ものづくり 番外編 BOOK型パソコンのアップデート
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今回紹介するのは,以前に紹介したAopen製のH300BというBOOK型のケースと,BIOSTAR製のM6T−SMというマザーボードを利用したパソコンのアップデートです。CPUは余ってしまったAthlon Xpを利用したいので,マザーボードは交換となりますが,そのほかの部品は極力活用していきたいというのが前提にあります。マザーボードの交換がうまくいったこどうか,ご覧ください。 |
職場のパソコンに不満が
職場のパソコンの動きがやけに遅くなってしまいました。OSの起動はもとより,起動した後にファイルを開いたりする操作も遅く,イライラしてしまいます。窓の手などを導入して,いろいろと高速化も実行したのですが,うまくいきません。Windows 2000を利用しているので,多少の遅さはしかたがないとしても,何とかならないものかと考えていました。OSをXPにしてしまえばいいのですが,手元に2000の動くパソコンも置いておきたいという気持ちもあります。(ちなみに,現在私の使っているマシンのOSは,XPが1台,2000が1台,Meが1台,98が1台,Fedora Core3が1台です。)
そこで,「Athlon64搭載のパソコンを組んで出た余剰部品を利用して職場のパソコンをグレードアップしたい。」という欲求がにわかに高まりました。今回流用したいパーツは
・CPU Athlon Xp 2000+
・メモリー SDRAM
・ケース Aopen製のBOOKタイプのケース(H300B)
・その他,職場のパソコンで使っていたハードディスク,FDD,CD−Rドライブ
です。これらのパーツを使えるようにするためには,マザーボードの交換以外ありせん。そこで,新たなマザーボードの物色を始めました。
JETWAY 830CF
Socket A対応のマザーボードはAMDが新たにSempronを展開しているということもあって,まだまだパソコンショップで普通に買うことができます。(それに比べるとSocket 370のマザーボードは売っていないわけではないが,少なくなってきています。)しかし,これらの最新のボードはメモリーがDDR SDRAM対応のものがほとんどです。そこで,中古品を探すことにしました。Yahooオークションで探すと,MSIのKM2M Combo−L,同じくMSIのMS6378X−L,BIOSTARのM7VKL,ASUSのA7S266−VMなどがMicro−ATXのSDRAM対応のマザーとして出品されています。このうち最も魅力的なのはMSIのKM2M Combo−Lで,AGPが使えて,メモリーはDDR SDRAMとSDRAMの両方が使える拡張性の高いマザーです。私が注目してオークションを見ていた期間の中で3枚ほどこのボードは出品されましたが,人気が高く,6000円〜7000円くらいの値が付いていました。
結局,私が落札したのはJETWAY 830Cというボードです。このJETWAYというメーカーは,不勉強でほとんど知りませんでした。(そういえば以前つくば市のヤマダ電機でインパクトのある箱絵は見かけたことがありました。)DDR SDRAMは使えないものの,ビデオはオンボードでAGPバスもちゃんと付いています。オンボードのビデオを使うときにはビデオ・メモリーをメイン・メモリーの一部から拝借するのですが,BIOSで8Mから64Mバイトまで変えることができます。チップセットはSIS730Sで,SIS製のチップは初めて使うので楽しみです。もちろんLANもオンボードで付いています。
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これがJETWAYの箱絵。なかなか 斬新でかっこいい。 |
CPUクーラーがCD−RWのドライブあたる
先代のBIOSTARのボードでは電源コネクターの位置とケースの相性が今一つだったのですが,今回はもっと深刻です。CPUクーラーとCD−RWのドライブがぶつかってケースが閉まりません。Micro−ATXのボードは小さなケースに入れたりするのが前提なのですから,CPUソケットの位置とか,大きなコンデンサの位置などはレイアウトを考えて決定してほしいものです。使っていなくて遊んでいたDVD−RWのマルチ・ドライブの大きさが1cmほど短かったので,これに取り替えてみると,何とか閉まりました。しかし,黒いカバーのドライブなので,思いっきりツートンカラーになってしまいました。
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DVD−RWドライブがあと1cm長いと CPUクーラーとぶつかってケースがし まらなくなってしまう。これでもCPUク ーラーは小振りの市販品に交換してい る。 |
DVD−RWドライブだけが黒くなって しまった外見。 |
インストールは問題無し,でもなぜかキーボードが・・・・
OSは迷いましたが,結局Windows2000をインストールしました。その後,マザーボードに付属のCD−ROMよりグラフィック・ドライバー,オーディオ・ドライバー,イーサネットのドライバーをインストールしました。続いてウインドウズ・アップデートをかけてサービスパック4をインストールしました。(1から3は必要ありませんでした。)その後のアプリケーション・ソフトのインストールも問題なく終了しました。
ところが,メールアドレスを設定しているときに”@”を押しても”「”が出てきてしまいます。コントロールパネルからキーボードを開き,ハードウエアを確認すると,キーボードがなぜか英語用のものになっていました。日本語キーボードのドライバをインストールし直すことでこの問題は解決しました。
Windows 2000の高速化に挑む
次に着手したのはWindows 2000の高速化です。細かいチューニング法はいろいろとあるのでしょうが,手っ取り早いのはチューニングソフトの導入です。 Win高速化 PC+ Version 1.91というフリーソフトを使って,いろいろ設定を変えました。(ホームページはhttp://www.asahi-net.or.jp/~vz6t-iwt/)Windows2000の高速化についてはいろいろなサイトで論じられています。例えば,Windows2000・Xp パフォーマンス向上の手引きというページに掲載されているような内容も,このソフトで大部分カバーできてしまいます。
それから,フォントのインストールも今回は少なくしました。また,意外と効果のあったのがデフラグです。大して使い込んでもいないのに,すべてのソフトをインストールした段階で確認すると,かなりファイルの断片化が進んでいました。デフラグをかけた後で,起動は速くなったように思います。
ベンチマークの比較は
ベンチマークの結果は表2の通りです。さすがにCPUの演算能力は倍以上の性能を示しています。メモリーやハードディスクへのアクセスもかなり向上しています。しかし,ビデオの性能はIntel815の方が分がいいようです。この辺は,AGPバスがありますので,ロープロファイル対応の控えめのグラフィック・ボードを探してきて差してやりたいと思います。(AGPスロットに関してはチップセットの仕様により制限あり 制限内容:NVIDIAのRIVA TNTシリ−ズを搭載したビデオカ−ドのみサポ−トという記事を見つけました)(でも,他社のビデオカードを差して動かしている記事は多数見かけます。)
表1 パソコンの仕様の比較
4号機 | 4号機改(今回改造) | |
マザーボード | Biostar M6T−SM | JETWAY 830CF |
チップセット | Intel 815E | SIS 730S |
CPU | pentiumⅢ 733MHz | Athlon Xp 2000+ |
メモリ | SDRAM192MB(CL=3) | SDRAM320MB(CL=3) |
グラフィックボード | オンボード | オンボード |
HDD | 40GB(ATA/100) | 40GB(ATA/100) |
表2 HDBENCH(Ver3.22)による主な性能の比較
4号機(以前紹介) | 4号機改(今回改造) |
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ALL | 16880 | 24591 |
CPU整数演算 | 33389 | 73983 |
CPU浮動小数点演算 | 33269 | 86926 |
メモリーRead | 12183 | 14487 |
メモリーWrite | 12994 | 15606 |
メモリーReadWright | 18211 | 23344 |
ビデオ矩形 | 17933 | 11357 |
ビデオテキスト | 13377 | 12797 |
ビデオ円 | 4976 | 4871 |
ビデオBitBilt | 88 | 80 |
ビデオDirectDraw | 29 | 20 |
ハードディスクRead | 26562 | 32978 |
ハードディスクWrite | 25567 | 30073 |
ハードディスクCopy Drive | 2388 | 2990 |