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 アリストV300VEに乗るNO.1のワタルが、(1)ブレーキホース ステンレスメッシュ化+ブレーキパッド交換(2)フロントブレーキキャリパー&ブレーキローター交換(3)リアブレーキキャリパ−&ブレーキローター交換というステップを踏んで、段階的にブレーキ強化を実施していきましたので各ステップ毎のインプレッションをご紹介致します。


メンテVOL.264 段階的ブレーキ強化レポート  <作成:01年9月22日 改訂:'02年1月9日 >
ブレーキの強化を実施するにあたって、各パートの受け持ちの割合とその効果や変化を皆さんにお伝えできればということで、以下のような交換ステップでブレーキ強化を実施致しました。まず最初に各ステップ毎に確実に効果が得られたことをご報告致します。なお、各ステップの間はそれぞれ約1ヶ月ほど走り込んでチェックしてみました。

<ブレーキ強化実施のステップ>

  1. ブレーキホース ステンレスメッシュ化+ブレーキパッド交換
  2. フロントブレーキキャリパー&ブレーキローター交換
  3. リアブレーキキャリパ−&ブレーキローター交換

ブレーキのパーツについては、C.A.サポーターであるビバリーオートジャパンさんの『17インチブレーキキャリパー前後セット』で、オプションとしてローターへのスリット入れ加工と、ブレーキキャリパーの塗装&ロゴ入れ処理をお願いしました。ブレーキキャリパーのカラーはクラブアリストのイメージカラーのブルーとし、ゴールドで「Club ARISTO」のロゴ入れて頂きました。
またパーツの交換にあたっては全ての作業を、C.A.フレンドディーラーであるネッツトヨタ東京ハブポート若林さんにお願いし、ミニオフミ的にブレーキの強化に関心のあるメンバーの皆さんが見学に来店されてのブレーキ強化実施となりました。

<1.ブレーキホース ステンレスメッシュ化+ブレーキパッド交換>

ブレーキ強化第一段階としては、以下のような内容を実施しました。

ノーマルのブレーキラインはブレーキキャリパーとの接続部1mほどが耐圧タイプとはいえゴムホースであるため、ブレーキを踏み込んだ際の圧力上昇からどうしてもホースが膨張してしまいブレーキ圧が逃げてしまいます。そのため、踏み込んだ分(ドライバーが意図した分)だけブレーキ力がどうしても(リニアにリアルタイムに)発生しないと同時に、カチッとした手応えのあるブレーキタッチが得られず、ドライバーに伝わってくるダイレクト感も乏しいものであるといえます。そこでほとんど膨張しないステンメッシュホースに換装することによって、ブレーキタッチの改善と制動力向上を図ろうというのが今回のブレーキ強化第一弾の狙いです。またブレーキパッドはスポーツタイプのものに変更しパッド材質の変更による同種の改善が図れればと考えました。

さて、一ヶ月ほど市街地から高速道路までを走行してのインプレッションですが、効果としては若干のタッチの改善が認められるというレベルでした。変更直後はブレーキ操作に若干のストローク感の変化を感じましたが、1時間も経過しないうちに慣れてしまい、その変化は分からなくなってしまいました。ただし、足の裏に伝わってくるブレーキローターを掴んでいるような感じがわずかではありますがリニアに感じられるようになりました。なおこのタッチの向上と引き換えに、欧州車と同等レベルまでブレーキダストも発生するようになりました。

<2. 1+フロントブレーキキャリパー&ブレーキローター交換>

ビバリーオートジャパンさんのスープラ(JZA80系)ベースの『17インチブレーキキャリパー前後セット』のうちフロントブレーキキットを装着しました。写真を撮影したりと邪魔者の私がウロチョロしていましたが、装着に要した時間はS2000を使っての少々面倒なエア抜き作業まで含めて約2時間程度でした。

装着したパーツは以下のパーツになります。

作業的には以下のような手順になります。

  1. ホイール&タイヤの脱着
  2. ブレーキキャリパーの脱着
  3. ブレーキローターの脱着
  4. バックプレートの加工取外し(ローターの大型化でバックプレートと干渉するため)
  5. エア抜き(S2000使用)

※ 交換作業の見学は、S2000のチェック機能を使ってのブレーキのエア抜きなど見ていてためになりますので、環境が許せば見学させてもらうことをお勧めいたします。

さて、一ヶ月ほど市街地から高速道路までを走行してのインプレッションですが、これまでのブレーキラインのステンレスメッシュ化とスポーツパッドの装着でも若干のタッチの改善が図られていましたが、まだまだ完全とは言えず不満の残る部分でもありました。それが今回のフロントブレーキキットを装着したことにより、踏み代、タッチともスポンジ−さがほとんどなくなったと言えます。そして何よりも強力なブレーキを得ることが出来たのは大きな収穫です。体感的には3/4位の制動距離に短縮されたのではないかと感じるほどの違いです。また一番効くタイプ1のブレーキパッドを装着したのでカックンブレーキになるのではないかと少々心配していましたが、それも杞憂に終わりましたし、ダスト量もノーマル同等レベルまで低減されたため、ホイール掃除もごくたまにしか行わない私は非常に満足しております。制動能力の確実な向上は図られましたが、咄嗟の危険回避操作を想定すると一番重要なハードブレーキ時の車体姿勢は、フロントのみが強力なブレーキングパワーを得たためノーズダイブがかなり激しく、バランスという点では完全とは言えず、このあたりが第3段階への課題となりました。

<3. 1+2+リアブレーキキャリパ−&ブレーキローター交換 >

さて、いよいよ最終形に向けてリアのブレーキキャリパーとブレーキローターの装着です。

装着したパーツは以下のパーツになります。

装着手順は、上述のフロントと同様と考えて頂いて結構です。リアまでの強化を実施して、やはり気になるのはフロントのみ強化の場合と比較してブレーキバランスと車体姿勢の改善がどのくらい図られるかという点、そしてブレーキの絶対性能がどのくらい向上するのかという点です。

まず前者のブレーキバランスや車体姿勢についてですが、フロントのみ強化というブレーキの組み合わせ自体の持つアンバランスさが無くなったためかハードブレーキ時の激しいノーズダイブはすっかり見られなくなり、ドライバー、パッセンジャーともに咄嗟の急ブレーキを要するようなシチュエーションに遭遇しても車の急激な姿勢変化に恐怖感を感じるようなことはないのではないかと思われます。そしてブレーキの絶対性能についてですが、これは『ブレーキ強化→ブレーキバランス向上→車体姿勢の改善→ブレーキ能力向上』という構図が成り立っているものと考えられ、最終的には車トータルとしての完成度と安全性の向上に大きく貢献しているのではないかという結論に至りました。

このバランス向上とそれに伴うブレーキの絶対性能の向上は、スープラという車でメーカーによってしっかりと煮詰められているものですので、多少の車両重量や車両バランスの違いはあるのでしょうが信頼の置けるものだと感じています。前述のフロントのみ強化の時に、体感的には3/4位の制動距離と書きましたが今度は2/3位に短縮されたのではないかと感じるほど絶対性能が向上しました。実際の制動距離を同条件で比較できれば最高だったのですが、それは叶いませんでした。しかし、制動距離が確実に短縮されていることは確かなことであり、危険回避で重要な最後の10メートルに焦点を当てても安全性能は格段に向上したと言えそうです。

<最後に>

ワタル号はこれまでにメンテナンスコーナー等でレポートしてきましたように、エンジンパワーだけを追求している訳ではないにせよパワーアップを先に実施してきた結果、現在は約400馬力のパワーを得るに至っており、ノーマルアリストでも物足りないブレーキ性能が完全に負けた車になっておりました。今回、ブレーキ強化したことにより、クルマの基本性能である、「走る」、「曲がる」、「止まる」のうち、まず「止まる」をしっかりと押さえておくことがいかに大切かということに改めて気付きました。そして何より前後共にブレーキ強化したことによりカスタマイズ/ドレスアップという面からも車としての完成度が非常に満足いくものになりましたし、走らせてもブレーキを踏むのが何よりも楽しい車になりました。

3ステップでの段階的なブレーキ強化を実施したことによって、時間と手間は掛かりましたが、それぞれの段階での効果の度合いがしっかりとチェックできたのはひとつの大きな収穫であったと思います。いずれにしましてもブレーキに対する安心感が大きく向上したのはハンドルを握るひとりのドライバーとして大きな意味を持つことだと感じております。

最後に、クラブアリスト仕様という我がままな要求にもしっかりと応えて下さったビバリーオートジャパンさん、そして手間の掛かる段階的な交換作業にも快く応じて下さったハブポート若林さんに感謝して、レポートの締めくくりとさせて頂きます。

ブレーキ強化第一段階(ステンレスメッシュ化+スポーツパッド装着)

リアブレーキ フロントブレーキ

ブレーキ強化完了後

リアブレーキ フロントブレーキ
クラブアリストisland
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