Club ARISTO
Maintenance

 アリストV300VEに乗るNO.1のワタルが、T.E.C.S.に続きトムス・バレルマフラーを装着いたしましたので、そのインプレッションやパワーチェック結果についてご紹介いたします。


VOL.182 トムス・バレルマフラー装着記 <作成:'00年4月1日>
メンテ156でご紹介いたしましたように、これまでのパワーユニット関係の仕様は、トムスのエンジンコントロールシステムT.E.C.S.を装着したのみで、ECU以外はエアクリーナーを含めてほとんどノーマルでした。T.E.C.S.のみの装着でも全域において確実に体感できるほど純正ECUとはパワー&トルクの違いを見せつけていたのはレポートしたとおりです。
このたび同社のバレルマフラーを装着したのは、ノーマルに近いあくまでジェントルなサウンドであること、スピード感にしっかりとマッチしドライバーにインフォメーションを伝える最小限の存在感を示すマフラーであること、というのが条件を満たしていたからです。そして、T.E.C.S.との相性がベストというのも選択にあたっての重要な要素でした。

装着は1999年12月5日にフレンドディーラーであるネッツトヨタ千葉さんで開催したミーティングの際に、「マフラー装着実演」として行いました。

<インプレッション>

イグニッションをオンにしキーをひねってみると普段どおりのクランク音がしてエンジンが掛かります。アイドリング回転数にも変化は見られず600回転をちょっと上回ったあたりですが、ノーマルよりも少したくましいボボボボボボッといった音が聞こえてきますので、分かる人には分かるといった控えめなレベルですが、それでもただものではないなという雰囲気を漂わてせます。このアイドリング時の排気音はノーマルでも無音とは言えないレベルであり、また以前のBMWはかなり勇ましかっただけに、アリストという車の性格に非常にマッチしたものと言え、たいへん満足しています。

では実際にハンドルを握って走ってみましょう。まず最初に感じたのが、T.E.C.S.の装着によりすでにアクセル低開度域でのつながりが良くなっていたのですが、さらなる低速トルクの増加がしっかりと体感できたことで、ノーマルよりもアクセル開度がかなり少なくなっています。このあたりはボアアップしたような印象ですが、それでいてレスポンスも確実にアップしているのはうれしいところです。市街地の幹線道路などではほとんどアクセルに足を乗っけるだけで交通の流れに乗ることができます。このときタコメーターは1300回転あたりを指しており、排気音も獲得したトルク感を感じさせるレベルのノーマル+αの存在感を示しています。それでいて右足にほんのわずかに力を込めてアクセルを1〜2mm踏み込むだけで、途端に交通の流れをリードすることができるのです。バレルマフラーを装着してこのトルク感を楽しむという、アリストのジェントルな一面を生かした楽しみ方を発見しました。

そして、中高回転域についてですが、これまでとは「別世界」が待っていました。パワーグラフやT.E.C.S.のみの時との回転数毎の発生パワー差表をご覧いただければ一目瞭然ですので、体感的な変化で表現してみたいと思います。例えば高速道路の料金所からのフル加速では、ノーマルなら「肩のあたりにグググッ!と徐々にGを感じて」いました。T.E.C.S.のみでは「腰にドンっッ!」という感じで一気にGが掛かりました。それが、バレル装着により「肩から腰にドーーーンッ!」に加速Gが大きく変化し慣れるまでは怖いくらいです。また、引っぱってみても頭打ち感がなくストレスなくどこまでも伸びていく印象です。
排気音に注目してみると、ノーマルではアクセルを少し踏み込んでいくとタービン音がヒューーーーーと聞こえてきて、いかにもターボが仕事を始めたといった感じが楽しめますね。しかしもっと踏み込んでいくとタービン音もかき消されゴーーーーーーというなんとも味気ない音がするだけで、やはりこのあたりはターボよりもノンターボのほうがサウンドも自然で良いなと思わせるところでした。しかし、マフラー交換により一定加速ではタービン音のヒューーーーーを残しながらも、踏み込んでいくとクオーーーーーンといういわゆるサウンドを控えめに聞かせてくれるようになり、走りを楽しむだけでなくサウンドも楽しめるターボ車になりました。このあたりはシフトダウンしていったときも同様で、回転ダウンに伴ってエンジン音が変化していくあたりも走りを楽しめる大きな要素になっています。
排気音はアリストの性格にマッチして控えめに自己主張していながら、そのときのスピード感をドライバーにしっかりとインフォメーションするようになっています。

<マフラーサウンドについて>

ワタル号に装着しているバレルマフラーのサウンドをビデオにてご確認いただけます。収録は、2001年9月24日の富士スピードウェイミーティングにて行ないました。

→ ● バレルマフラーのサウンドビデオを見る

ビデオをご覧頂くにはQuickTime(TM)が必要です。お持ちで無い方は以下のボタンをクリックしてソフトをインストールしてご覧下さい。
(Windows、Macintosh共通)

「QuickTime」(無料)

<燃費について>

使用状況としては、主に都市部の走行、たまの高速道路の走行といった走行パターンです。燃費は若干低下しましたが、予想よりも低下幅ははるかに小さなものでした。通常、マフラー装着により抜けが良くなったことにより低速が痩せてしまい、結果アクセルの踏み込み量が増えてしまい燃費が大きく低下することが多いのですが、全域でトルクアップしたために、通常ユースではアクセル開度が小さくなった結果だと思います。
ノーマル5.8〜6.8km/L
T.E.C.S. 5.5〜6.5km/L
バレル装着5.2〜6.2km/L
体感データを中心にインプレッションしてみましたが、実際にシャシーダイナモに掛けてみましたので、参考にしていただければと思います。

パワー曲線グラフ

362.2PSを6000回転で記録! ノーマルの延長線でのチューニングのためか非常にきれいなパワーカーブを描いています。T.E.C.S.のみで、328.3PSでしたから、マフラーの交換で+34PSを獲得したことになります。4000円/馬力といったところですね。

トルク曲線グラフ

46.0kg−mを5230回転で記録! ノーマルは3600回転で46.0kg−mですが、オートマなので測定時に3速から2速にキックダウンしてしまうため、4000回転から全開モードの参考データです。

各回転数でのデータ表

100回転毎のパワー、トルクおよび速度のデータを確認することが出来ます。速度は3速で約220km/hを記録しています。

最後に、メンテ156で紹介したT.E.C.S.のみ装着時のデータとの各回転でのパワーの比較表を参考までにご紹介してレポートを終わりたいと思います。
回転数T.E.C.S.のみ T.E.C.S.+バレル増加分
4000 163.0178.9+15.9
4200195.8196.6+0.8
4400199.4227.3+27.9
4600229.1263.6+34.5
4800266.4290.1+23.7
5000293.7312.5+18.8
5200308.4332.7+24.3
5400309.2344.2+35.0
5600308.1350.3+42.2
5800313.5357.2+43.7
6000322.9362.2+39.3
6200327.8359.6+31.8
6400323.9352.3+28.4
6600320.9346.5+25.6

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