発行日: '99年 6月 6日(日)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.679

CBCテレビ取材撮影報告

取材撮影日時
1999. 5.22(土) 4:30-17:00
5.23(日) 5:30-10:30
放映予定
1999. 6. 17(木) 19:00-20:00
「名古屋発 そこが知りたいBest」
レポータ 鉄崎氏(ミックスパイ…)
製作 中日本製作所
プロデューサ 増田達彦氏

1.取材と放映の趣旨(企画案)

生き物名古屋紀行 - 都会で健気に生きる野生の命

『…ひょっとしたら、わたしたちが知らないだけで、わたしたちのすぐ身の回りにも、貴重な生き物が健気に生きているかもしれません。そう、私達が知らないだけで。そこで中部地方の大都会である名古屋で、人知れず健気に生きる「野生の生き物」たちにスポットを当てて、その暮らしぶりをつぶさに見てみませんか?』

そんな目的で、名古屋の平和公園の「トウキョウオオサンショウウオ」の生息、庄内川での野鳥、相生山緑地・大森湿地の「ハッチョウトンボ」、堀川に生きるカワセミ・魚、チョウチョの異変、そして我々リス研の野生のニホンリスについてが、その内容となるとのこと。哺乳類としてはニホンリスが唯一で今回の目玉になるとのことであった。

2.撮影計画

リスの映像がぜひ撮影したいと言うことで、早朝日の出(4:40)には集合して、5:30には現地で撮影体制を整え、午前中一杯撮影し、撮影できなければ、2:30pm〜4:30まで追加する。それでも撮影できなければ、予備日として5/23(日)を前提にする。

今回は、守山リス研究会の活動紹介というイメージより、大都会である名古屋近辺の里山や都市公園に生息する野生のニホンリスの紹介で、わかりやすく学術的にもならないようにするというもの。

3.5/22(土) 撮影当日の様子

15℃ 50%

予定通り、レポータの鉄崎さん、増田さん、種田さん、Kの4人で、5:00に3番給餌台の隠れ場に息をひそめて定点撮影開始。

8:30まで観察するがリスは出現しなかった。鳥ばかりだった。

8:30に音声担当の人、Uさん、Ktさん、Nさん一行と合流。

  1. Uさんによる、小型のリスの巣の説明
  2. Ktさん、Koちゃん、Hくんによる実巣材の説明
  3. 給餌台のクルミの計測と給餌状況を撮影(No. 2, 9, 11)
  4. 途中で、樹のくり抜かれた古木の洞(ムササビかフクロウ)撮影
  5. リスの枯れスギや枯れヒノキの皮ハギ撮影
  6. 参道を登っている様子撮影
  7. 自動撮影装置の所での撮影
  8. マツ枯れでかなり倒れた「マツの墓場」撮影
  9. 給餌台9番での、リスの食べ散らかしたクルミの滓の様子撮影
  10. アカマツの樹のリスの巣の撮影(高さ約20m)

4:30までねばるが、とうとうリスは「出現」しなかった。

4.反省打ち合わせ

過去のデータから撮影や定点観測は、大抵一人であったことを説明。この事から人数が多すぎたのではとの判断から、鉄崎さんより「人間がじっとしているのも限界があるから、たくさんのビデオと三脚を用意して、各給餌台の前に設置してビデオを回りっぱなしにして、人が誰もいないようにしないと臆病でだめなのかもしれない」との提案があり全員同意した。明日は4台のビデオを三脚等で固定し、1時間毎にフィルムのチェックを2回程実施する事になった。それでも撮影できないときにはリス研でビデオを同様にウィークデイに設置して撮影することも検討することになった。

5.5/23(日) 撮影状況

16℃ 76%

昨日の反省より、時間も5:30集合で6:00から撮影開始。

ビデオの設置は、No.2, No.9, No.3, No.11の4ヶ所を選定。

道を登りながら2番給餌台に1台(鉄崎さん個人所有デジカメ)設置。(距離3mで、かなり給餌台をアップにして設定)さらに、9番給餌台(ムササビの巣の西側)にKyの個人デジカメを三脚で設置。11番給餌台にはポータブルデジカメを自動撮影装置の箱の上にガムテープで固定。毎回「どうかリスが映りますように」と鉄崎さんが祈りながら設定する様子を同時に撮影した。3番給餌台には、カメラマンと音声の二人が少人数で撮影することになった。

自動撮影設置はほぼ6:00から6:15にすべて完了。鉄崎さん、増田さん、Kyは、東谷山頂上で、休憩しながら、他のテーマの撮影のこと、リス研の現状、今後の活動について懇談した。1時間後に9番、11番、2番の順に確認して、撮影されていなければ再度実施を前提に、その場で巻き戻しサーチで確認した。

9番台のクルミの数を数えて、減少していないため撮影されていないと思われたがビデオを巻き戻しサーチし、想定通り空振りであった。11番台も同様に、数を数えてみたら1個減少していたが、それでも悲観的な印象であった。階段の所で、座りながら増田さんが巻き戻しサーチして数分「やった。撮影できたぞ。」と歓喜の声をあげた。

(放映上は、11番給餌台での確認を鉄崎レポーターとKがやって、歓喜の声を出す場面をカメラに。)良かった。全員ほっとした。頂上に戻り、3番台へ携帯電話すると、「3番台でも撮影できた」との朗報が。状況を詳しく聞くと「カメラマンが、トイレに行きたくなりビデオを自動にして、その場を離れて4-5分で戻って巻き戻しサーチで確認したところリスの姿が撮影されていた」ということであった。

6.重要な教訓

今回の撮影で、かなり重要な教訓が確認できたと思われる。

  1. 今回撮影に成功した方法は、いろいろな野生生物の撮影に有効であること。できるだけ長いテープで、長時間撮影できるバッテリーを備えればさらに良い。今年の秋から冬には、7-8台のビデオを給餌台に設置して、同様な調査を実施して、時間と出現場所の確認や個体識別までできるならば極めて有効な方法と思われます。購入しなくてもレンタルで2日ほど借り入れることでよいと思われます。
  2. 11番給餌台での撮影も「人間がその場を離れて数分の単位で」出現していること。特に、3番給餌台ではカメラマンの予期せぬ不在というピンポイントとでもいうような時間-数分を見計らってリスが、出現していることは、昨日の状況から「偶然の出現」とはとても思われないことから、「リスは人間の行動をジーッと隠れて見ており、いなくなったら直ちに現れる」ということが確認できたと思われる。姿、色形ともにとっても綺麗なおとなのリスであった。

6/17の夜7時「名古屋発−そこが知りたい」での放映に乞うご期待。

収録風景

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