回路図

回路図を以下に示します。近代型詰所の建物模型内に単4型ニッケル水素充電池を直列に4本接続し、信号所の建物模型内CN1に接続します。信号機線路下のD1〜D3は市販の信号機内のLEDです。

【磁気スイッチ】
磁気スイッチは村田製作所製のAS-M15TB-Rを使用します。シーテック2009で同社ブースに展示されていた物で、磁力に反応してON/OFF信号が取り出せます。アナログ回路が必要ないので、線路裏側に取り付けても邪魔になりません。チップトランジスタと同じ形状でが、実験して見たところ、反応する磁束方向があるようで、写真の上下方向に磁束が通ると反応します。回路図には磁束方向や磁石は出てきませんので注意が必要です。


磁気スイッチのブロック図を以下に示します。AMR素子R1〜R3には電流が流れているので一定の電圧が発生しています。外部から磁束がこの電流を横切ると電流を妨げて、電圧も低下します。この変化をコンパレータで検出し、ラッチして出力します。電源電圧は3.6V〜6Vで標準は5Vです。通常はHiが出力され、磁束を検出するとLowになります。

【信号機LED】
KATO製三灯式信号機を改造します。LEDのメーカーは解りませんが順方向電圧を一般的な2Vとすると、直列抵抗が赤色の場合、1500Ωですから電流は(12V-2V)/1500Ω=6.7mAとなります。黄と緑は直列抵抗が680Ωなので、(12V-2V)/680Ω=14.7mAとなります。一般的に赤LEDは輝度が高いので電流を制限して他のLEDと輝度を揃えています。今回の電源電圧は4.8Vですから直流抵抗は赤LEDは470Ω、黄と緑は200Ωで同じ電流になります。

【HCS08マイコン】
使用するマイコンはフリースケール製8ビットマイコンMC9S08SH8CPJです。三色の信号LEDはアノードが共通で電源に接続されているため、通常はオープンコレクタやオープンドレインでON/OFFしますが、LEDの電源とマイコンの電源が同じ電圧の場合は必ずしも必要ありません。外付け部品を減らすため直接IOポートに接続します。LEDのアノードは4.8VですからマイコンのポートもHi(4.8V)にするとLEDに電流は流れません。マイコンのポートをLow(0V)にするとLEDに電流が流れて点灯します。このマイコンの単独ポート最大電流は±25mAですから十分にドライブする事が出来ます。内臓クロックを使用するのでレゾネータやクリスタルは必要ありません。

【充電式ニッケル水素電池】
レイアウトでジオラマを楽しむ場合もありますが、床に線路を敷いて楽しむ鉄道模型家もたくさんいらっしゃる様で通称、御座敷列車と呼ぶそうです。信号機用電源配線があると邪魔なので、電池駆動としました。ホビーとは言っても地球環境と、お財布の中身には気を使って、充電式電池を使用します。三洋電機のeneloopは充電器とセットで販売されていますのでお勧めします。今回は単4型を4本直列に使用します。マンガン乾電池の出力電圧は1.5V(標準)ですが、ニッケル水素充電池は1.2V(標準)です。4本で4.8Vになります。注意して頂きたいのはマンガン電池を4本直列にすると6Vとなり、マイコンの絶対最大定格電圧5.8Vを超えてしまうので使用できません。マンガン電池を使用するのであれば3本直列で4.5Vとしてください。磁気センサーの最低電源電圧は3.6Vですから十分に動作します。ACアダプターで電源を取るのであれば5Vで電流容量は将来の事も考慮して500mA程度で十分です。レイアウトなど固定で使用する場合はACアダプターの使用をお勧めします。

電池フォルダーはタカチ製MP-4-2を2個使用します。
建物模型に電池フォルダーを内蔵させるので建物によって、電池フォルダーを選択すれば良いでしょう。今回は信号所と近代型詰所がセットになっている物を購入しましたが、詰所が意外に狭く電池フォルダーを2個並べる事が出来なかったので、改造してあります。4mm程切断して2個を直列にしています。固定用の穴が二か所づつあるので建物の土台に固定しています。

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