Club ARISTO Maintenance |
アリストV300VEに乗るNO.2007のSOARISTOさんが、ブーストメーターパネルを自作されたので、紹介してくださいました。純正のブラックウッドとうまくマッチングして、なかなか良い仕上がりですね。
【はじめに】ブレーキ強化に引き続き、TOM'SさんのT.E.C.S.を装着したため、アクセルワークによってどの程度ブーストが掛かっているのか、これまで以上に気になるようなり、ブーストメーターを取り付けることにしました。
ダッシュボート上やフロントピラーへの取り付けが一番お手軽な方法かとは思いますが、「いかにも」という感じを避けたかったため、「純正で装着していてもおかしくない位置」かつ「視認性の高い位置」とするべく、コンソールの三連メーター右隣のエアコンダクトに取り付けることにしました。
取り付けにあたっては、「純正で装着していてもおかしくない」を実現するため、妥協を許さず細部にまで拘り、「どれだけ純正クオリティーに近付けられるか」を主眼として、メーターパネルの作成およびブーストメーターの取り付けを行いました。【パネル作成編】
メーターパネルの作業手順を紹介します。注意すべきポイントはいろいろありましたが、時間を掛ければ掛けるほどクオリティーが上がると考え、じっくり気長に作成しました。
〈写真1〉 〈写真2〉 〈写真3〉
- メーターコンソール向かって右側のエアコンダクトを、先端に布ガムテープ等を巻いたマイナスドライバーを使って(傷が付かないように)、左右の上下計4ヶ所ある勘合をツメを折らないように慎重に外します。
- ルーバー(風向を調整する横板)を取り外します。(勘合ではまっているだけなので簡単に取り外せます。一番上のルーバーは後々使いますので、なくさないように取っておきます)
- 20mm厚のABS樹脂(エアコンダクトもABS樹脂であるため)に、メーターが入る大きさの穴(φ60mm)を、サークルカッターを使って空けます。(作業の安全のため、必ずボール盤かスタンド付きドリルを使います。また、一気に穴を空けようとすると熱でABS樹脂が熔けてしまうため、何回かに分けて徐々に掘削します)
- 穴の空いたABS樹脂を、所定の大きさ(78mm×80mm程度)に切り出します。(エアコンダクトの穴は完全な四角形ではなく、微妙に台形になっています。現物見合いで大きさ・角度を合わせます。また、穴を空けてから切り出したのは、パーツの大きさに対して穴の大きさが大きいためです。切り出してから穴を空けると、薄くなっている部分から割れてしまい、おそらく失敗します)
- 切り出したパーツを、プラスチック専用の接着剤を使ってエアコンダクトに接着します。(ダッシュボード周辺はかなりの高温になるため、後々にヒビ割れ等が発生しないように完全に固着させます)
- パーツとエアコンダクトとの面(ツラ)を一緒にするために、耐水ペーパーを使って削り出します。(はじめは150番、だいたいのツラが合ってきたら320番にします。また、はじめはエアコンダクトのツラを布ガムテープ等を使って保護すると、余計な部分まで削ってしまうことを防ぐことができます)
- パーツとエアコンダクトとの隙間を、「厚付けパテ」(ホルツ)を使って埋めます。またさらに耐水ペーパーを使って削ります。(はじめは320番、だいたいのツラが合ってきたら600番にします)
- さらに、「薄付けパテ」(ホルツ)を使って表面の細かな気泡(「厚付けパテ」ではどうしても細かな気泡ができてしまう)を埋めます。(はじめは600番、だいたいのツラが合ってきたら1000番にします) パーツとエアコンダクトととのツラが完全に一致し一体化するまで、作業を繰り返します。(写真1)
- 下地処理として、サーフェサーを吹き付けます。(写真2) (サーフェサーを吹き付けると、表面の微妙な凹凸や小さな気泡が発見しやすいので、この段階でもしあった場合には、作業8を繰り返します)
- ウォーターペイントにより、純正と同様なブラックウッド調の塗装を施します。今回は専門の業者さんにお願いしました。
- 最後に、純正と同じような艶が出るまで「細目コンパウンド」と「極細コンパウンド」(ホルツ)を使って磨きを掛けます。(写真3) (「TURBO BOOST」の文字はテプラで作りました)
VEのブラックウッドの色調を再現するためには、パネルのベースカラーを少しブルーの入ったダークグレーとして、ブラックの木目パターンで施工する必要があります。ウォーターペイントを扱っている業者さんはいくつかありますが、この色調が再現できるか、依頼する前には確認した方がよいでしょう。(BENZ風のカラーウッドと色調が似ているようですが、実際にはかなり違います)
【ブーストメーター取付編】
ブーストメーターは、A'PEXiさんの「ELシステムメーター」(φ60,電子式, ホワイトパネル)を選びました。バックライトが、これまであったような透過式ではなくEL式なので、パネル全体が青白くきれいに光ります。また、今春にSI単位系への変更があったため、圧力表示が「×100kPa」になっています。
〈写真4〉
- プレッシャーセンサーの取り付け ・・・ サージタンク向かって左側奥に純正のプレッシャーセンサーがあり、その配管の間に3Wayコネクタを割り込ませて圧を取り出します。プレッシャーセンサーは、純正のプレッシャーセンサーの上に固定しました。(3Wayコネクタは、キットに付いているものではなく、SARDさんのオリフィス付きのものを使いました。ついでに、純正では心許ないφ4のゴムホースを、SARDさんのシリコンホースに交換してみました)
- センサー配線の引き回し ・・・ アクセルワイヤーに沿わせてφ7のコルゲートチューブを配管し、その中にセンサーの配線を通します。(コルゲートチューブは、融着テープできちんと固定します。パッと見は純正ライクなので、エンジンルーム内に余計なものが付いているようには見えません)
- 配線の室内への引き込み ・・・ ドライバー側のエンジンルーム隔壁にあるグロメットに小さな穴を空けて、そこから室内に引き込みます。(ドライバー側にあるヒューズボックスを外すと簡単にアクセスすることができます)
- ブーストメーターの電源関係は、IGとGNDはドライバー側のコンソール下の「パワーステアリングコンピューター」のコネクタから、TAILはエアコンダクト下の「ミラー格納スイッチ」のコネクタから取り出します。(確実を期するため、接続する側の配線の被覆を3〜4mm程度剥き、割り込ませる側の配線をハンダ付けし、融着テープできちんと絶縁します)
【メーター取付後】
〈写真5〉 〈写真6〉 ポインタを写真の上に!
(実物はもっと鮮明です)コンソールの三連メーターの緑白っぽい光とブーストメーターの青白い光とがミスマッチ(?)して、なかなかいい感じなりました。何よりも、純正ライクな仕上がりにたいへん満足しています。
パネルの穴を若干斜めに空けてあるため、メーターが微妙にドライバー側に向いており、視認性を高めています。(ここがミソです) また、エアコンダクトを完全に潰してしまうのではなく、風向や風量を調節できるルーバーもちゃんと生かしてあるため、快適性も損ねていません。
エアコン作動時に結露によって曇るのではないかと心配していましたが、いまのところ発生していません。一つだけ問題があるとすれば、ELのバックライトがあまりにも鮮明なため、ナイトドライビングの際に右側のサイドウィンドーに映り込んでしまい、サイドミラー外側の1/5程度が見辛くなってしまうことです。
ブーストメーターの取り付けにより、ブースト域では自分のアクセルワークによってエンジンにどの程度の過給圧が掛かっているのか、またバキューム域ではエンジンのだいたいの調子やエンジンブレーキの効き具合を知ることができます。
また思わぬ効能として、ブースト域に入るとワーニングの赤いLEDが点滅するように設定してあるのですが、それを見ると思わずアクセルを緩めてしまうため、ちょっとした省燃費運転(?)ができることです。
次なる目標としては、センターコンソール(灰皿のある位置)への、油圧・油温・水温の三連メーターの取り付けにチャレンジしてみたいと思います。今回と同様に、ブラックウッド調のメーターパネルを作成する予定です。
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