(1) NICを入れる
- NFSを利用してインストールするため、NICを追加します。
マシンを開けて、MCAスロットにNICを差し込みます。また、10Base-Tのネットワークにつなぐためにアライドテレシスのトランシーバー(
CenterCom 210TS )をNICにつなぎます。
MCAバスの拡張ボードの場合、各拡張ボード用の設定ファイル(ADFファイル)を用いて拡張ボードの設定を行います。この設定を行わない限り、拡張ボードは使用できません。
通常の商品ですと、拡張ボードといっしょにADFファイルの入ったオプションディスクがついてきます。しかし前述のように、「基盤がビニール袋に入っているだけ」の状態で買ってきたカードにオプションディスクがついているはずがありません。
オプションディスクがないのであれば、ADFファイルだけでもどこからか入手する必要があります。今回はMicrochannel
Enthutialistのページから3c523用のADFファイルをダウンロードしてきました。このページには多くの拡張ボードのADFファイルが収められています。このページはその他にも(MCAマシンに)有用なファイルが多くあります。
ADFファイルが入手できたらリファレンスディスクにコピーして、Autoconfigurationを行って3c523を認識させます。その後、”set
Configure”から3c523のトランシーバー設定を外部トランシーバーに変更します。
(2) Installationに必要なファイルを入手する
- MCA-Linuxのサイトから以下のファイルをダウンロードします。
Slackware-02Jan1997.tar.gz ・・・・・・・・・ Slackware用のbootdisk
esdi_slack-11Jan1997.tar.gz ・・・・・・・・・ ESDI-HDDドライバー
Slackware.txt ・・・・・・・・・ インストールの手引書
次に、bootdiskとrootdiskを作成します。rootdiskにはSlackware付属のtext.gzを使用しました.またSlackware.txtによると、rootdiskファイルは解凍してからフロッピーに書き込んだほうが良いように書いてありましたので、解凍したものをRAWRITE.EXEでフロッピーに書き込みました。
(3). bootdiskで立上げて、FDISKをかける
- 取りあえず、bootdiskでマシンを起動してパーティションを切ります。この時、FDISKを実行する前に以下のことを実施する必要があります。
( ESDI-HDD用にスペシャルデバイスファイルを書き換える )
# rm /dev/hd*
# mknod /dev/hda b 36 0
# mknod /dev/hda1 b 36 1
# mknod /dev/hda2 b 36 2
( この例では、1台目ESDI-HDD ( /dev/hda )を2つのパーティション(hda1-2)に区切っています )
この後FDISKをかけてパーティションを区切ります。
(3) ネットワークを設定する
- NFS経由でインストールするために、NICの設定を行います.
(ターゲットマシンのIPアドレスを192.168.31.7とした例)
# ifconfig eth0 192.168.31.7
# route add 192.168.31.0 eth0
繋がっているかどうかをサーバー側からpingで確認した後、サーバーのCD-ROMをマウントします。
(サーバーのIPアドレスを192.168.31.104としています)
# cd /
# mkdir /nfs
# mount 192.168.31.104:/CDROM /nfs
これで、サーバーのCD-ROMがマウントできました。
注意: NFSのマウントポイントとして/mntは使用しない。/mntはインストールターゲットであるハードディスクがマウントされる.
(4) スワップの設定
- この後、スワップファイルを使用可能にします(下の例は、/dev/hda1をスワップ区画とした例)
# mkswap -c /dev/hda1
# swapon /dev/hda1
メモリに余裕のあるマシンでは、スワップの設定はSETUPの中で行ってかまわないのですが、4MBと非力なマシンでは先にスワップの設定をしたほうが安全でしょう。
(5) SETUPの実行
- SETUPでは次のような選択を行います。
i. 前記(4)を実施した場合、SETUPがswaponでスワップ領域を登録するか聞いてきたら[n]を選択する。
ii. "SOURCE MEDIA SELECTION"では"Install
from pre-mounted directory"を選択し、先にマウントしたCD-ROM(のディスクセットが入っている)ディレクトリを指定する
(例: /nfs/slakware)
iii: "INSTALL LINUX KERNEL"の項では、bootdiskからカーネルをインストールする。
[注意] bootdiskのカーネルはフロッピー周りが安定してない様で、たまにフロッピーからの読み込みが失敗します。
そのときは、別のLinuxマシンにbootdiskを入れてカーネルを抜き出し、ネットワーク経由でターゲットマシンのルートに直接コピーします。
この際、ターゲットマシンのルートディレクトリは/mnt/であることに注意してください。
(例)
[別マシン上]bootdiskを差し込んでおく
# dd if=/dev/fd0 of=/mnt0/vmlinuz
[ターゲットマシン上。SETUPとは別の仮想コンソール]
# mkdir /mnt_b
# mount [別マシンのIPアドレス]:/mnt0 /mnt_b
# cp /mnt_b/vmlinuz /vmlinuz
あとは、SETUPで"skip"を選択して、次に進みます.
iv: "MAKING INSTALLATION BOOTDISK"は必ず作成する.後で使用します。
v: "LILO INSTALLATION"は"skip"を選択。ここではインストールしません(ESDI-HDDの場合のみ)。
(6) ターゲットマシンにスペシャルデバイスファイルを書き込む
- SETUP終了後、前述の(2)で行った事を、ターゲットマシンに対して実施します.スペシャルデバイスファイルの作成先が/mnt/dev/であることに注意。
# rm /mnt/dev/hd*
# mknod /mnt/dev/hda b 36 0
# mknod /mnt/dev/hda1 b 36 1
# mknod /mnt/dev/hda2 b 36 2
(7) SETUP時に作成したBOOTDISKで再起動し、rootでログイン。
- ESDI-HDDの場合、このままではliloがインストールされていないので、ハードディスクから起動できません。
NFSまたはftpを利用してesdi_slack-11Jan1997.tar.gzをコピーしてきます。
その後、tarで解凍します。
# tar -zxpvf esdi_slack-11Jan1997.tar.gz
これで、必要なドライバ類とESDI-HDDに対応したliloがインストールされます。
あとは、viを用いて/etc/lilo.confを作成して、
# /sbin/lilo
...とすれば、liloのインストールは終了。BOOTDISKを抜いて再起動すると、(運が良ければ)Linuxが起動します。
後は、必要に応じて、JEなどを追加していきます。