赤坂からす亭

 看板には「からす亭」としか書いてないんだが、青山のからす亭と区別するために赤坂からす亭と呼ばれてるらしい。──青山の方は行ったことないんだが、同じ系列の店なんだろうか?
 シンプルかつ上品な感じのお店で、和服姿の女将さんが丁寧に頭を下げてくれる。さすが赤坂だけあって、洋食屋さんも料亭みたいだ。
 ビーフカレーがうまいという評判なので頼んでみたら、評判通りの美味だった。ものすごくコクがあるのにちっともしつこくなく、ビーフとしいたけとマッシュルームは柔らかく煮込まれている。──ビーフカレーよりポークカレーの好きな僕も、ここのビーフカレーは一口食べて大好きになった。
 薬味には福神漬けとラッキョと紅ショウガが出たのだが、どれもカレーの味によく合っている。紅ショウガは珍しいかと思うのだが、ビーフのコクがしっかりとその味を受け止めてるのだ。

グリルスイス

 銀座の名店、カツカレー発祥の店。
 カツカレーを提案したってのは、常連だった往年の巨人選手、千葉茂さんなんだそうだ。そのためメニューには「元祖カツカレー」と「千葉さんのカレー」ってのがある。千葉さんの方が少しボリュームがあって、キャベツの千切りもついている。
 カレーは香ばしい挽肉カレーで、なるほどロースカツとよく合う。付け合わせのカップスープはアサリでダシをとったポタージュなんだそうで、これもおいしい。
 近所には有名な煉瓦亭があるのだが、いつも列のできてるそっちに比べればすいてるので、気軽に入るならスイスの方がいいかもしんない。

松本楼

 日比谷公園の中にあるレストラン。いろんなメニューがあるのだが、僕はカレーしか食べたことがない。素朴でいかにもな味のカレーライスである。
 毎年9月25日には10円カレーを売り出して物凄い行列ができる。ニュースでもよく取り上げられるので知ってる人も多いんじゃなかろうか。──群馬で過ごした少年時代、テレビを見ながら“僕も東京に住んでりゃ食べに行くのになあ”なんて思ったもんである。

たいめいけん

 日本橋にある老舗の洋食屋さん。一階は庶民的な食堂で値段も安く、二階はちょっと高級っぽいレストランで値段も高い。どちらの階のメニューにもカレーはあるんだけど、僕は一階のカレーの味しか知らない。深い意味もなく、意地でも二階には行ってやるもんかと思う。
 一階の味は、いかにもって感じの洋食屋さんのカレー。少々混み合ってるのが難だけど、そういう雰囲気も込みで味わってみるといいかもしんない。

ロージナ

 国立駅前の、いろんな店が密集してる一角にあるお店。
 ザイカレーとかシーフードカレーとかがおいしくて一皿の量も多いんだけど、それ以上に気に入ってるのはこの店のビール。甲斐ドラフトとかいう地ビールを出してくれるんだけど、それがとてもうまいのだ。僕は天気のいい日にここのカレーとビールがふと飲みたくなって、自転車で世田谷から国立まで突っ走ったことがある。

西小山の洋食屋さん

 以前、東急各駅散歩でも紹介したお店。ご主人の意向で店名は明かせないんだけど、竹内が最も好きなお店の一つ。
 なんだかあのコラムのお店シリーズは好評で、この洋食屋さんもわざわざ見つけだして行った人が結構いるらしい。僕に直接つれてってくれっていってくる人もいるし。
 ここのご主人は若い頃に船でコックをしてたとかで、いろんなカレーを百種類くらい作れるんだとか。手慣れた感じで料理してる様を眺めるだけでもなかなか面白い。ささっと作っちゃう割にはすごく手間のかかったような味になるのが凄いなあと思う。
 普段出してくれるのは、家庭風のほっとする感じのカレーライス。ボリュームたっぷりのカツと一緒になったカツカレーなんかがお勧め。自家製ソースとドレッシングがおいしいので、カツや付け合わせの野菜で試してみてほしい。

ボナペティ

 日比谷の国際ビルの地下にあるお店。僕の趣味からいうとちょっと格式ばってる感じだけれど、まあ店員教育がよくてサービスがいいってことでもある。
 カレーはまろやかな口あたりで割と甘口。と思うと後半はスパイスの風味が広がる。しっかり作り込んである感じの奥深い味わいである。チキンカレーはチキンブイヨンで、ビーフカレーは子牛のブイヨンで煮込んでるんだそうな。
 薬味が5種類くらい出てくるんだけど、ぐるぐるっと回転する食器に乗ってるのが楽しい。薬味好きの僕は大抵の店で一通りの薬味を試してみるんだけど、ここんちではもうちっとライスが欲しかったなあ。

キッチンマカベ

 小田急線の祖師谷大蔵駅から砧図書館に行く途中にある洋食屋さん。いかにも洋食屋って感じのポークカレーが、いかにも洋食屋って感じのドライカレーにかかってるインディアンライスってのがおすすめ。スペシャルインディアンライスになると、その上にチキンカツまでついている。
 ごく普通のカレーとドライカレーなのに、二つを合わせると妙にうまい。こーゆーのってちょっと得した気分である。メニューは他にも盛りだくさんなので、おいおいと試してみたいと思っている。


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