放し飼い施設は、広さ約700平方メートル(20mx35m)で、高さ5メートル程の格子状の金網で囲われていて、上部にリス返しが備えられています。天井にあたる部分には細いピアノ線が10cm間隔くらいで縦横に張られ、空からのカラスやトンビ、タカの襲撃を防いでいます。入り口は二重扉になっています。
シマリス約200匹・エゾリス約30匹が施設内に放し飼いにされています。施設と隣接する飼育舎には巣箱が240個程あって、施設と自由に行き来できるようになっています。リスたちは、好きな方で冬眠・繁殖をしていて、子供は何匹生まれているのか分からないとのことです。
この子は手に乗ってきた
何を食べているのかな
受付でヒマワリの種を100円で購入して、施設内のリスたちに与えることができます。入り口を入ったとたんに、シマリスが横を走って行きました。手に種を持ってしゃがんでいると、シマリス・エゾリスが寄ってきます。寄ってこない子もいます。手から種を受け取ると、その場で殻を剥いて食べるか頬袋に貯めるかして立ち去ります。手の上に乗ってくるリスは、ほとんどいませんでした。片手に種を持って、もう片手に乗らなければ種を取れないようにすると、シマリスは手には乗らずにあきらめてしまいます。一瞬だけ手に乗っても、それを持ち上げようとすると逃げてしまいます。1匹だけ、平気で手に乗ってくるシマリスに遭遇しました。
エゾリス
放し飼い施設のシマリスは、この日に見た限りでは、人を怖がらずに餌を受け取る子が多いけど人の体に乗るほどには慣れていない、という感じでした。エゾリスも、同程度に人に慣れていました。
この日のリスたちは、頬袋がパンパンなのにまだ餌を受け取る子、土を掘って餌を埋める子、土を掘って餌を取り出して食べる子、餌台の餌を食べる子、木を食べる子、といろいろでした。追いかけっこをしている子もいれば、のんびりひなたぼっこの子も。金網を高く上ってへばりつきながらおしっこをするエゾリスもいました。
鳴いているシマリス
シマリスが甲高い声で「プルルップルルッ」と鳴いているのが聞こえました。金網を高く上った所で動かずに鳴いていました。うちのシマリスが発情期と恐怖時に鳴くのと同じ声です。しっぽが警戒を示していなかったので、恐怖で鳴いているのではないようでした。発情にしては、また時季外れな気がしますが。しばらく後に見てみると、そのシマリスはいなくなっていました。
シマリスの巣穴
ここに餌が置かれている
お客さんの中には、「大きなリス(エゾリスのこと)が土に埋めたヒマワリの種を掘り起こしたら21個もあった」と言って持って来ちゃった人もいました(リスかわいそ〜!でも、リサイクルでたくさん種をあげることができて、いいかも)。土に餌を埋めているシマリスの背中をいい子いい子してる子供もいました。
施設内には、松と杉が植えられています。リスたちは木の実・葉・樹液などを食べます。松は、芽まで食べられて、どんどん枯れてしまったそうです。杉は、芽があちこちから出てくるので大丈夫だそうですが、3回植え替えをしているそうです。現在は、松が4本(どれも半分くらいハゲている)、杉が約30本ありました。
この施設の開園当初は、エゾリスではなくて、ニホンリスが放し飼いにされていました。元々はニホンリス主体のリス園としてスタートしたのですが、ニホンリスはどんどん弱って死亡してしまい、開園前には繁殖によって約70匹にも増やしていたものが、約20匹に減ってしまいました。みな弱ってしまっているため、現在は、別の場所にある施設で飼育されており、増殖を試み中とのことです。繁殖はうまくいっていないそうです。ニホンリスの死因は、獣医による解剖でも判明しないとのことです。