aki (2000/07/23 22:14)

はじめまして。
ふとした疑問なのですが、「情熱」と「熱情」はどう違うのでしょうか?
また、漢語における漢字の並び順による意味の違いなども教えていただけると、
大変有難いです。



エの音価と音素抽出

面独斎 (2000/07/23 18:24)

むげいさんの書き込みの中に、気になる記述が一点あります。

> [e]と[je]の区別に就いては、面独斎さんの書かれている通り、
> その区別は早くに消失しましたが、発音としては、語頭では[je]、
> 語中では[e](逆だったかも)と云うふうに、単一音素の異音と云う
> 形で相補分布を成していた時期があったんではありませんでしたっけ?

[e] と [je] の分布に関しては、じつは私も詳しいわけではありませんので、
何かをコメントできる立場にないのですが、ただ、[e] と [je] とを「単一
音素の異音」と見るのはどうかなという気がします。以下、エの音価が、
語頭では [je]、語中では [e] であったと仮定して話を進めます。

語頭で [je]、語中で [e] として現れる音素 /e/ を想定する場合、それが
エ以外のエ列音 (ケ、セ、テ、…) の母音としても現れることを考慮する
必要がありますが、その場合は語中なので [e] になると考えれば、
相補分布の考え方には矛盾せず、一見、何の問題もないように思われます。
しかし、[ke] や [te] という音連鎖の存在を考えた場合、これらは [je] と
ミニマルペアをなすと考えられるので、そこから音素 /j/ が抽出できます。
また、[ja]、[ju]、[jo] という音連鎖の存在からも、音素 /j/ の妥当性が
認められます。

エが語頭で [je] に、語中で [e] になるという現象は、語頭という位置に
現れた /e/ に /j/ が添加されたものであると見るべきではなかろうかという
気がします。

ついでながら、もう一点。「ヱビス」というのは商標だけの表記で、七福神の
恵比寿の「エ」はア行ないしヤ行のエではないでしょうか。



Re: YEN 表記の由来

面独斎 (2000/07/23 18:20)

まず訂正を。私の前回の書き込みの (2) において、「なりしょうか」とある
のは「なりましょうか」の間違いです。これがホントの「まぬけ」ですね。
失礼しました〜(^^;)。

それはさておき、7 月 12 日 03:53:24 付けの泰樹さんの書き込みに関して、
少々強引だと私が評した理由を、ご要望にお応えして明らかにしておきます。
泰樹さんは、

> 当時の外国人、特にEnglish Speakerの耳には日本人が"Yen"と発音して
> いるように聞こえていたと思います。

と主張し、その根拠として現代日本語の「1 円」から「10 円」までが実際に
どう発音されているかについて考察しているわけですが……

(a) 明治初期の日本語の発音と現代日本語の発音とを無条件に同一視して
しまって構わないものなのかどうか。少なくとも、当時と現代の発音の違いの
可能性に関して何らかの言及があって然るべきではないでしょうか。

(b) 考察の対象が 1 円から 10 円までなのはなぜでしょうか。他の可能性は
ないのか。とりわけ「円」が単独で発音される場合を考えないのは疑問です。
少なくとも、他の場合を考察しない理由を明示すべきではないでしょうか。

(c) 当時の日本語という観点からすれば、「7 円」を nana-en とするのは
疑問です。「しちえん」だったのではないか。「9 円」も「くえん」だった
かもしれません。なお、ついでに指摘しておくと、ヘボン式ローマ字綴りでは
「じゅ」は「jyu」ではなく「ju」です。

(d) 「日本人は昔から二重母音が不得意」とありますが、これは現代日本人
にもあてはまるでしょうか。また、そのために「i+eがjeの音になって」いる
とのことですが、もしそうだとすると、たとえば「2 円」は [njen] になって
しまいます。つまり「ニェン」ですが、これは事実に反します。

(e) 「9 円」に関して、すでに発音した [j] の舌の位置を変えずに [e] を
発音すると [je] になるとしていますが、舌の位置が同じというだけでは
[j] にはなりません。[j] は接近音に分類されるように、瞬間的に母音よりも
声道を狭めることによって産出される音です。この瞬間的な声道の狭窄がなぜ
引き起こされるかについても説明されなければとても納得できません。

ま、ざっとこんなところでしょうか。



ニングル

めび (2000/07/22 00:35)

ありがとうございました(^^)
私も調べてみましたが、家具の事をもニングルと言うみたいで、
ニュアンスとしてかなり広い意味合いなのかもしれませんね。



ニングル

佐藤和美 (2000/07/21 23:43)

「北の国から」で有名な倉本聰の「ニングル」(理論社1985年)が、
ニングルの原点のようですね。

「ニングルテラス」のHPからです。
http://www.candleworld.co.jp/index.html
☆ニングルとは・・・
 15センチほどの小さな森の番人のこと。この森は、原作『ニングル』(倉本聰/理論社刊)そして舞台『ニングル』を背景にした劇空間のような森です。中央にある巨大な木の根は、ニングルの家。夜はライトアップされ、まさに幻想の世界。
☆ここニングルテラスは・・・
 「北の国から」の作家・倉本聰氏のプロデュースにより、「創の思想」から生まれました。「創作」の創も作も”つくる”という意味ですが、知識とお金でつくるのが作であり、お金はなくとも知識で生み出す、それが「創の思想」です。

数年前に自然環境問題のキャンペーンやってましたけどそのHPから。
「森のニングルが消えた星」
http://www.inter.co.jp/ac/pages/campaign/all/ningle/ningle.html
自然環境問題に対する意識喚起をめざし、昨年から一年間、全国で展開するキャンペーン作品です。
作家・倉本聰さんの物語に登場する森の住人「ニングル」をメインキャラクターに、人と森との共生を親しみやすく伝えます。

「ニングル」は倉本聰の創作ということでしょうね。
ただ倉本聰がアイヌ語で名前をつけたという可能性はあるでしょうね。
そのへんは理論社の「ニングル」を読めばなにか書いてあるんでしょうが、
私は持ってませんのでわかりません。
むりやりアイヌ語をあてはめてみると、
「ニンnin」(減る、消費して減ることでなく、それ自身縮んで小さく/かさが少なくなることをいう)
「グル(クル)kur」(人)
(田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」草風館)
これをむりやり訳せば、「小人」のことを言う?
(あまり本気にしないでくださいね)
ま、アイヌ語とは無関係と思ってたほうが無難でしょう。



鹿児島方言の母音

佐藤和美 (2000/07/21 12:42)

鹿児島方言の母音ですが、
「鹿児島県のことば」(明治書院)には次のように書いてあります。

「ア、イ、ウ、オ」の音は共通語に同じ。「エ」は全域「イェ」である。ただし語中では「ウエ(上)」「マエ(前)」のように「エ」となることが多い。種子島では「オ」を「ウォ」という。また「シウォ(塩)」「イウォ(魚)」のように、語中の「オ」だけを「ウォ」というのは周辺地域に多い。



アイヌ語なんでしょうか。

めび (2000/07/20 17:55)

富良野に『ニングルテラス』というのがありました。
民芸品の工房が集まった所なのですが、語源に興味を持ちまして。

そこに説明書きで『ここには数世帯のニングルが生活しています』
とあったのですが、このニングルとは何を指す言葉なのでしょうか。
Microsoftエンカルタで調べてみましたが出ておらず、もしご存知
でしたらお教えください(^^)



YENの表記と発音

むげい (2000/07/20 09:49)

泰樹さんと面独斎さんの「YEN」に就いての遣り取りで、
多少思い出すところがあったので、書き込ませて頂きます。

先ず、「YEN」と云う表記の由来ですが、面独斎さんのおっしゃる
(1)と(2)に就いては、私も聞いたことがありました。これに加えて
「当時実際に[jen]と発音していた」と云う説も聞いた憶えがあります。
と云っても方言での話です。当時の官吏達には、明治維新で功績の
あった旧薩長土肥藩の出身者が多かったわけですが、確か(少なくとも
当時の)薩摩か長州の方言では「エン」は[jen]と発音されており、
通貨単位の制定にあたった役人達が「自分の発音している通りに」
書いた、と云う風な説だったと思います。

[e]と[je]の区別に就いては、面独斎さんの書かれている通り、そ
の区別は早くに消失しましたが、発音としては、語頭では[je]、
語中では[e](逆だったかも)と云うふうに、単一音素の異音と云う
形で相補分布を成していた時期があったんではありませんでしたっけ?
(余談ですが、この後「ヱ」[we]も合流してしまうので、「ヱ」が本来
ワ行にも関わらず[je]と発音され得る事態が起こった筈です。
「ヱビス」が"Yebisu"と書かれるのはそのような理由だったと思い
ます。あ、そもそも「円」自体「ゑん」ですよね。)
問題は、この単音[e]と[je]の住み分けがいつまで保存されていた
かと云うことだと思いますが、これも面独斎さんの言われる通り
[e]になったのは江戸時代だったと記憶します。しかしこれは江戸
での話(且つ、後の標準語、共通語)でしょうから、他方言において、
[je]と[e]の住み分けが保たれていた可能性はあると思います。

もっとも、薩摩や長州の方言の知識を持ち合わせていないので、
実際のところこの説が成り立ち得るのかは個人的には判断できま
せん。ご存知の方に御指摘頂ければ幸いです。

それから、「"エン"を実際のところどう発音しているか」ですが、
私の場合、内省してみると通常[jen]とは言っていないようです。
但し、「1円」など「円」の前に[i]が来る時は、多少[j]に近い渡
り音が入りがちではあるようです。

「3円」の場合、「ン」が母音に挟まれているわけですが、「ン」は
一般にこのような環境下では、鼻母音として実現する筈で、私
自身の発音もそのようになっているようです(尤も、内省を行
う前にこの分析を知っていたので、「先入観ではないか?」と
云われると反論しきれないのですが)。しかし、「3円」の場合の
鼻母音の舌位は割と[i]に近そうなので、多少[jen]に近い音色
が聞かれることはありそうです。特に、舌が完全に[e]の形を
とる前に鼻腔への通路が塞がれると、[j]のような音が入る
ことになるでしょう。泰樹さんの場合も、記述から推測するに
[-ngj-]と云うよりは、やはり鼻母音で発音しているのでは
ないかと云う気がします(勿論実際に聞いていないので断言で
きませんが)。比較的ゆっくり、或いは区切って発音すれば、
[ng](は軟口蓋鼻音ですよね?)が現れると思いますが、普通
に[sang-jen]と云ったとすると、泰樹さんの「[san-en]だと
"サネン"になる」と云う論理通り、「サギェン」または
「サンギェン」(「ギェ」は鼻濁音の拗音)となってしまうのでは
ないでしょうか?

それと最後に、
>佐藤さん
ご挨拶が遅れましたが、むげいと申します。私も言葉全般に
興味があって、このサイトはいつも楽しく拝見しております。
今後も書き込ませて頂くことがあるかも知れませんが、
どうぞ宜しくお願いします。



普段

佐藤和美 (2000/07/18 12:57)

「普段」ですけど、「大辞林」からです。

ふだん【不断】
(1)絶えないこと。いつまでも続くこと。また、そのさま。「―の努力」「掘ぬきの水が―に流れてゐた/黴(秋声)」
(2)決断力がない・こと(さま)。「優柔―」
(名)〔現代では多く「普段」と当てて書かれる〕いつもその状態であること。日頃。副詞的にも用いる。「人間は―が大切だ」「―心掛けている健康法」

「普段」の語源は「不断」
「現代では多く「普段」と当てて書かれる」とあるので、そう古いことではなさそうですね。

同じく「大辞林」からのおまけです。

ふんだん
〔「ふだん(不断)」の転〕



「ネオ・ファウスト」と東京湾埋め立て

佐藤和美 (2000/07/18 12:39)

 「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に
「ネオ・ファウスト」と東京湾埋め立て」を追加しました。



YEN 表記の由来

泰樹 (2000/07/18 02:30)

面独斎へ
YEN 表記の由来に関する諸説の紹介ありがとうございます。
私の説が少々強引とのことですが、おっしゃる意味が理解できかねます。
私はあくまで”YEN 表記の由来はわからない”という立場です。
由来がなんであれ、実際はYenと発音しているのではないか?という一種の問題提起です。

皆さんが実際になんと発音されているかを知りたいと思います。ことに3円などは、誰も
[san-en]とは発音していません。もし[san]と[en]とを発音していると、普通の早さでしゃべっても[sannen]つまり"サネン"という発音になります。
普通は皆さん[sang-jen](発音記号がきちっと書けないので便宜的にこのような書き方を
しますが)と、つまり、ngのところで舌の先は上顎にくっつかず下の歯のところにとどまり、そのあとeを発音しようとすると[jen]という発音になるわけです。

面独斎のお書きの4)については、その他に、北欧語ではenは1(いち)を表します。
2)については、最近これに関する本を目にしたので後日詳細を調べてメールします。



言葉の種類

佐藤和美 (2000/07/17 12:44)

言葉の種類に関して「大辞林」からひろいだしてみました。
以下、「大辞林」からです。

屈折語
言語の形態的類型による分類の一。語の文中における文法的な役割や関係の差異を、語形の一部を変えて示す言語。主として語尾変化として現れる。インド-ヨーロッパ語族やセム語族の言語の多くがこれに属する。

孤立語
言語の形態的類型による分類の一。単語が文中で使われる時、屈折や膠着(こうちやく)の手続きなしに用いられる言語。文法的な機能は配列の順序によって決まる。中国語・チベット語・タイ語の類。

膠着語
言語の形態的類型による分類の一。実質的な意味をもつ単語あるいは語幹に、文法的な機能をもつ要素が次々と結合することによって、文中における文法的な役割や関係の差異を示す言語。朝鮮語・トルコ語・日本語・フィンランド語など。

抱合語
言語の形態的類型による分類の一。文を構成するすべての要素が、動詞を中心にその前後に密接に結合して、あたかも全体で一語のようなまとまりを示す言語。アラスカ-エスキモー語・アメリカ-インディアン諸語・アイヌ語などがその例。



教えて下さい

ユカ (2000/07/17 12:39)

「普段」の語源を教えて下さい。
いつ頃からこの漢字が使われるようになったのでしょうか。



伝言板沖縄関係集

佐藤和美 (2000/07/16 18:51)

「日本語とその周辺」の「伝言板沖縄関係集」を更新しました。

去年の8月以降の分を追加しています。



YEN

面独斎 (2000/07/16 09:06)

日本の通貨単位「円」のローマ字表記がなぜ「YEN」なのかに関して、
がめらさんの以前の書き込み (98/06/30) ですが……

> 日本で「円」が、用いられたのは、明治5年からで、
> 当時、造幣の技術指導に来ていた外人技師が、
> 発音しやすい「YEN」をを使ったことから紙幣にも
> 「YEN」と書かれるようになりました。

ウェブ上で検索してみると、どうも定説は存在しないようです。
まず、誤りを訂正しておくと、「円」が用いられたのは明治 4 年からで、
同年に定められた「新貨条例」によります。YEN というローマ字表記が初めて
用いられたのが明治 5 年で、この年、YEN の表記を使った紙幣「明治通宝」が
発行されています。

あちこちのウェブ・サイトの記述を総合すると、YEN 表記の由来に関して以下の 諸説があるようです。

(1) ローマ字表記を「EN」とした場合、英語話者はそれを「イン」に近い発音で
読んでしまうので、これを避けるために Y を付けたという説。YEN が発音しやすい
というわけではなく、EN だと「エン」とは発音されにくいということのようです。
以前、NHK テレビでも解説委員がこの説を紹介していました。

(2) 当時は「エ」を「ye」と転写することが広く一般的に行われていたため、
「円」は当然のごとく YEN になったという説。平安時代に区別がなくなったア行のエと
ヤ行のエは、ヤ行のエ (つまり [je]) に合流したと見られますが、その根拠となる資料に
キリシタン文献があり、そこではエが ye で記されています。江戸時代に入ってエの発音
は [e] に変わりましたが、ye の表記は変わらなかったということになりしょうか。
この説をとれば「江戸」が Yedo と表記されたことも無理なく説明できます。

(3) 中国の紙幣「元」札には「圓」および「YUAN」という表示があり、
この YUAN が日本で YEN に転化したという説。中国では、「圓」と「元」とは
発音が同じであるため、「元」を「圓」の俗字として用いるようです。

(4) いくつかの外国語では「en」は頻繁に使用される常用語であるため、それと
同じ綴りになるのを避けたという説。en は、たとえば、フランス語やスペイン語では
「〜の中に」という意味ですし、オランダ語では「そして」の意だそうです。

泰樹さんの説は、少々強引ですね。



いばらの涙って曲がラルクにあります

しみこう (2000/07/15 17:29)

ファンにはとても人気です。
 Whatever,いばらさん、ありがとうございました。英和を見てみたら、載ってました。
不可解なのは、この言葉を人に聞いてみたところ、居合わせて2人が口をそろえて、
宗教っぽい説明をしたんですよね。一体、なんだったんだろう。何かの小説とかの中で
違う意味で使っていたのかな。危なくだまされるところでした(笑)



シナ・チベット語族

自転車小僧 (2000/07/15 03:43)

ここのところ、印欧語族の、シナ・チベット語族のと比較言語学まがいの言葉が飛び交って
おりますが、自分の知る限り比較言語学的研究が確立しているのは、ほぼ印欧語のみ。
アルメニア語のerk-が印欧祖語の*dwo-(2)に対応するとか、印欧祖語に喉音ラリンジャルを
再構することで母音交替を論理的に分析でき、ラテン語、ヒッタイト語、サンスクリット語が
同系であることが証明されたことなどを覚えています。ウラル・アルタイ語学説は、ウラル語
テュルク語、アルタイ語、ツングース語の4語群のそれぞれの中では同系であるだろうことは
十分証明されているが、語群間では隣接するものではある程度関連がありそうなものの、借用
であるか、同じ祖語からの分岐なのかの証明には至っていない。マライ・ポリネシア語族は、
マダガスカルからイースター島に至る広い分布の割にはほとんど他言語との接触が無かったせい
か、割合祖語形の再構が進んでいる。*asap-(煙)「これを日本語の阿蘇と結びつける説もあるが、
疑わしい。」また、無文字言語が多いので、古代語の比較というのは絶望的。同様のことがアフリ
カのバントゥー語やナイロ・サハラ語群にも言える。均一性は見られるものの借用なのか同系なの
か歴史的な証拠が少ない。アラビア語等のアフロ=アジア語族は系統的な再構が進んでいると聞くが
詳細は知らない。実際、アラビア語がある程度分かれば、シリア語、ヘブライ語も分かるようだ。
さて、シナ・チベット語族はというと、古い文献はかなり残っているものの共通祖語形を再構する
まで、至っておらず、タイ語群、ビルマ語群、カチン語群、チベット語群、シナ語群等9語群に分
けているのがよく見られていた。詳しくはPaul K. Benedict "Sino-Tibetan"参照。
結局シナ・チベット語族という語族はヒマラヤからインドシナ半島、中国にかけて話される単音節
声調言語というまとまりでしかないように思われる。よく、チベット語の数詞と漢語の数詞が似て
いるということで同系といわれるが、印欧語族では基礎語彙とされている数詞も、シナ・チベット
語族では文化語彙として借用されるという事実を無視している。
実際、タイ語の例で、nuung:1, song:2, saam:3, 11:ship-et 1はタイ語本来の固有語とみなさ
れるが、2は漢語の"双"、3以降は漢語そのものの借用とみなされます。そして、1も11のように
複合形になれば、漢語系の借用語になっています。タイ語群の中には、3まで固有語を持つもの、
1ですら漢語系のものなど色々あります。チベット語の場合は、chik:1, hnyi:2, sum:3,shi:4
という風にほぼ漢語系です。但しほかの語彙、色彩語になるとまったく異なる。
      漢語(中古音)タイ語  ビルマ語  チベット語 ベトナム語
  "白"  *bjak    kow    phyu-   ga-    trang
  "黒"  *'hok    da:m   net-    na-    den
  "赤"  *chik   deeng   ni-    ma-    do
注:細かな記号は省略した。
ベトナム語はヴィエト・ムオン語群として、モン・クメール語族に含めることもあるが、
モン・クメール語族自体が学説により定義が異なる。マライ・ポリネシア語族と一緒にオースト
ロネシア語族とする説も有力。
総じて言えば、現段階では語族として系統関係がはっきりしているものは少なく、資料的な問題
から印欧語族が群を抜いている。ほかのものは語族ではなく、その下位分類の語群としての系統
的まとまりが見られる場合がほとんどというところだろう。
さて、そこで英語と中国語を比較して系統関係を云々するのはどうかといえば、結局はごろ合せ
でしかないといえましょう。数詞なら数詞、色彩語なら色彩語、身体名称なら身体名称という風
にどの言語でもある語彙(基礎語彙)で調べてみればすぐわかると思います。
詳しくは『数理言語学入門』安本美典などが良いでしょう。同氏のPHP新書『日本語の起源を探る』
などは一般向けでよろしいかと。
中国語の系統については橋本萬太郎『博言学』、『言語類型地理論』などが面白いでしょう。
印欧比較言語学については高津春繁『比較言語学入門』、『印欧比較言語学』などを押さえておく
と良いのではと思います。高津さんの本は旧版のほうが詳しいのですが、旧字体で活字も小さいの
で内容もさることながら非常に読みにくいです。
少々ペダンティックな文章になりましたが、これにて。



オンコ

佐藤和美 (2000/07/15 12:38)

「オンコ」ですが、更科源蔵/更科光「コタン生物記」(法政大学出版局)には、
「北海道では一般にこの木をオンコと呼んでいるが語源は明らかではない。」
とあります。
これはアイヌ語かどうかもわからないということです。
知里真志保「分類アイヌ語辞典・植物編」にも「いちい」のアイヌ語として「オンコ」は載ってません。
この辞典の「オンコ」は和語索引にでてきますので、
知里真志保は「オンコ」を和語だと考えていたのでしょう。
また田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」(草風館)にも「オンコ」はありません。
「オンコ」がアイヌ語だというのは疑問です。

「広辞苑」には「オンコ」が「アイヌ語から」などと書いてありますが、
「広辞苑」のアイヌ語は疑問だらけです。
このことに関しては「2000年(前半)伝言板アイヌ語関係集」の2月あたりに「広辞苑」関係の書き込みがあるので参考にしてください。



「オンコ」の語源は

てんちん (2000/07/14 13:46)

はじめまして。
和名「イチイ」を「オンコ」と呼びますが、辞典で「〜アイヌ語から」となっています。
アイヌ語で「オンコ」とはどんな意味があるのでしょうか。
意味分解の出来ない最小語なのでしょうか。
ご存知の方宜しくお願い致します



ヨーロッパの人名の語源

佐藤和美 (2000/07/13 07:44)

ヨーロッパの人名の語源に関して手に入れやすいのは
梅田修「世界人名ものがたり」(講談社現代新書)
でしょうね。

月刊言語7月号に予告がでてたけど、
「ヨーロッパ人名語源辞典」(大修館書店)
って、もう出たのかな?

この「ヨーロッパ人名語源辞典」の著者が梅田修さんなのでありました。



ヘボン式

泰樹 (2000/07/12 04:29)

今はなき美人女優のオードリーヘップバーン。
明治時代のお雇い外人で、日本人にローマ字を教えてくれた(?)ヘボンさん。
実はこの二人、同じ名前なのです。
Hepburnと書きます。
英語ではbの前のpは無声化されていますから、日本語表記としてはヘバンがより近いかと思います。アクセントはへにあります。

ひところワイドショーをにぎわせた三浦和義のやっていたお店、フルハムロード。これはロンドンのFulham Roadにちなんだものですが、英語の発音はフラムロード。フにアクセントがあります。日本では喫茶店や洋風のお店は奇数文字の名前がはやるという法則があります(例:ルノワール、スターバックス)。フラムロードだったらあんまりはやらなかったんじゃないかな。



鹿深と甲賀

泰樹 (2000/07/12 04:05)

------------------------------------------------------------------------

中村威也 (99/08/16 16:10)

さて、最近あるML(三国志ML)で、「甲子」の読みが「カッシ」と「カフシ」の二通りあり、どちらも間違いではない(慣用読みでない)ということを知りました。

------------------------------------------------------------------------

忍者の里、甲賀。
昔この地方は鹿深で、カフカと呼ばれていました。
カフカが ”−p>−pu>−φu>u” の法則により、カウカとなり、そして最後のカが濁音になりカウガとなりました。今度はこの音に従って、甲賀という文字がこの地方の表記に採用されたのです。



"Ye"か"E"か?

泰樹 (2000/07/12 03:53)

はじめまして、泰樹(やすき)と申します。

「言葉の世界」を知りました。私も言語に興味を持っており、このサイトは非常に面白いと思います。
ちょっと古いメールの引用からスタートさせていただきますが、よろしくお願いします。

------------------------------------------------------------------------

佐藤義昭 (98/06/29 12/44)

日本の通貨の単位は円です。ところで紙幣を眺めるとローマ字で「YEN」とかかれています。
何故、円は「EN」でなく「YEN」なのですか?誰か教えて下さい。

------------------------------------------------------------------------

「円(圓)」が明治時代に採用されたのは、多分中国(当時清)に倣ったのだと思います。その当時中国語の「円(圓)」の発音が既にローマ字で"Yuan"と表記されていたのかどうか、また当時の日本人が"Yen"と"En"の発音の違いを理解していたうえで、"Yen"と発音されていたから"Yen"を採用したのかどうかも私にはわかりません。

しかし、私には、当時の外国人、特にEnglish Speakerの耳には日本人が"Yen"と発音しているように聞こえていたと思います。現在のローマ字表記では「円」は"En"と書きますが、皆さん本当に[en]と発音していますか???

ローマ字をそのまま表記すると下記のようになります。

1円 ichi-en
2円 ni-en
3円 san-en
4円 yo-en
5円 go-en
6円 roku-en
7円 nana-en
8円 hachi-en
9円 kyu-en
10円 jyu-en

英語のYearとEarの発音の違いを聞き分けられない方には難しいかもしれませんが、1円、2円、8円は、chiのiと、enのeが二重母音となり、たびたび佐藤さん他の方々が述べられているように、日本人は昔から二重母音が不得意ですので、i+eがjeの音になっています。
9円も9の発音で既にjの音を発ししているので、舌をその位置でとどめたままeの音を発音しがちになり、その結果[e]ではなく[je]の発音になっています。4円も同様です。
私自身の発音では、5円は[en]と発音するときもあると思いますが、1円、2円、8円、9円は[jen]、その他は[en]と[jen]の中間で発音しているように思います。

ところで、私は鹿児島に祖母がいましたが、20年程前に祖母と話していて気付いたのが、祖母が「駅」を[jeki]と発音することでした。今の若い人達は標準語化されていて[jeki]とは言わないのかもしれませんが、鹿児島の方で何かお気付きの方がいらっしゃれば教えてください。

他の九州、沖縄あたりでは、「駅」をなんと発音していたのでしょうか?

また、かつて何かで読んだことがあるのですが、島根か鳥取のどこか、あるいは四国のどこかだったかもしれませんが、老人の世代では「ず」と「づ」を[zu]と[dzu]できちっと発音を違えているとのことです。現代の日本人にはCarの複数形とCardの複数形の発音を違えて行うというのは難しいですよね。



Kaufman

自転車小僧 (2000/07/12 01:38)

Kauffman(独)商人の意
Bush,Douglasはアイルランドだったと思う。



!Oiga!

清野 良重 (2000/07/11 22:39)

アメリカ人の姓、寝る前なので、全部は調べません。
いま分かるのは Smith
ゲルマン語系の名前です。
ドイツ語で Schmiede (すいません、綴りに自信ありません)
オランダ語で Schmeding
鍛冶屋という意味だったと思いますが。



Re: アメリカ人の姓

UEJ (2000/07/11 22:26)

おすすめのページです↓

http://clanhuston.com/name/name.htm



アメリカ人の姓

Hola! (2000/07/11 18:17)

下記、アメリカ人の姓の起源と発祥国を調べています。
ご存知の方、教えてください!!

1)Clinton 2)Smith 3)Peabody 4)Kaufman 5)Bacon 6)Klein 7)Byrne 8)Bush 9)Douglas



アイン

佐藤和美 (2000/07/11 12:41)

「アイヌ」は「人間」という意味ですが、「男」という意味もあります。
英語の「man」みたいですね。
和人の男性名の語尾には「オ(雄男夫)」がつきますが、
アイヌの場合も男性名の語尾に「アイヌ」をつけることがあったようです。
北海道の歴史をちょっとでもかじったことのある人なら聞いたことのある名、
「コシャマイン」、「シャクシャイン」
この語尾の「アイン」って、「アイヌ」のことだったんですねぇ。



言葉と文字

イコロほしい (2000/07/11 01:05)

始めましてです。人間の耳というのは10人十色ですよね。
たとえばイランカラブテと聞こえた人もいると思うしイランカラプテと聞こえた人も
いると思う地方によっても発音とか言い方が違うのでは。なんたって北海道広いから・・。
アイヌ語で発音(伝承する上では大切ですが)にこだわっていたら一部の研究者だけのものに
なりそな気がする和製英語があるようにまずは単語で親しんでもらえるといいと思うのですが。
ライダーと言う英語をまずは子供のころ仮面ライダーから覚えたように。
なんだかまとまりが付かなくなってしまいましたけど。
「門前の小僧」だった私はそんな事思うのです。

                研究者でもないただの観光従業員より。
 


2000年(前半)伝言板アイヌ語関係集

佐藤和美 (2000/07/10 12:39)

アイヌ語関係の書き込みがある程度たまったので、
今年は「伝言板アイヌ語関係集」を前半・後半にわけることにしました。

「北海道のアイヌ語地名」に「2000年(前半)伝言板アイヌ語関係集」を追加しました。



畳み掛ける

佐藤和美 (2000/07/09 10:34)

「光」は「光る」ものですが、
「畳」は「畳む」ものです。
今の畳は畳めないですけど、もとは畳めるものを畳と言いました。
それさえわかれば「畳み掛ける」も語源というほどのこともないでしょう。
「畳掛ける」じゃなくて「畳み掛ける」ですよね。
(「畳み」は「畳む」の連用形)



Re: 上代日本語の母音について

むげい (2000/07/08 04:16)

後置定冠詞の話についてのまつまつさんの御指摘ですが、
先ず、元ネタの安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」の記述の、
私のはしょり方が悪かった面があるということをお詫びしなければ
なりません。

>> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
>> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
>> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
>> エとなったと考えられるわけです。

実際の記述だと、私が「一つしか無いもの」と書いたところは、英語
の"the"との比較で「名ざすだけで相手にそれと分かるもの」となっ
ており、"the sun"、"the earth"、"the sea"を引き合いに出して
あります。書き換えるなら寧ろ、「自ずと一つに決まるもの」とでも
すべきでした。

それから「生活に重要と考えられるもの」については、原文では
「後置定冠詞イがついたかとみられる名詞は、…(中略)…古代人の生活
に密接で、特別な重要性をもち、使用頻度の比較的多い単語が多い。」
と書かれており、「生活に重要」→「だから常に定冠詞がつく」と云う
ような直接的な記述はありません。(しかし前後のつながりからは、
結局そう云う論理展開が行われているように読めます。)

最初にここに書き込んだ時には文献が手元に無く、記憶で書いて
しまった為にこのようなくい違いが出てしまったのですが(すみません)、
原文の通りだとしてもよく分からない点は確かにあります。自分で
持ち出しておいて何なのですが、もとより私自身、この説明に全面的
に納得していたと云うわけではないのです。特に、

まつまつさん:
> 上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
> 神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
> 日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
> なんでしょうね。

などについては、私も引っかかったところで、原文だと「『the god』
=『神(かむ)イ』→『神(かみ)』」と云う記述があって、"the sun"
などと並行的に「名ざすだけで相手にそれとわかる」から定冠詞がつく
のだ、と云う説明になっています。でもおっしゃる通り、日本の場合
は「神」と言うだけでは、八百万の神のどれとわかるとは限りませんよね。
(もっとも英語だと、キリスト教の神は定冠詞すらなくて"God"ですが)

「上」については、個人的には「手」などの身体部分を表わす名詞と同
じように、通常、文脈中で誰の(何の)上と云うことは明らかな場合
が殆どだからではないかと思うのですが、原文だと「古代人がなんら
かの尊敬をもっていたかとみられる語」と云うのに分類されている
だけで、個別の説明はありません。

それから

> なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
> 現れる語なのでしょうか。

という点については、私も理解しがたく思っています。先述の通り、
原文の論はそう進んでいるようにしか読めないのですが、「生活に重
要」と云うことと「定冠詞がつく」と云うことには直接的な関連性は
無いですから。

一応、「特別な重要性をもち、使用頻度が高い」と云う記述を踏まえて、
「生活に重要」→「使用頻度が高い」→「定冠詞がついた形もよく現れる」
→「定冠詞付きの形で固定化」
と云うことが言いたいのかな、と(苦しいですが)推測しています。

やっぱり自分が納得できないところがあるので、何だかよく分から
ない感じです。すみません。



Re:タクシーについて

いばら (2000/07/07 22:13)

ちょっと蛇足というか、つけたしです。

Taximeter cabのtaximeterはもともとドイツ語から来ています。
ドイツ語ではTaxameter、
その語源は中世ラテン語のtaxa(<taxare、課金する)+ドイツ語で-meter(計測器)。
(この -meterもラテン語あたりから来たのではないかと想像します。
タクシー自体それほど古いものではないのでドイツ語のTaxameterは
比較的新しい造語なのではないでしょうか。)
このTaxameterがフランス語に取り入れられてtaximetre、
さらに英語に取り入れられて taximeter cab→taxicab→taxi
となったようです。

ちなみに、「旅」のギリシア語を調べてみたところ、
trip = taxidi
travel = taxidevo
とありました。
(どちらかが名詞でどちらかが動詞なのかもしれませんが、簡単な辞書なので不明)

おそらくこれを見た人がtaxi=移動するもの 旅=移動 ということで、
これがtaxiの語源であると勘違いしたのではないでしょうか。

参考:
Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARY
http://www.m-w.com/dictionary.htm
Greek-Ancient Greek-English Dictionary
http://www.kypros.org/cgi-bin/lexicon



タクシーについて

さんこ (2000/07/07 17:58)

佐藤さん早速のお返事ありがとうございます
フランス語で料金がtaxeと言うことですね?
ギリシャ語のなんとかって言うのはガセだッた様ですね
ありがとうございました。



taxi

佐藤和美 (2000/07/07 12:43)

「スタンダード英語語源辞典」(大修館書店)からです。
taxi
「taximeter cabを縮約したtaxicabの縮約形。
taximeter←フランス語taximetre taxe「料金」+metre「計測器」」



デウス エクス マキナ

いばら (2000/07/07 10:27)

しみこーさん、はじめまして。

「デウエクスマキナ」、ご想像の通りラテン語で、
正確にはデウス・エクス・マキナ deus ex machinaですが
聖書には関係なく、大昔のギリシア劇に由来するものです。
(deus ex machinaはギリシア語のtheos ek mechanesのラテン語訳ですが
ローマ文化は基本的にギリシア文化を継承しているため
deus ex machinaもそのままローマ劇に引き継がれたということのようです。)

Deus ex machinaは英語に訳すとgod from the machine、
「機械に乗ってやってくる神」というところでしょうか。

この言葉、もともとは古代ギリシア劇・ローマ劇中で
危機的な状況において神がクレーンのようなものに乗って現れ
(天から降りて来る、という設定だそうですが、スーパー歌舞伎みたいですね)
決着をつける、という場面を指していましたが、
そこから(特に劇や小説の中で)突然奇跡のように(都合良く)現れて急場を救う
人物や事象を示す言葉にもなっています。
英語でも外来語(?)として定着しており、このまま辞書に載っています。

※ちなみに、このクレーンのようなしかけは紀元前5世紀ころからのものだそうです。

参考:
Merriam-Webster's COLLEGIATE DICTIONARY
http://www.m-w.com/dictionary.htm
Cambridge Dictionaries Online
http://dictionary.cambridge.org/
Britannica.com
http://www.britannica.com/



Re: 上代日本語の母音について

まつまつ (2000/07/07 06:50)

やや浦島気味のフォローアップです。

むげいさん:
> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
> エとなったと考えられるわけです。
(略)
> 月刊「言語」1998年7月号掲載の、安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」
> にあったものでした。
> この中で安本は、当該の「イ」を「準後置定冠詞イ」と呼んでいます。
> アイヌ語との関連では、「カムイ」の他に「ムイ(箕)」と云うのも
> 挙げられていました。

上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
なんでしょうね。木「コイ(甲)」→「キ(乙)」や火「ホイ(甲)」→「ヒ(乙)」、
引用文中の箕「ムイ(甲)」→「ミ(乙)」(ですよね)などもそうでしょう。
ところで、なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
現れる語なのでしょうか。
むげいさん:
> 語彙的にみると、乙類のイ、エで終わる名詞は一つしか無いものや生活に
> 重要と考えられるものに集中しているそうです。つまり、常に定冠詞付きで
> 現れるような語において、本来の語末の母音と「イ(甲)」が融合して乙類のイ、
> エとなったと考えられるわけです。
(略)
> 月刊「言語」1998年7月号掲載の、安本美典「上代特殊仮名遣いと後置定冠詞」
> にあったものでした。
> この中で安本は、当該の「イ」を「準後置定冠詞イ」と呼んでいます。
> アイヌ語との関連では、「カムイ」の他に「ムイ(箕)」と云うのも
> 挙げられていました。

上「ウハイ(甲)」→「ウヘ(乙)」などが「一つしかないもの」なのでしょうか。
神「カムイ(甲)」→「カミ(乙)」が「一つしかないもの」という宗教もありますが、
日本神話には八百万の神がいますから、神も「生活に重要と考えられるもの」
なんでしょうね。木「コイ(甲)」→「キ(乙)」や火「ホイ(甲)」→「ヒ(乙)」、
引用文中の箕「ムイ(甲)」→「ミ(乙)」(ですよね)などもそうでしょう。
ところで、なぜ「生活に重要と考えられるもの」を表す語が常に定冠詞付きで
現れる語なのでしょうか。



畳み掛ける

吉野ヶ里 (2000/07/07 06:33)

佐藤さん、久しぶりです。6万回のアクセス、間近ですね。
さて、今日は「畳み掛く」の語源について、どなたかご存じではないかと思い、投稿します。
「たたみ‐かく」は「物事をつづけざまにする。相手に余裕を与えずに行う。」の意味として、『国性爺合戦』や『色道大鏡』に出ていることは分かりましたが、なぜ「畳」が用いられて
いるのかがよく分かりません。
江戸時代の畳は、今と同じような畳以外に、接客用の座具として用いられるぐらいの大きさの
物もあったのでしょうか。
また、「畳」と「かく」が結合して複合語になっているのは、どんな背景があるので
しょうか。
よろしくお願いします。



私もお願いします

しみこー (2000/07/07 04:23)

 はじめまして。
 早速ですが、「デウエクスマキナ」ッて何のことか分かりますか。
聖書からの言葉らしいのですが、わかりません。やさしくひまな方が
いたら、おしえてください。気になって仕方がないんです。
 ラテン語とかかなぁ、と私なんかは考えちゃったりしますが。



タクシー

さんこ (2000/07/06 17:26)

初めましてさんこと言います。語源で検索してこの場所に辿り着きました。
実は調べなければならないことがあって…
タクシーってどこの国に言ってもタクシーの様な気がするのですが、語源は?
ネットでギリシャ語の「旅」がタクシーなんとかっていうのが語源なのか???という書き込みは見つけたのですが、ギリシャ語が読めないので図書館にいっても辞書を引けません。裏をとって確かな情報を求めています。御存じの方教えて下さい。



ルビ

佐藤和美 (2000/07/05 12:47)

漢字などのふりがなのことを「ルビ」といいますが、さてこの語源は?

欧米では字の大きさを宝石で表す場合があり、
5ポイントの字を「真珠pearl」、
5.5ポイントの字を「メノウagare」(アメリカ)、「ルビーruby」(イギリス)などと言いました。
日本で5号の字のふりがな用に使った7号の字が5.5ポイントと同じ大きさだったので、
ふりがなのことを「ルビ」というようになりました。
「ルビ」の語源は宝石の「ルビー」だったという話。

(山口佳紀編「暮らしのことば語源辞典」講談社)



魚(さかな)

佐藤和美 (2000/07/04 12:34)

魚(さかな)の語源は?

酒のおつまみのことを「酒のさかな(肴)」と言いますが、
この「さかな(肴)」が「さかな(魚)」の語源です。
「酒の肴」の代表的なのが「魚」だったため、魚のことを「さかな」と呼ぶ用法が生じたそうです。
「さかな(肴)」の語源は「酒菜」、つまり「酒のおつまみ」のことですね。

参考
武光誠「日常語の由来語辞典」東京堂出版
堀井令以知編「語源大辞典」東京堂出版



RE:リンクのお知らせ

佐藤和美 (2000/07/03 12:50)

Fumiさんwrote
>はじめまして。
>今、韓国で日本語教師をしている Fumi と申します。
>日本語教育に関するリンク集「日本語教師なびげ〜たぁ!」に
>佐藤さんのHPをリンクさせてもらいました。
>よろしかったら、是非、遊びにいらしてください!
>では、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
>追伸、もし、ご迷惑でなければ、相互リンクの方も
>ご検討よろしくお願い致します。

はじめまして。
日本語教師ですか、いいですねぇ。
私もちょっとですが日本語教師になりたいと思ったことがありました。
相互リンクの件、了解です。数日中に張ります。

私の「本棚にある本」には日本語教師である佐々木瑞枝さんの本が2冊あります。
「日本語ってどんな言葉?」
「女の日本語 男の日本語」
(ともに筑摩書房)
日本語教師として教えていて、
日本人にはなんでもない表現が、外国人はわからない、という例がいろいろでてました。
気軽に読めて、なかなかおもしろい本でした。



「言葉の世界」伝言板6月分

佐藤和美 (2000/07/02 12:16)

 「「言葉の世界」伝言板6月分」を追加しました。

ファイルサイズ82キロバイト、最高記録更新。
一月一ファイルっていうのも、そろそろ限界かな?



リンクのお知らせ

Fumi (2000/07/01 21:24)

はじめまして。
今、韓国で日本語教師をしている Fumi と申します。

日本語教育に関するリンク集「日本語教師なびげ〜たぁ!」に
佐藤さんのHPをリンクさせてもらいました。
よろしかったら、是非、遊びにいらしてください!

では、これからもどうぞ宜しくお願い致します。

Fumi

追伸、もし、ご迷惑でなければ、相互リンクの方も
ご検討よろしくお願い致します。

http://person1.rocketbeach.com/~kfcs/index.html



Copyright(C) 2000 Satou Kazumi

BACK