ポートランド日記 |
8月2日(2日目) 昨日書いたように、寮のアメリカのコンピュータでも日本語表示ができるので、日に何度か、7階のコンピュータールームまで上がっていって、メールを読んで送るのが日課になった。電話が引けるまで、メールはどうしようと思っていたが、その心配はなくなった。 Cがビジティング・スカラーとしてこれから通うOHSU(Oregon Health Science University)全体はダウンタウンにほど近い山の中腹にあるので、眺めがとてもいい。大学といってもそれだけではなくて、病院もいくつか建っている。寮の7階に上がると、ポートランドの市街とウィラメット川とその向こうの街並みが一望にできる。緑が多くとてもきれいな眺めだ。そのうち写真で紹介します。 朝7時過ぎに電話会社のQWESTに電話。知らない人と電話で英語でやりとりするというのは本当にストレスにさらされる。QWESTと契約するのはローカルコールだけで、ロングディスタンスは他の電話会社とまた別に契約しないといけないが、それについてのやりとりで間抜けな会話をいっぱいしてしまった。 「長距離のサービスはどこと契約すべきですか?」 「リストはお見せすることはできます」 「それをお願いします」 「オフィスまで来ていただけますか」(そんなわざわざ行っている暇ないよ……でも、午後にダウンタウンに行ったら、たまたま偶然QWESTのオフィスを見つけた!) 「長距離のサービスはどこと契約したらいいんでしょう?」 「お友だちに聞いていただけますか」 というような感じ(推定)。 社会保障番号を聞かれたが、「昨日ポートランドについたばかりでまだない」と答えた。「あなたの別の電話」ももちろんない、「お友だちの電話」も「わからない」。こんなのでいいかと思ったけど、最後に電話番号と月曜日に開設されると言っていた。僕のつたない英語力では、本当に月曜日に電話がつながるかわからないが、まあ月曜日になってつながらないようなら、また電話してみよう。(でも、QWESTのサイトをみていたら、ウェブからも申し込めるようだった。問合せはメールにしたほうが無難かもしれない) 午後は、バスでダウンタウンに出かけた。ポートランドのバスはいくつかのゾーンに分かれていて、隣のゾーンへは1.20ドル。乗車の時に料金を払うと、何時まで有効を示したレシートを渡してくれて、2時間までは何度でも乗り降りできる。寮とダウンタウンは、隣のゾーン。2時間以内に戻ってくれば、1.20ドルで往復できることになる。同じゾーンの中では無料だ。つまり、ダウンタウンの中でちょこちょこ移動するのは無料ということになる。 1年半前にポートランドへ来たときも乗っているが、乗り方をすっかり忘れている。でも、寮にいるCの知り合いのI先生に教わって、それほど迷わずに乗ることができた。 間抜けだったのは、日本の左側通行の癖が抜けなくて、別方向のバス停で待っていて、一台乗り過ごしてしまったこと。クルマの運転なんかで右側通行のことはわかっているはずだけど、変なところで間違えてしまう。 ダウンタウンでは、バスの回数券を買い、お目当てのパウエルズブックストアに行った(蓬莱通信3号参照 http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/horai3.htm)。アーシュラ・K・ル=グィンのゲド戦記の第5巻が発売されていて、他にル=グィンの安そうな本と合わせて購入(4巻で完結したはずのゲド戦記の5巻が出たのは画期的なことで、ポートランドに住んでいる、今世紀最強のSF作家アーシュラ・K・ル=グィンについてもいろいろ書きたいのですがそれはまたべつの機会に)。他に、ポートランドを歩くためのガイドブックと、ちょっと変な日本体験記の絵本を買った。 パウエルズブックストアのなかには、カフェテラスがある、おなかがすいたので、スープとサンドイッチとコーヒーを食べた。英語を聞いたり話したりしていると、エネルギーを使うようで、とてもおなかがすくような気がする。 文房具やコンピューター関連製品を扱っているオフィスデポも見つけたので、入って、電源コードやファイルホルダーなどを買った。フラットベッドスキャナーを見てみたら、1万円程度と日本よりも安い。スキャナーを買えば、英文資料を読み込んで、OCRして、それを翻訳ソフトにかければ、うちの奥さんがこれから抱えることになるだろう英文資料の山を何とかするのに、多少は役に立つ、やはりスキャナーは買ってしまったほうがいいようだ。 緊張すると下痢をすることが多い。神経性の腸炎のようなものだ。二人とも調子が悪くなったので、夕食をダウンタウンでとるのはやめにして、バスで戻った。6時頃で道はクルマで混んでいた。 帰ってくると、ドアにメモが貼ってあって、うちの奥さんは、明日(3日)、こちらで世話をしてくれる大学の人と初めて会うことになった。午後は、二人でアメリカ人の友人のお宅におじゃまする。 中古車の購入については、思案中。クルマが安く手に入ったとしても、アメリカの免許もなく運転歴もないので、保険が高くつきそうだ。週末や必要なときに、レンタカーを借りたほうがいいかもしれない。 |
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