野良猫日記    May.2003       

 ガリグロ&クルミちゃん→

穀雨 ●穀物には恵みの春雨が降る頃 5/01/2003 ガリグロ

赤鈴猫が来るが、クルミちゃんは追い払わない。ガリグロと一緒に塀に登ってみている。ガリグロは耳を後ろに伏せて様子を窺っていた。

猫がやたらぺろぺろ舐めるのは、自分や相手の匂いを消す為らしい。舌がざらざらしてるのは肉をこそぎ落として食べるためのようだ。猫の歯を見れば雑食でないことが分かる。偏食家というわけだ。子供の頃の食生活で好みも変わってくるらしいが、可笑しいのは猫というと魚と思い込んでるようだが、元々は肉食なのである。

猫は水が嫌いなのに、魚と縁があるのは人間の所為なのだ。猫が川に入って魚を獲る訳ではないのである。少し考えてみれば分かることなのに、盲点なのだ。川に入ってじゃぶじゃぶ魚をとってる猫など見たこと無いのである。

穀雨  5/03/2003 君は梶川クルミちゃんなのだ

昨日は“夏も近づく八十八夜”だった。きょう近くの商店街の毎年この時期恒例のお祭“茶まつり”に行く途中、クルミちゃんを梶川さんの家の門まで、抱いて置いてきた。赤鈴猫と三毛のクルミちゃんとよく似た猫がいた。

クルミちゃんを見て、三毛は挨拶はしないもののお帰りという感じだったが、クルミちゃんは赤鈴猫に「ヒャー!」と言い、門を離れた。僕たち家族はクルミちゃんをそのままにし、階段の坂を降り、お祭に出かけた。

お祭から帰ってくると、予想どうり、馴染みの牛猫クルミちゃんが出迎えてくれて、こう言うのだった「お帰りなさい」。まあいいか。

穀雨  5/05/2003 捨て猫たちと仏教国

どうもクルミちゃんは、うちのほうが居心地がいいらしい。今日もガリグロと遊んでいる。ガリグロはアレルギーで皮膚病になったのだろうか?猫の皮膚は薄いので、皮膚に最初に影響を受けるらしい。きのう娘が観ていた『動物奇想天外』でやっていた。

女優の田中美奈子の活動が紹介されていた。タイか何処かの仏教国では、僕のような人がごろごろいて共感した。貧しくなってるなあ、日本人は…そう思った。なんかタマちゃんの右目の脇に刺さってる釣針が、日本に見えた。釣針の糸の先に日本列島のストラップが付いてたりして。でもタマちゃんは、勝手な意味付けをしたり、ワーワーやってる人間とは関係ないだろうなあ。騒いで意味付けしてる連中は、どこかビョーキ。

立夏●夏の気が立ち始める頃。若葉の季節 5/06/2003 二代目ゾロ

裏で唸りあってるので、見てみると寅吉と見かけない首輪をしたピカピカの牛猫だった。顔はゾロ似。マスク猫だ。二代目ゾロと名付けよう。

一回り小さい寅吉はにらみ合った後、二つ三つクシャミをしてから、エアコンの外のモーターにションベンでマーキングをし、離れていった。「ここはおれの縄張りなんだよ、新入りのピカピカさんよ」てな感じか。

因みに足元にあるぎざぎざの葉は、明日葉。伊豆大島から持ってきて増えたものだ。日陰で育つ身だ。この明日葉の新芽の天婦羅は絶品だ。蕎麦によく合う。新芽を根元から優しく抜いてあげると、次の新芽が顔を出している。

シロやゾロなどどうしてるんだろうと、ふと思う。

立夏 蛙始めて鳴く 5/07/2003 寅吉

ガリグロの首筋の毛に、爪が刺さっていたので取ってあげる。表面の殻のような剥がれ方である。逃げてばかりいたガリグロも格闘するようになったらしい。誰の爪痕だろうか、ガリグロも頑張っている様子。

このところ寅吉が頻繁にくるようになった(写真)。昨日ションベンをひっかけてたヤツはこいつだ。餌を食べると茶畑の森に消えていった。クルミちゃんは珍しく一日中見かけなかった。梶川さんとこへ帰ったのだろうか?見かけなければ見かけないなりに心配ではある。

立夏  5/08/2003 クルミちゃん

クルミちゃんは今日もこなかった。ガリグロはどことなく寂しそうだ。梶川さんとこから赤鈴猫が来ていた。

立夏  5/09/2003 タマちゃん

昨日、田口ランディのメルマガが来ていて、タマちゃんのことをシリアスに書いていた。

もし、タマちゃんが、何らかの理由で人間社会のルールから逸脱した行動をとった
とき、どうなるんだろうか。タマちゃんが川漁師の方の漁を邪魔したとか、タマちゃ
んが川遊びをしていた子供を襲ったとか、タマちゃんが川を流れていたバラバラ死体
の足を持ち去ったとか……。人間とは違う認識世界に生きているタマちゃんの野生が
発露したとき、タマちゃんはどうなるのかな。

 社会的な規範からちょっとでもズレたら、一般市民の暮らしに害や不利益をもたら
したら、熊や猪は撃ち殺されるし、犬や猫は保健所に連れ去られる。いまや人間だっ
て、行き場所を失う時代だ。

 個性的にキャラを立てて、かわいらしく、逸脱しないように、迷惑かけないように
してるとみんなから愛されるよ。と、タマちゃんを通してテレビが語りかけている。
ちくしょう、ざけんじゃねえ!と、なんだかむしょうに野生を露出したい気持ちにな
る。苦しくって、人間の着ぐるみを脱ぎたくなってくる。

立夏 みみず出ずる 5/13/2003 

@AB

猫の足を観ると、@のように前肢の指は4本と少し根元の方に親指の痕跡のようなものがあって5本だが、後肢の指はAのように4本しか見えない。Bは指を思いっきり開いて、指の間を舐めているところ。

小満 草木の葉が繁る●季節蚕起きて桑を食う  5/21/2003 肢〜シロのご帰還

シロが久しぶりに戻ってきた。左後ろ足に、大きな怪我を負っている。痛そうだが、歩けている。とりあえず生きててOK。おまえの名前は、出世猫として“シロ狸”という名前を与えよう。尻尾がよく観ると、そこだけたぬきの尻尾が取って付けたように、狸柄だからだ。化け損ねた狸のようである。

小満   5/22/2003 オセロ

今日もシロ狸が来ていた。ガリグロは徐々に毛が伸びてきた。快復に向かっているようだ。この顔が似ている2匹が集まるとオセロだ。

小満  5/24/2003 このごろ

シロ狸が来て、ガリグロには寂しくなくてよかったねって感じだ。シロ狸の塒は別のところにあるようだ。赤鈴猫は毎晩夜中も鈴を鳴らしながら、この辺をうろちょろしている。寅吉も来た。このごろこのメンバーが出没している。

小満  5/25/2003 太くて長いシッポのチビトラ

深夜に猫の喧嘩の唸り声。きょうは、丸々と太ったチビトラが来る。チビトラだけは、トラ3匹衆の中で見分けが出来る。尻尾がうっとうしいほど太くて長い。こいつは生命力に溢れ、逞しい根っからの野良だ。人間に懐こうなんて、はなっから考えてやしない。

ガリグロの体に白髪発見。耳毛は前から白髪だった。3,4日前、またスズメを獲ってきた。小雀で、食べずに、玩具にしていた。

赤鈴猫は昼も夜もご来店。丈夫そうな猫だ。チビトラと同様、いつも毛艶がいい。おなかぽっこり、張りがある。

ぎゃーと声がして出てみると、寅吉が茶畑の森へゆっくり消えていった。シロ狸は相変わらずこのところ、うちの周りをうろうろ。

小満  紅花栄う 5/26/2003 遊びという活気で幸せ

娘と気が合う友人Mちゃんと一輪車で遊び始めると、ガリグロがあっちへ走りこっちへ走りと、はしゃいでいた。子供たちの活気にガリグロも楽しそうだ。

動くものが好きなのである。塀によじ登っては、向こうの子供たちの様子を窺っているのだ。

ガリグロも、こんな時は幸せそうなのである。

娘によると、お腹がたるんでいる猫は健康でないそうだ。ガリグロは少し太ってきたが、腹はゆるゆるとたるんでいる。うちに来る猫で、今生きてるやつの中では一番不健康そう。

小満  5/29/2003 化け猫

きのう、化け猫から電話がかかってきて、9匹も子猫が生まれたそうで困ってるとのこと。

化け猫は、友人のたまちゃんから最近避けられている。化け猫によると、たまちゃんは最近男が出来たそうで、自分が邪魔なんだということだ。

化け猫の家には、野良猫も寄ってくるが、雄猫数匹飼っている。「どこの猫、御宅の?」と言われた場合、近所には「うちの猫じゃあありません、うちじゃ飼ってません」と言った方がいいとたまちゃんから言われたらしく、化け猫は白を切り通していたが、避妊してない雌猫が生んでしまってどうしたらいいのか、パニックになっているようなのである。

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