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 映画 日記              池田 博明 


これまでの映画日記で扱った作品データベース  映画日記 前回の分  




2019年7月1日以降、2019年12月31日までに見た 外 国 映 画 (洋画)

見た日と場所0 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明) 
2019年12月26日

プレミエ・シネマ
 
SHEWROCK 忌まわしき花嫁

英国
2016年
 カンバーバッチがホームズを演じるシリーズの劇場用作品。エミリア・リコレッティ事件を基本にビクトリア朝のホームズが謎に挑む。結婚式の日に拳銃を乱射した挙句、自分の頭を撃って自殺したはずのエミリアは、その夜、復活して夫をショットガンで撃ち、立ち去った。警察の霊安室には死体となって横たわったエミリアがあった。亡霊による殺人事件として謎の事件だった。ホームズは夫のユースタスをエミリアの亡霊から守って欲しいというカーマイケル婦人の依頼にこたえて、屋敷にはりこむが、ユースタスの刺殺を阻止することができなかった。兄マイクロフトは今回の敵はホームズが勝てる相手ではないという。その意味が明らかになるのはだいぶ後半になってからである。ホームズは敵がモリアーティであるという仮説を立てて推理したりする。ライヘンバッハの滝の断崖で戦ったりするが、これはホームズの妄想のようだ。

2019年7月9日 

DVD
ぼくの伯父さんの休暇

フランス
1953年-1962年-1978年
89分
 ジャック・タチ脚本・監督・主演。海辺のリゾート・ホテルに集まった客のなかに、その行動がひときわ目立つユロ氏がいた。ユロ氏はオンボロ車を運転して海浜のホテルに到着。受付で名前を聞かれるが、パイプをくわえたままの答えでなかなか要領を得ない。受付係りの機転もあってやっと名前が分かる。ユロ氏の奇矯な行動が引き起こす笑いは哄笑や大笑といったものではなく、おかしみといった体裁のものである。ボートが真ん中から二つに折れてサメの頭になる『ジョーズ』のパロディのような分かりやすい笑いもある(海岸の人々がいさんで逃げる)が、傾いた体のまま荷物を背負うとそのまま傾いて歩き続けてしまい、外へ出てしまうといった程度のゆるい笑いがほとんどである。
 ユーモアのスケッチ集といった作品であるとPRされているが、面白さがピンとこないままであった。


2019年7月1日以降、2019年12月31日.までに見た 日 本 映 画 (邦画)

見た日と場所 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明)
2019年12月18日

DVD 
うる星やつら いつだってマイ・ダーリン

1991年
  劇場版アニメーション第6弾、最終作品。丑寅の方角の姫ルピカは自称「大宇宙の姫君」で、ある星の女王(星名は不明)。年齢は17歳。 ルピカは、神殿星にある「究極の惚れ薬」を手に入れて密かに想いを寄せている幼馴染の豆腐屋リオに飲ませようとする。惚れ薬は「宇宙一の煩悩の持ち主」の力が必要である。 そこで、コンピューターの検索によって選ばれたあたるを誘拐し、惚れ薬を手に入れようとする。
 しかし、あたるの救出に来たラム、弁天の妨害にあい、惚れ薬もあたるに持っていかれてしまう。 その後、地球で誤ってラムに惚れ薬を飲まされてしまったあたると最初に目が合い、ルピカはしつこくあたるに追い回されることになる。取り戻したと思った惚れ薬は偽物。リオに飲ませても効果がない。本物の薬は容器が割れて土にしみ込んでしまった。あたるをもとに戻すには薬がしみた土から発芽する月のしずくの花の蜜をのませればいいという、ルピカとラムは花をめぐって再び争う。弁天はリオにルピカへの愛を告白せよと勧める。夜明けの太陽に当たってしおれてしまった花をラムはあたるの口に突っ込む。なんとかあたるは元に戻り、リオとルピカもお互いの想いを確認する。
2019年11月17日 

NHK BS
よみがえる悪夢

2019年
50分 2回
NHK 
 スクープ・ドキュメント「よみがえる悪夢」(知られざる核戦争危機)、1973年10月、ソ連が支援するエジプトとアメリカが支援するイスラエルとの衝突、第四次中東戦争のさなか、核戦争一歩手前まで事態は切迫していた。ソ連の指導者は書記長ブレジネフ、アメリカの指導者は国務長官キッシンジャー。ニクソン大統領はウォーターゲート事件で疲労していた。
 1973年10月6日にキッシンジャーのもとにイスラエルからエジプト軍とシリア軍が突然攻めてきたという知らせが入った。サダト大統領率いるエジプト軍が勝機ありとみて侵攻したのだった。
 10月22日午後6時52分をもって停戦する旨の協定がまとまったが、停戦直前にエジプトのサダトはイスラエルに向けて2発のスカッド・ミサイルを発射。停戦の混乱が続くとともに、一触即発の核戦争の脅威も高まる。 
2019年9月15日

日本映画専門 
海よりもまだ深く

2016年
120分
  是枝裕和脚本・編集・監督。離婚後も息子に未練を残す小説家・篠田良多(阿部寛)は興信所で探偵業をしている。月5万円の養育費もやっと払えるほどの収入しかない。姉(小林聡美)から借金をしようとさえする。団地でひとり暮しとなった母(樹木希林)のへそくりをあてに探すこともある。いじましい男の役で探偵業でも依頼主の浮気を調査して相手に売りつけたり、少しの利益が出ると競輪に賭けたりと生活は不安定。亡き父親の遺品を質に入れて日銭をかせぐこともある。興信所の所長にリリ-・フランキー。同僚に池松壮亮。別れた女房に真木よう子。コメディとPRされているが、阿部寛の役は卑屈なキャラクターで笑えない.
2019年9月15日

日本映画専門18:30
 
日日是好日

製作委員会
2018年
120分 
 大森立嗣脚本・監督。典子(黒木華)は人生に目的を見いだせない女子大生。友人の美智子(多部未華子) は自分の興味・関心を把握し自分の人生をしっかり歩んでいるように思える。二人は典子の母親(鶴田真由)の薦めで表千家の武田先生(樹木希林)のもとへ茶道を習いに行く。最初はふくさのたたみ方から始まった。「形から入る」「頭で覚えるのではなく体で覚える」茶道の基本の所作を身に付けていく。途中で美智子は退社・結婚、典子は後輩に指導できない不甲斐なさを抱えつつも教えることの難しさを感じてゆく。森下典子の原作のエッセィを忠実に映像化。
2019年9月15日

日本映画専門16:30
 
あん

製作委員会
2015年
120分
 河瀬直美脚本・編集・監督、樹木希林主演。仙太郎(永瀬正敏)が営むどら春にあん作りを申し立てて雇われた徳江さん(希林)のあんの味は格別だった。評判を呼んでどら焼きは終了時刻前に完売するほどの人気だった。しかし、評判も束の間、徳江さんがハンセン病の患者だったことが噂となり、売れなくなった。病気のことを知ってからも、徳江を雇い続けていた仙太郎だったが、徳江は事情を理解したのか、みずから辞めていった。アパート住まいでペットが飼えなくなったワカナ(内田伽羅)の誘いでハンセン病の療養施設を訪れた仙太郎とワカナ。気を取り直して店を開いた二人だったが、経営者(浅田美代子)はコック見習いで挫折した甥を預けてくる。店もお好み焼きとどら焼きの二本立てに改装するという。いら立ちをぶつけようがない仙太郎。桜咲く公園に店を出しどら焼きを売る仙太郎。この姿は夢か、現実か。
2019年8月22日

NHK
19:30 
所さん!大変ですよ

2019年
NHK
 <所さん!大変ですよ>グルメな動物たち・・・和歌山の動物園のパンダは竹の好みにうるさくて気にいらない竹は食べずに捨ててしまう。100kgの体重のパンダは毎日20kgの竹を食べる。腸の長さが7mしかない(ライオンなみ)ため、ほとんど分解されずに排泄されてしまう。食べ残した笹はカピバラの餌に。
 トクモンキーはバナナが大好きだが、バナナをエサにあげると強いサルが独占してしまって弱いサルは食べられない。そこで8種類の野菜を切って与えることにした。すると食べものが分散されて争いが減った。
 オオフラミンゴの野生の餌は植物プランクトン。園では、オキアミを与えている。羽根のピンク色素の素だ。
 オオアリクイの野生の餌はアリだが、代用食はヨーグルト、ササミ、ササミ、卵、牛レバー、粉ミルクなどをミキシングして混ぜたもの。
2019年8月17日

NHK
21:00
ルパン三世

2019年
NHK
BSプレミア
50分 
 アナザー・ストーリーズ。1stシーズンは子供向けでないアニメーションを創ろうと、車や銃のリアリティにもこだわった大塚康生の作画で社内の評価は高かったのだが、放送してみると視聴率がまったく伸びなかった。6%というところ。演出のおおすみ正秋は降板。宮崎駿らに変って登場人物の説明を冒頭に入れてわかりやすくする対策をほどこしたが効果はなかった。しかし、夕方の再放送で学校帰りの中学生に話題になり、人気を得ていった。原作には「教訓がない」ことが人気の秘密だったかもしれない。作り手たちが自由に連想を展開できる余地があることが長くヒットを続けた理由だろう。
 1967年7月25日、週刊漫画アクション創刊からモンキー・パンチ(加藤一彦)とバロン吉元の連載が開始された。  
2019年8月16日

NHK
21:00
50分 
昭和天皇「拝謁記」

NHK
2019年
50分 
  昭和23年から5年半の間、宮内庁長官だった田島道治が天皇と交わした会話の記録が発見された。極東軍事裁判で天皇の戦争責任論や退位論が取りざたされるなか、天皇自らが逡巡していたこと、反省の気持ちや戦争の道義的責任をどのように表出したらよいか迷っていたことが記録されていた。1951年の講話条約締結、1952年5月3日憲法記念日の式典に当っての「おことば」について時の宰相・吉田茂の意向を強く意識したこと(吉田は退位論をむしかえす恐れのある文言や表現をすべて削除した)、田島が二人の間のやりとりを受け持った。天皇は警察予備隊の捧げ銃の整列を見て、旧軍隊の復活を想像し、懸念を示しておいでだったという。しかし、<ソ連の脅威に関連して再軍備と憲法改正の必要は吐露されていたという(8月18日の19:00のNEWSでの情報)>。
 ディレクターは小林亮太・岡田亨。
 <8月20日読売新聞より>再軍備、憲法改正 言及/昭和天皇の会話記録公開・・・戦後、初代宮内庁長官を務めた田島道治氏が昭和天皇とのやりとりを記録した資料が19日、公開された。昭和天皇が1952年5月の日本の独立回復を祝う式典で先の大戦に対する反省を表明しようとしたり、再軍備や憲法改正の必要性に言及したりしていた記録が残されていた。
 資料は、1942年2月から53年12月までに書かれた田島氏の手帳やノートの計18冊。遺族から提供を受けたNHKが資料の一部を公表した。
 資料によると、昭和天皇は独立回復を祝う式典のお言葉に「反省」の言葉を入れることにこだわtった。52年1月には、「私ハ反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」と発言。戦争を悔恨する草案などが作られたが、当時の吉田首相茂が{戦争を御始めになった責任があるといはれる危険がある」と反対し、削除された。
 草案から謝罪の表現が削除されたことは、田島氏の日記を研究したノンフィクション作家の加藤恭子氏が著書で明らかにしているが;昭和天皇の具体的な発言がわかったのは初めてとされる。
 資料によると;当時の冷戦を背景に、昭和天皇が52年2月、「私は憲法改正に便乗して外のいろいろの事が出ると思つて否定的に考へてたが今となつては他の改正ハ一切ふれずに軍備の点だけ公明正大に堂々と改正してやつた方がいい様ニ思ふ」と、再軍備と憲法改正の必要性に言及した。一方で「再軍備によつて旧軍閥式の再抬頭は絶対にいやだ」と述べるなど、戦前の軍部の復活に強い拒否感も示していた。
2019年8月15日

NHK
21:00
50分 
全貌 二・二六事件

NHK
総合テレビ
2019年
50分 
 昭和十一年(1936年)二月二十六日に起きた軍事クーデター二・二六事件の資料はこれまで陸軍側のものしかなかった。しかし、今年になって海軍が記録していた資料が見つかった。そこには事件の経緯が詳細に記録されていた。
 反乱軍は陸軍の第一師団が中心となっていたこと、事件の発端から天皇は海軍の反応を気にかけていた。天皇は当初から鎮圧の方針だった。海軍の陸戦隊が鎮圧部隊として行動した。兵士は同じ日本兵どうしで戦うことに疑問を抱いていた。当時
少年兵だった人も今で103歳となった。戦艦武蔵の率いる第一艦隊も東京湾に配備された。海軍側は現場に派遣した要員から情報を収集し、現状把握に努めた。天皇の強い姿勢を背景にした軍上層部の説得工作の結果、反乱軍は投降したのだった。海軍の極秘資料には驚いたことに、事件前に皇道派に謀反の動きがあること、元老や閣僚の暗殺が計画されていたこと、反乱の中心となるべき人物などが正確に報告されていた。
参考文献 『ドキュメント 昭和史』第2巻満州事変と二・二六(平凡社) 
2019年812

NHK
21:00
50分 
かくて“自由”は死セリ

NHK
総合テレビ
2019年
50分 
  1925年に創刊された日本新聞が購読者宅に保存されていた。創刊の1925年から廃刊の1935年までの10年間に、社会の風潮は軍縮歓迎ムードから天皇機関説批判まで真逆に展開した。日本新聞の創刊者・小川平吉は天皇を国体とし、議会政治を否定する論陣を張った。1930年、浜口雄幸首相の軍縮方針を国民は熱烈に支持した。しかし、昭和恐慌が起こり、満州事変(
昭和6年)、五一五事件(昭和7年)と事件が続く。このころの日本新聞のキイワードは「聖戦」だった。下伊那の音楽教師だった小林八十吉は自由主義的な音楽教育をめざしていたのに、音楽教師を辞職し、大政翼賛会に参加し、日本新聞の愛読者となっていた。蓑田胸喜は天皇機関説を批判する論文を書いた。蓑田は戦後自決した。彼の日記帳は1945年7月13日から終戦までの部分が切り取られていた。
2019年8月11日

NHK総合
21:00 
激闘ガダルカナル

NHK
2019年
50分 
 南太平洋のガダルカナル島では一木支隊900人に対して米兵1万人が闘い、日本軍は全滅した。指揮官一木清直大佐は敗北の責任をとって自決したとされているが、米軍に残された戦闘日誌により戦いを再現してみると、実態は違っていた。
 当時、島には日本により飛行場が建設されていて、日米どちらにとっても戦略上重要な飛行場であった。1942年8月7日に島に上陸したアメリカ軍は飛行場を押さえた。一木支隊に大本営が科した命令は「飛行場を奪還せよ」だった。陸軍と海軍の共同作戦のはずだったが、無線を中継する海軍の巡洋艦が連合艦隊の戦闘に参加してしまい、一木支隊には敵米兵の規模が把握できなかった。海軍は米兵2000人規模と推定したが、実際には1万0900人だった。1942年8月20日の夜、戦闘機も配備されて迎え撃つ準備ができた米兵の陣に侵入した一木支隊は十字砲火を浴び、777人が死亡した。しかし、その後も追加の兵隊が派遣されて、1943年2月の撤退までに日本兵は3万人が死亡した。 
2019年7月26日・8月2日-23日-30日

NHK総合
22:00~ 
これは経費で落ちません

NHK
2019年
毎50分 
  青山佑子原作、多部未華子主演の金曜連続ドラマ。以前に多部が主演した代書屋の物語がよかったので、新作にも期待して視聴する。石鹸会社の経理部の森若(多部)さな子は伝票のチェックがきびしいので煙たがられて」いる。第1回では営業部の山田太陽(重岡大樹)のパラダイスカフェ企画のためのたこ焼き代の領収書、第2回では営業部広報課のやり手OL織子の私用か公用かが曖昧なカメラにまつわる疑問を軸に展開する。
 第3回「逃げる男」では自分のミスを伝票を捨てたり、二重に発注したりしてごまかす癖のある営業部の馬垣(岡崎体育)に経理部が翻弄される。営業トップの成績ながら研究部への移動を希望している山﨑は馬垣のごまかしに気づきながら直接衝突することを避けている。そんな姿勢をさな子に批判されて、山﨑は一念発起する。さな子は会社のお金は会社のために生かして使われるべきという姿勢で働く。会社には会社員も含まれるので、ミスやウソによって、社員が残業することになってしまったら、その残業代はコストである。
 森こさちによりコミック化されている。テレビ第1回=マンガ第1話、第2回=第5話(+カメラの領収書の件)、第3回=第6話+第*話(馬垣の挿話)。
 第4回は、「女の明日とコーヒー戦争の巻」。総務部で勃発したコーヒーを巡る争い。コーヒーを従業員みんなに入れて回ることをコミュニケーション上必要不可欠とする横山窓花(伊藤麻実子)に対し、給湯室にコーヒーサーバーを導入しようという平松由香利(平岩紙)。横山さん曰く「女の会社員人生を懸けた主導権争いだ」と息巻く。さな子は平松が導入を計画する会社の投資に関わっていることを知る。会社を経営する三波愛美の研修会に出席すると、さな子まで今のままではいけないような気がしてくるのだった。50万円の入会金を示されたさな子は、その内訳を問いただす。コーヒーサーバーを仕入れる会社としての適性度をみるために決算書を要求する。すると、収入金額が少ない、物販の売り上げが計上されていない等の問題が・・・・。
 第5回「流された男の巻}(経理部員が不正?先輩の謎)、森若の先輩・田倉(平山浩行)と静岡工場勤務の熊井(山中崇)は高校の同級生で仲良し。森若はある日、熊井が清算を後払いにして仮払い金の申請を立て続けに行い、それを田倉が代理処理していることに疑問を抱く。真相を探りに静岡工場へ出張する森若。熊井の操作を発見、次女の病気でお金が必要になった結果とはいえ不正は見逃せない。高校生時代、家族の死でどん底にあった田倉を支えてくれた熊井への恩義が田倉の恩情の理由だったが。
 第6回「うさぎとタイガーの巻」、経理部に配属された新人・麻吹美華(江口のりこ)は転職7回のトラブルメーカーだった。 印鑑を作るとなれば、紙での事務を批判するなど、細かい点にも改革やフェアを求めるうるさ型。社長秘書・有本マリナ(ベッキー)の特別枠の収支に不正の疑いがある。 みかげ旅館の支払い25万円が半年も遅れて入金されたのだ。特別枠はアンタッチャブルの金だというが、着服が疑われる。 みかげ旅館からは主人の病気に絡んで支払いを」待ってくれたことに対するお礼のメールが来ていたが、さな子が確認するとみかげ旅館はメールを使っていなかった。
 第7回「石けんの秘密とキスの巻」、会社の功労者を表彰するマイスター授賞式を前に、石けん作りのレジェンドと呼ばれる仙台工場の留田(でんでん)が珍しく授賞式への出席に同意したと噂が伝わる。授賞式の三日も前に現れた留田は、藤見アイ(森田)という正社員になりたての女子とくっついてパンケーキの店に夢中。そんな頃、留田が責任者として作っている看板商品の石けん<桃><プレミアム>について、質が落ちていると言う口コミが入る。新商品の<桜>の品質は落ちていない。半年前から勤務状況が変わったという留田には、誰にも言えない秘密があった。石けん作りの匂いや勘がもたらす秘密が。
 第8回「嘘つきとノベルティの巻」、太陽が大学の後輩の樹奈(筧美和子)と抱き合っているのを目撃して悩む森若。広告塔のオーディションにも樹奈は応募してくる。社長の息子・格馬(橋本淳)が専務としてやってくる。無駄を省く方針で一部の事業のアウトソーシング化を進めようとする、希梨香が企画したノベルティも無駄として切られようとするが・・・・。
 第9回「水曜日の領収書の巻」、森若が太陽と花火の日曜日の夜、デートしている間に、森若のアクセス・コードで共有フォルダに侵入し、前年の会社の決算書が公開された。悪質な情報漏洩の容疑者は有本マリナだった。彼女は水曜日の夜に副業のキャバレーのホステスをしており、そこへ会社の部長連中を参加させることで商談という公務にしていた。専務の改造計画に不満をもつ部長たちはライバル会社に身を売ろうとしているのだった。田倉と太陽は香港への出張を命じられる。経理部の将来はどうなるのか。
 第10回「どうしますか森若さんの巻」、有本(ベッキー)を問い詰めるとともに彼女が利用されているだけという証拠の録音を聞かせると、有本は復讐の手を考えた。
2019年7月26日


DVD 
犬神家の一族

東宝
1976年
147分 
  市川崑監督による横溝正史シリーズ第1回監督作品。ミステリーの映像化が成功した例として、春日太一はミステリーをエモーショルにする工夫として、加藤武の警部や坂口良子の女中などコメディ・リリーフの起用と「キャー」という悲鳴など誇張的表現の徹底をあげている。さらに短いカッティングによる日本語の解体、そして金田一耕助を探偵というよりは、事件を外側から解説するナレーターにしたことであると指摘。
 参考文献 春日太一『市川崑と『犬神家の一族』』(新潮新書、2015)。
2019年
7月25日

DVD 
天国と地獄

東宝・黒澤プロ
1963年
149分 
  権藤(三船敏郎)の部屋でナショナルシューズの重役たち(伊藤雄乃助、中村伸郎、田崎潤)と権藤が話し合っている。このころ売り上げが落ちている。丈夫さを犠牲にしてもファッション性を重視すべきだという意見に対して、たたき上げの権藤は堅牢さを売り物にする方針を変えようとしない。とうとう議論はもの別れに終わる。権藤は株の一部を他社へ売却して自分の持ち分を増やし、敵対する重役たちと対決しようとしている。丁度5千万円の売却先の返事も良いようだ。ところが、そこへ「息子を誘拐した。3千万円を支払え」という電話が来る。遊びに出た息子が誘拐されたと思ったが、誘拐されたのはお抱え運転手の息子だった。誘拐犯は子どもの取り違えが分かっても、躊躇なく脅迫を続けてくる。
 警察は「営利誘拐の刑事罰は最高15年。憎むべき犯人には重い処罰が適当だ。この犯人には殺人も犯させよう」と計画する。このような論理を警察がすることはあり得ないのではないだろうか。
2019年7月24日


DVD 
椿三十郎

東宝・黒澤プロ
1962年
96分 
  『用心棒』の次の作品。藩の金を私的に流用して私腹を肥やす大目付・菊井を糾弾しようとする若侍たちに、参謀として協力する野武士・椿三十郎の活躍を描く。城代家老・陸田の奥方(入江たか子)と娘(団令子)を菊井たちより早く確保・保護した。
 菊井方が若武者たちの人数を9名ではなく、多く見積もっていることを利用して攻撃を仕掛ける。三十郎を全面的に信じる仲間ばかりではないため、失敗もするが、なんとか相手をだまし切って汚職を糾弾することに成功する。
 三十郎は敵の参謀(仲代)との決闘に臨む。血のりが噴き出す仕掛けが公開当時、有名になった。いま見ると不自然な血しぶきである。白黒映画なので残酷感はそれほど際立ってはいない。
2019年7月23


DVD 
影武者

東宝・黒澤プロ
1980年
179分 
  黒澤明memorial 10(小学館)のNo.6。武田信玄の影武者を主人公に戦国の世にあって時勢に利用される個人の悲劇を描く。遺言にもとづき信玄の死を三年間伏せることにしたものの、顔かたちは似ていても、精神や立ち居振る舞いには隔たりがあり、危うくことが露見する恐れがいくたびもあった。、<影法師>はとっさの機転で切り抜けたが、ある日、荒馬を乗りこなせず、ふり落とされて、刀傷がないことを側室に目撃されてしまい、ニセモノであることがばれてしまう。身分がばれてしまうと影武者には要がなくなってしまう。わずかな路銀を渡され、お払い箱となる。しかし、彼は最期まで信玄の意志を貫いて生きた。
 徳川家康役の由井の貫禄がない。城から馬が走り出る場面が繰り返されるが何の為に馬が駆けているのかが説明されずに理解できない。
2019年7月22日

DVD 
青い山脈

東宝
1949年
93分+84分 
 脚本は井手俊郎、今井正監督。夏休み、大学生の六助(池部良)は実家の雑貨屋の留守番をしていた。そこへ卵を売ってくれまいかという女学生・寺沢新子(杉葉子)が来た。値段の交渉のうちに話がそれて、店の前の易者に姓名判断をしてもらうことになる。易者は新子の名前が悪い、すべてンがつく名前は悪いと判断する。この様子を見ていた女学校の下級生がいた。下級生は新子の同級生に報告、学校の名誉を汚す不純異性交遊だと感じた女学生は新子宛にニセの恋文を書く。新子に相談を受けた英語教師の島崎雪子(原節子)は生徒の嫉妬心から出た卑劣な行為だと断じて授業を中断してクラス全員の前で糾弾する。校長や教頭はインテリ女のとがった迷惑な行為としか扱わない。これに同調する教師もいる。校医の岩田玉雄(龍崎一郎)は当初は事なかれ主義で静観していたが、雪子になぐられてから自分の傍観者的態度を改め、雪子の支持者となる。
 2019年7月15日


DVD
雨月物語

大映
1953年
96分
 
 上田秋成原作『雨月物語』より「蛇性の淫」「浅茅が宿」を映画化。溝口健二監督。
 源十郎(森雅之)は貧しい陶工、妻の宮木(田中絹代)と息子と細々と暮らしていた。弟の藤兵衛(小沢栄)は侍になることが夢、妻のお浜(水戸光子)に反対されながらも機会があればと伺う毎日だった。物語の中心は朽木の姫・若狭(京マチ子)の亡霊との契りだが、気になtったのは、登場する雑兵たちが飢えを満たすため食い物を求めるか、女とみれば犯すことしか頭にない落ち武者としか描かれない作者の視点だった。其の他大勢としか描かれない雑兵たちのぞんざいな扱いに不健康なものを感じたのである。 
 2019年7月14日




DVD
楢山節考

松竹
1958年
98分 
  深沢七郎原作の映画化。木下恵介監督、田中絹代主演、「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本家族篇」の1本として放映。終始、三味線の伴奏に載せて語られる。全編スタジオのセットで撮影されている。ラストシーンで蒸気機関車が登場するのも姥捨伝説が過去のものであったことを感じさせる。1958年のキネ旬日本映画第1位。
 今村昌平「映画「楢山節考」と深沢七郎氏」(『深沢七郎集』第1巻月報1)に下記の記述あり。
 〝歌舞伎の定式幕が上がり、義太夫の音楽が始まると、信州「姥捨」周辺の山々が写り、様式的な芝居が始まる4.明らかにこれはお芝居であり、お話でしかないのだと知らされるのだが、尚かつ。おりん、辰平のドラマに巻きこまれてしまう〟素晴らしい出来であった。
 だが少し時間が経つと、非常に意欲的な作品だが、オールセットの為に、山奥の孤立的な山村の感じがしない。厳しい労働が描き足りない。セックスについても描き足りないといういくつかの弱点があり、これはいずれオールロケでリアルな部落を写し出す可能性がまだ残されていると感じた。”
2019年7月12日

日本テレビ
21:00 
未来のミライ


東宝
日本テレビ
2018年
  妹の未来が誕生してからというもの、両親から相手にされなくなったと感じるお兄ちゃんのクンちゃん。あれこれだだをこねるが、両親には相手にされず、いきどおる日々。ある日、高校生の未来が眼前に出現して一緒に行動することになる。飼い犬のユッコも一人の若者として出現する。
 <Wikipedia あらすじ>より、ある日、キャンプに行こうとしていた太田家だが、クンちゃんはお気に入りの黄色のズボンが洗濯中で履けないことから、だだをこねてしまう。家出をしたクンちゃんは不思議な電車に乗って巨大な東京駅に着くも、迷子になってしまう。遺失物係に家族の名前を問われるも、答えられなかったクンちゃんは「ひとりぼっちの国」へと強制搬送されそうになる。しかし、自分がミライの兄であることを自覚し、妹を守ることを決意したことで、遺失物係は未来のミライを呼び出し、クンちゃんとミライは再会する。ミライはクンちゃんを連れて、時空の道しるべからクンちゃんの時代を探し出し、家族の元へと帰ってくる。
 細田守脚本・監督。後半、理解ができず、Wikipediaのあらすじを参照した。 
2019年7月10日


赤穂浪士

東映
1961年


 東映で松田定次が撮った三作の『赤穂浪士』のうちの第三作め。東映十周年記念の大作。浅野内匠頭(大川橋蔵)、大石内蔵助(片岡千恵蔵)、吉良上野介(月形龍之介)、千坂兵部(市川右太衛門)、片岡源五右衛門(山形勲)、上杉綱憲(里見浩太郎)、脇坂淡路守(中村錦之助)、堀田隼人(大友柳太郎)、立花左近(大河内傳次郎)など。
 刃傷沙汰後、討ち入り前の赤穂浪士たちや内蔵助のふるまいの描写が盛り上がりを欠く。いまとなっては、貫禄ある役者の見分けがつきにくい、片岡千恵蔵と市川右太衛門など。東映時代劇シリーズDVDの第一巻。
  畠剛『松田定次の東映時代劇』(ワイズ出版、2001)



シェイクスピア作品の映画化やその関連の映画は除く。
それらは別ファイルになっている。→ 『シェイクスピアの劇と映画


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