真・三国無双事始め

私が初めて真・三国無双のゲームを見たのは、相方のニャーちゃんのお兄さんがおもむろにゲームをやろうとしてた時だった。三国志のゲームだという。

「誰でやるんですか?」
「孫策」
「甘寧はいませんか? 甘寧でやって下さい!」

お兄さんは甘寧でやってくれた。自分ではゲームをやらない替わりに、人がゲームをやっているのを見るのが大好きな私は、お兄さんの脇で興奮しまくって、今思えはずいぶんあほなことを口走っていた。

「なんで甘寧のくせに馬から落ちるんだ〜〜!!!」
「さすが甘寧!! 敵将倒しまくりだ!!!」
「あ、呂蒙がいる!! 甘寧、呂蒙と一緒に敵兵倒して!! なんで呂蒙どっかに行っちゃうの!?」

お兄さんはさぞや呆れていただろうが、私の胸には「なんて面白そうなゲームなんだろう」ということだけが刻まれた。



さて。それからずいぶんと年月が経ち。

私は半年位前から家族のギャザ吉と同居しているのですが、そのギャザ吉が大分昔にゲームオタクだったもんだから、ドリキャスやらスーファミやら何やらかにやらを沢山持ってうちに引っ越してきた。

その時、私はあの楽しかったゲームをまた見たいと思い、「プレステは持っていないの?」と聞いてみたところ、金がないからまだ買えていないという。ちっ、ゲームオタク(元)の風上にも置けない奴! 金は家計費から折半で出してやらぁ、プレステ2買って来やがれ!と、犬吉は偉い気っぷの良さでプレステを買ってこさせた。

「で、ソフト何買う? ばーちゃ買って良い?」
「三国無双」
「するの?」
「イヤ、私はゲームはしないから、やってるとこ見せて」

その件はあっさり却下された……。しないゲームは買わないと、偉くまっとうなことを言われたのだが、その1ヶ月後には体に上下関係を教え込み、とうとう真・三国無双をゲット!したのでありました。

(ちなみに、私がどの位ゲームをしないって、PCを買ってすぐ三国志5を買ったにもかかわらず、結局1日で断念してしまったというくらい、ゲームはしないのです……)



三国無双がうちに来た日、私はギャザ吉がゲームをするのを後ろから眺めていた。

……やっぱり面白そうだ……。

次の日、「ゲームはしないから」と言っていた私の手には、無双用に準備したメモリーカードとコンプリートガイド(上下)が握られていた。ギャザ吉が仕事をしている間、私は真・三国無双のガイドやら取説と首っ引きになっていた。

「最初はやっぱり夏侯惇だよね。えっと、夏侯惇でやると合肥があって、合肥で甘寧を倒すと甘寧が使えるようになるのか……。おぉ、それは好都合だ。そんで、魏と呉をやったら蜀だから、そしたらやっぱり関羽だよね。えっと、夏侯惇……おぉ、声が渋いな。格好いい格好いい……どれどれ」

プレイを始めてみると、ゲームなんかしたことのない私には、これがやっぱり難しい!!! まず何が難しいって、地図を見ながら方向キーで夏侯惇を動かすのがもう難しい……!!!

「私、このゲームできるようになるのかしら……」

私の頭をイヤな考えがよぎったが、とにかくやり進まないと始まらない。


さぁ! ゲーム初心者犬吉が、頑張って真・三国無双に突入するぞ!!(続く)


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