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*この仕事は大変興味深いと思います。というのも、舌痛症を原因から論理的に説いているからです。舌痛症関連の研究論文は何れも方法論としては帰納的か経験的なものばかりだからです。
*そのkey pointは舌痛症を神経系(味覚)の異常と解釈することです。
*臨床的には病的所見を伴うことなく、口腔内に疼痛を訴えるのが口腔痛症ですが、好発部位は舌ですから舌痛症とうtermもあります。
*口腔痛症burning mouth syndromeという広いカテゴリーからみると、硬口蓋や口唇、歯槽堤(義歯床下)に疼痛を訴える症例が説明し難い難点があります。しかし、味蕾がこれらの部位に存在するとすれば例えば味蕾の数に比例して好発部位が説明されるわけです。舌>>硬口蓋>>口唇>歯槽堤
臨床像
症状:突発性の口腔内の疼痛、灼熱感。舌尖部ないし舌前方1/3に幻味覚* taste phantomsを伴う(刺激を受けずとも苦味を感じるbitter
taste)疼痛。舌痛症を訴える患者に味覚欠損が確認され、熱に対する疼痛閾値が低下している。触覚、温覚、冷覚に異常は認められない。舌痛症の診断には局所麻酔を適応して疼痛が増悪するかを観察する。舌痛症なら増悪するのである。
* (主訴として、時に渋柿を口にしているよう。充填物が苦い、釘を口に入れているよう等と表現される)
舌痛症の50%に自然治癒がみられる。
舌痛症は幻感覚痛sensory phantomの一種である。味覚系の障害と解釈する。味覚は通常では口腔内痛を抑制する。従って、摂食、飲水時には症状は緩和している。味覚系が障害されていると口内痛は抑制されない。
ウイルス感染が味覚系の障害の主原因である。味覚を司る神経は中耳を通るが解剖学的に風邪等のウイルスに対して弱い。その他、外傷、薬剤が関連しうる。ある種の薬剤*は味覚を変える。*ACE阻害薬(降圧剤)
閉経と舌痛症は何故関連するのか?
女性はsupertasterである。舌痛症に陥りやすい。ホルモンは味覚に影響しやすい。苦みへの感受性は月経周期で変わる。閉経で苦みへの感受性は下がる。
*このsupertasterなる概念が掴み難い。
治療:
Clonazepam:
clonaepamは抗痙攣剤だが有効である。(有効率70%) 0.25mg/day で開始。無効なとき0.5mg/dayに増量する。0.75mg/dayまで増量可能
副作用に対してはgabapentin 50mg~300mgで対応する。
*どうして抗痙攣剤なのか?このあたりは不明です。三叉神経痛の治療薬の抗てんかん薬を連想させます。
*(2004年1月17日 小生の勉強不足でした)。
*このclonazepamは抗うつ剤としても使用されておりますが、
*"30年前に、疹痛とうつ病には神経化学的に密接な関連があることを示す経験的な証拠(エビデンス)が初めて報告された
*そうです。この現象は広く知られるようになり、今では三環系抗うつ薬が線維筋肉痛など原因不明の疼痛症候群に
*対する第1選択薬となっているそうです。(Curr Opin Investing Drugs.2002;3:454〜458)。
Citation
Grushka, M., Epstein, J., & Mott, A. (1998). An
open-label, dose escalation pilot study of the
effect of clonazepam in burning mouth syndrome.
Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol
Endod, 86, 557-561.
Grushka, M., & Sessele, B.J.(1987). Burning
mouth syndrome: A historical Review. The
Clinical Journal of Pain, 2,245-252.
舌痛症の罹患率2.6%のdataある
Grushka, M. (1987). Clinical features of burning
mouth syndrome. Oral Surgery 63, 30-36.
Grushka, M., Sessle, B.J., & Howley, T.P. (1986).
Psychophysical evidence of taste dysfunction in
burning mouth syndrome. Chemical Senses, 11,
485-498.
舌痛症の患者の60%は幻味覚症である。
Ship, J.A., Grushka, M., Lipton, J.A., Mott, A.E.,
Sessele,B.J., & Dionne, R.A. (1995). Burning
mouth syndrome: an update. Journal of the
American Dental Association, 126, 842-853
局所麻酔薬を貼付して診断する
Wardrop, R., Hailes, J., Burger, H., & Reade, P.C.
(1989). Oral discomfort at menopause. Oral
Surgery Oral Medicine Oral Pathology, 67, 535-
540.
更年期障害の治療を受けている集団では口腔
症状は40%に診られる。
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Lamey PJ, Lamb AB.
Prospective study of aetiological factors in burning mouth
syndrome.
Br. Med J 1988;296:1243-6
*舌痛症の症状には日周差があるという論文です。
I 型:起床時は無症状である。まもなく症状が発現し時間の経過と共に増悪し夕方に最高となる。
夜は無症状である。
>神経性の性格はなく,栄養失調等が素因として関連づけられる。
U型:昼間は終日疼痛がある。
夜は無症状である。
>慢性の不安など神経性の素因が関連づけられる。
V 型:間欠的な疼痛で、無痛の日がある。
>食物アレルギー等が関連している。
>この分類はとてもattractive です。科学的根拠とまでは言わなくても、論理的な展開されていたらさらに良いのですが。
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Winston Huang, Marti Jill Rothe, Jane M. Grant-Kels
The burning mouth syndrome
J Am Acad Dermatol 1996;34:91-98
review論文です。歯科の論文の評価に弱点が露呈している。
症候:
随伴症状は口腔乾燥症 40-50%、
味覚異常 (辛い、苦い、金属味) 30%
素因:
局所的因子;
カンジダ症:貧血、口腔乾燥、義歯の装用など関連する、臨床的な所見を必ずしも伴っていない。
*治療:米国の民間療法と思われた”トウガラシ”に言及していた論文です。
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Gorsky M, Silverman S, Chinn H. Burning mouth syndrome: A
review of 98 cases.
J Oral Med 1987; 42:7-9
*舌痛症とカンジダ症に関して、上記Winstonらも推奨している、治療方針に抗真菌剤の経験的な投与を推奨している論文です。
偽膜性と紅斑性カンジダ症は舌痛症に関連するとされている。associated with candidiasis
偽膜性のカンジダ症は白色の軽度に隆起した苔、ミルク色で易剥離性で、頬粘膜と口蓋粘膜に好発する。
紅斑性のものは平坦で、赤色の変化が粘膜、舌、口蓋によく見られる。
カンジダ症の診断はしばしば仮定のもとになされる。 is presumptive
*抗真菌剤への反応によって診断されることを presumptive という。
彼らはカンジダ症の所見を伴わないBMSに抗真菌剤を投与したところ86%に改善が、13%に消失が見られたと報告している。
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Gibson J, lamey PJ, Lewis M, Frier B.
Oral manifestation of previously undiagnosed non-insulin dependent
deabetes mellitus.
J Oral Pathol Med 1990; 19:284-287
糖尿病はBMSに関連づけられている。37%の罹患率をもって
糖尿病の患者はカンジダに感染しやすいとされる。斯くしてBMSを呈する。
(Zakrzewska JM. The burning mouth syndrome remains an enigma.
Pain 1995;62:253-257)
糖尿病におこる血管系の変化は疼痛への閾値を低下させる。(?)
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Maresky LS, van der Bijl P, Gird I.
Burning mouth syndrome. Evaluation of multiple variables among
85 patients.
Oral Surg Oral Med Oral Pathol 1993;75:303-307
BMSの原因となる薬剤に付いて言及している。
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Brown RS, Krakow AM, Douglas T, Choksi SK.
"Scalded mouth syndrome" caused by angiotensin converting
enzyme inhibitors: Two case reports.
Oral Surg Oral Med Pral Pathol Oral Radiology Endod 1997;
83:665-667
*ACE阻害薬には味覚異常(血清Zn低下?)と口渇の副作用がある。したがって、BMSの原因として注意を喚起するこのような症例報告があってもmake
sense。
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Steven A. Miyamoto, Vincent B. Ziccardi
Burning mouth syndrome
The mount Sinai Jounal of medicine 1998;65:343-347
治療:
抗真菌剤が効果的であることが示されている。数週間から数ヶ月、部位にかかわらず。
*抗真菌剤を2wしか使用を許さない日本の保健での適応って誰が何を根拠に決めたのでしょう。
ref:
Gorsky M. id
Huang W. Rothe MJ, Grant-Kel.
The burning mouth syndrome.
J Am Acad Dermatol 1996;34:91-98
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舌痛症の原因は3群に分けられる。
1.局所的、
2.全身的、
3.精神的、
1.局所的な原因
1-1. 歯科治療
最近、受けた歯科治療を初発とするものが65%とあります。
就中、義歯によると指摘するものがありますが、もちろん、否定するものもあります。
>歯科治療に起因するBMSは、患者の訴えによることがその根拠となっているのが大部分でしょう。
>舌に疼痛を訴える患者を診て相当する臨床所見が認められないとき充填物をチェックするのは、現実的なアプローチではありません。その数たるや大変なものです。金属充填物の全種類を有する患者もいます。蝋着されたり、また酸化されたものもあります。
>古いアマルガム充填物を金属味の原因と思っている患者を一人経験しました。
研磨して経過を観ましたが不変でした。
>パラヂウム・インレイ一人。金属床義歯一人。
1-2. 感染性病因
カンジダ、スピロヘーター、地図状舌(感染症?)
>就中、カンジダ症は上述の如く臨床所見が認められないときでも抗真菌剤が有効な症例があるとされています。
1-3. アレルギー性反応
水銀アレルギーに起因するBMSの報告。
義歯アレルギーのパッチテストで25%に陽性が認められている。
食物アレルギー
1-3. 異常口腔習癖等 dysfunction parafunction
1-4. 唾液の定量的、定性的性質
口腔乾燥症
1-5. 神経性の機序
外傷による神経障害
局所麻酔の帖薬が無効なことは末梢神経の異常を示唆する
2. 全身性素因
鉄欠乏性貧血の頻度は高い
ビタミンB12は否定的
ビタミンB1,B2,B6欠乏の報告が見られる。
葉酸も報告されている。
Znはここに含まれるでしょう。
閉経の関与も報告されている。症状として灼熱感43%、味覚異常27%、双方30%。
糖尿病もBMSと診断される内10%程しめていた。
50%に免疫系の異常がみられた報告がある。
免疫不全から口腔乾燥症斯くしてBMSという機序があるようである。
3. 神経性素因
抑欝が頻度として高いともされている。BMSの44%は神経性で抑欝、不安が多い。
>これは、J.Dent.Res で否定的論文が最近出ていました。
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