home


CREATIVE DESIGN RC5A-3
(1995 初期モデル MC62タイプ)  
ポテンショメータ不良で、ローテータ交換

長年使ったローテータの指針がおかしな動きをするようになり、 プリセットが効かなくなった。
マニュアル操作であればアンテナを見ながらモーターは回せる。故障箇所はローテータ本体のR30 ポテンショメータの不良であると見立てている。
ローテータの交換はアンテナシステムを組む際に、考がえてはいたが、安全に一人で交換するようには準備はしていなかった。
マスト倒れ防止治具を作って、ローテータを交換しました。
2013.11.2 update 
サムネイルをクリックすると大きい画像になります。
Click on each image for a larger picture
うちのタワーはコンクリート柱13m
下側についているローテータはクリエートデザイン製RC5A-3
1995年から使っているのですが、設置まもなく指針の不安定な場所があり、だましだまし使っていたが、最近になってコントローラーの指針がさらにおかしな動きとなり、CCW方向に回り南で止まる。

こいつをまずはスペアのRC5-3に取り替える。
昔は軽いガス管を使っていた。当時はマストを一旦持ち上げて、下に降ろしてぶらぶらさせてローテータを交換すると言う手段を取っていたが、今はマストだけでも質量60kgを超えるので、とても人力ではできないし、上が長いので、ぶらぶらさせられない。風が無くてもチェーンブロックで持ち上げたら倒れちゃう。

今回はマストをチェーンブロックで持ち上げる方法を取るのであるが、マストの倒れ防止を考えねばならない。
そこで、マストを引き上げている間、倒れ防止の金具を取り付けてから工事を行う。これはイワブチのLAHという金具。4020円+5%
LAH金具に、自作のマストクランプを取り付け、マストを引き上げている間、Uボルトで固定し倒れ防止を図るわけです。

足場金具はチェーンブロックで引き上げる際、ワイヤーを引っ掛けるために、ここに一次的に移設。あとでアンテナの方向を定め、ローテータのマストクランプを締付ける際にもここを持って回せば簡単。
チェーンブロックをベアリング台に引っ掛けて、
下側はマスト用足場にワイヤーを介して引っ掛ける
マストベアリングのボルトナット、マストクランプボルトナットを緩めておいて、チェーンブロックでマストを少し持ち上げる。
ローテータを外せるところに来たら、マストクランプを片方だけ外す。
柱上で、ローテータをRC5-3に交換する。 ユニバーサルカップリングのピンもだいぶ磨り減っている。 いっしょに交換すべきであるが、スペアを用意してなかったのでそのまま使った。
尚、RC5Aは回転トルク16kgm、ブレーキトルク150kgmであるが、
RC5は回転トルク6kgm、ブレーキトルク70kgmなので、能力は一つ下である。 質量もRC5Aは8kgに対し、6kg
RC5-3
この後、マストクランプを取り付け、Uボルトを緩め、マストを降ろす。
マスト倒れ防止のマストクランプは外す。
これで暫定的に使う。
使ったチェーンブロック

呼び名はチェーンブロックではなくレバーブロックと呼ぶ

KITO CORP
ローディレバー LL126というやつ
1/2TON
操作力は40kgf
今ではもうこの型式はなくなっているようです。 レバーブロックL5シリーズに置き換わっている。

このレバーブロックは知り合いのじっちゃんに借りたものだが、 オーバースペックで、単体質量約3.8kgは柱上へ持っていくにはちょっと重い。レバーが長いので、コンクリート柱ならよいけど、3角タワーだと、中でレバーを操作できないね。
調べてみると象印 Y2チェーンレバーホイストとか海外製のやつもある。 1万円ぐらいで買えるものもあるので、頻繁に使うなら1台買っておいたほうがよいのかも。
高所作業なので、確実に操作できて、安全に使えるものがよい。キトーレバーブロックLX003(荷重250kg 標準揚程1m)が使いやすいかも。

RC5A-3分解

ケースの十字穴つき六角ボルトM6を外して、ケースをあける。
クリエートの設計者はS=10ディープソケットの外径がいくつなのか知らずに設計しており、普通に手に入るS=10ディープソケットがケースに干渉して使えない。メガネも入らないんだよ。
不良のポテンショメータ R30はここ。黒いギヤはM3止めねじで固定されている。
ギヤを外し、ポテンショメータを外したところ
このポテンショメータ、摺動接点の接触不良ではなく、巻き線が断線していた。
取説の値が正しいとしたら±12V電源で1kΩの抵抗値というのはちょっと小さすぎて24mAは電流流しすぎ。明らかに設計がおかしい。定格1.2Wのポテンショメータに0.576Wの電力なので、定格の半分以下ではあるが、ダメでしょ。
ポテンショメータと、出力フランジ下の防水シールを取り寄せ、早く修理しよう。
WEB情報の分解写真を見ると、RC5のギヤはどうもアルミダイカスト製みたいだし、使っている部品の強度がこのRC5Aよりも弱いみたいだ。早急にRC5Aを復活させねばならない。
ポテンショメータ クローズアップ

ワイパー接点は端子を介さず、リードを直に引き出している

英文マニュアルによると、R30は東京コスモス製RA25X20SB102だと思われるが、どこにも東京コスモスの刻印はない。

あとで調べたところ、1/2ストロークのところで断線しており、全抵抗値は5kΩであった。1kΩというのはどうも変だと思ったよ。
説明書の18ページ故障診断では、ローターのポテンショメータ抵抗値は5kΩと書いてあるので、部品表はわざと問い合わせが来るように種がまかれている。
クリエートデザインに補修パーツの価格を問い合わせたところ、
ポテンショVr 5kΩ x1個 = \1,700-(税別)
オイルシール x1個 = \160-(税別)
S1.ボルト M8x30 W \60- x 4個 = \240-(税別)
S2.ボルト M8x20 W \50- x 5個 = \250-(税別)
S3.ボルト M8x75 W,N. \100- x 6個 = \600-(税別)
ハウジング用ボルト M6x18 \30- x 7個 = \210-(税別)
送 料 \800-(税別)
小 計 \3,960-(税別)
消費税 \198-
合 計 \4,158-
とのこと。早速注文した。
クリエートから取り寄せた部品
ポテンショメータはRA25X(-55℃〜+100℃)ではなくRA25Y(-10℃〜+100℃)だった。RA25Y20SB502
1700円も出して買ったけど、RA25Yならマルツパーツ館で698円だに。
巻き線型ポテンショメータ
RA25Y20SB502
5kΩ 1.2W 分解能0.19% ということは巻き線は526Turnということ。 
リード線を半田付けし直して組み込もうとしたら、ピンの位置がちがう。
しょうがないので、ヤスリで穴を長円に広げて組み込み
仮組みして試運転、OKだった。 あとはグリスをきれいなやつに交換して、ボルトを新品にとりかえて復旧させるだけだね。
クリエートのローテータの組み付け記事で、分解時にマーキングしておくように書かれているところがあるが、その必要はない。0deg北基準で組めばよい。
@ポテンショメーターは1/2ポジション。つまり、コンローラーとつないで、針が0度になるようにポテンショメータギヤをまわしておく。
Aファイナルギヤを載せる時には、ドッグ(タブ=割りピン)をストロークエンドリミットSWレバーと180度反対方向にして組む。 B際組み付け時に、ファイナルギヤ1/2山ずれる場合があるが、気になるようであれば、マニュアルでモーターシャフトを少し回して、ドライブキヤを回してスコンと入れてやればよい。
ギヤを外して、古いグリスを排出し、灯油とパーツクリーナで洗浄
グリスは リチウムグリスを使った。
ニチモリNEW-SL PM70
-10℃〜+150℃ 低温は得意ではない。


クリエートは−20℃を下回る環境下では東レダウコーニングMOLYKOTER EM-30Lを使えと言っているが、まあその必要は無いだろう。標準で組み込まれているグリスは単なるMPグリスみたいだし。
ドライブギヤ、ファイナルギヤを組み付け。この位置で1/2ストローク。コントローラをつなぎ、ファイナルギヤを少し傾けて、ポテンショギヤを回して、針が北を指すようにしてセット。
どうしても半山が詰められない時は、ポテンショギヤとポテンショシャフトへの組み付け位相を少しずらすとよい。
コントローラーを使って、モーターを回しCCW南リミット、CW南リミットでそれぞれ+10度程度オーバーランしてちゃんと止まり、ポテンショを壊していないことを確認しておく。
上部ハウジングにコーキング材を塗布し、 下ハウジングとドッキング。十字穴つき六角ボルトM6X18を締め付ける。
防水ゴムをMC62に取り付けて、少しグリスを塗っておく。
キーを組み込みシャフトへ嵌合。
このゴム外径内径は同じようであるが、旧品とは若干大きさが異なる。
ねじ部にもコーキング材を充填し
ねじ止め後、ねじ周囲もコーキングしておく。これで完成。

RC5A-3コントローラ

コントローラーもガラスが曇っていたので、外して裏側も拭いてやったらきれいになった。

RC5A-3と、RC5-3は反転ディレー時定数が違うだけ。ちょっと反応が鈍いだけで、そのままでも使える。

RC5A-3 本体再塗装し柱上へ再設置 2016.5.16
2年半放置していてようやく元のRC5A-3へ戻す
また何年も使うので、塗装の補修(気休めだけど)
アルミの塗装というのはなじみが悪い。
ユニバーサルカップリングUC-1は新品をおごってやった。
20年前は4500円だったのに、知らぬ間に値上げされてた。
Amazon CQオーム 8033円+送料525円
今回使うレバーブロックはKITO LX003 能力250kgf
この前使った黄色いやつは重いので、今回はこれを新調した。能力さえあれば軽いほうが楽だ。
楽天ショップで11280円送料込み
下側のフックは、愛知タワー工業でもらった治具に引っ掛ける。

写真には写っていないが、今回もマスト倒れ防止金具を使って、引き上げ時にはマストが倒れないように保持している。
持ち上がったら、2年半使った仮のローテータRC5-3を取り外し、古いユニバーサルカップリングUC-1も撤去、交換する。
設置完了

取扱説明書1st edition 1982年7月rc5a-3-manual-1982-7.pdf 3.5MB

回路図抜粋 1982年7月rc5a-3-sch-1982-7.pdf 400kB

X1218 説明書 1993年1月x1218-manual 1993-1.pdf 700kB


問い合わせをする