東山動物園「小鳥とリスの森」訪問レポート - 2/3

放し飼い施設

放し飼い施設は、広さ736平方メートル、最高部の高さ16メートル程の、格子状の金網で囲われています。入口と出口は二重扉になっています。施設内には、木々が植えられ、小川が流れています。その中でニホンリスと小鳥たちが自由に暮らしています。巣箱と給餌台が設置されていて、ニホンリスと鳥たちが利用しています。


[写真:警戒中2]

最初に発見したリス。警戒中で動かない。

[写真:警戒中]

2番目に発見したリス。同じく警戒中。

[写真:給餌台]

給餌台。鳥も利用している。

【観察レポート】

この日、10:30ごろ園に到着。午前中に活動しているのを見ることができたニホンリスは、3匹。最初に発見したときは、囲いの天井の上でカラスが鳴いているのを警戒してか、2匹が身動きひとつせずに静止していました。見ているうちに置物ではないかと思ってしまいました(鳥の置物はあった)。だいぶ経ってから、瞬きをしたので、本物であることが確認できました。午前中は、3匹ともひなたぼっこなどをしてのんびりと過ごしていました。それぞれにお気に入りの場所があるようでした。休憩中のニホンリスが後から来たニホンリスに場所を追い払われる場面を数回見かけました。追い払った方は、その場所でくつろいでいました。


[写真:お昼寝中]

ただ今休憩中。

[写真:毛づくろい]

起き上がって毛づくろい。

[写真:屋根の上]

屋根の上は、ひなたぼっこに最適。鳥もいる。

昼頃には、活発に動くようになってきて、姿の見える数も増えました。走り回ったり食事したりしていました。ここのニホンリスたちは、人に馴れてなく、人が近づくと逃げてしまいます。午後には、少し警戒心が弱いリスも出てきて、かなりそばまで近寄ることができました。ですが、触ることは無理でした。給餌台のヒマワリの種を食べたり、リスの通る場所に置かれた果物を食べたり、草の実を食べたり、川や池の水を飲んだり、樹皮を剥がして食べたり、土を掘り出して何かを食べたり、といろいろでした。低木に貯食してあったクルミを別の木の又や土の中に貯食し直すのも数回見かけました。


[写真:木を食べる]

この樹の皮を剥がして食べている。

【リスの飼育スタッフの方から聞いた話】

放し飼いのニホンリスは、自由繁殖されている。そのため、正確な数を把握するのは難しいが、推定で、現在20匹くらいであると思われる。(ちなみに、1997年には11匹、1998年には13匹のところに3匹産まれたとのこと。)繁殖は毎年1回しているようで、1匹が1回に1匹を出産、全体で年に2〜3匹の子リスが誕生しているようだ。交尾が確認されている。


[写真:リンゴを食べる]

通りすがりにリンゴをシャクシャク。

餌は、クルミ、ヒマワリの種、ドングリが中心。果物(キウィ、リンゴ、ミカン)も食べる。たまにニボシも与える。鳥用に撒いているミルワームも食べている。また、鳥用に撒いているヒエ・アワ・キビから出た芽を食べている。ヒエ・アワ・キビそのものは、食べない。木の芽や草の実なども食べている。(この日、木の皮を剥がして食べているのを何回か見かけました。齧っていただけかもしれませんが。)


[写真:杉の皮]

杉の皮が置かれている。

巣は、そこここに設置された巣箱を利用している。施設の高い場所の鉄骨の隙間にも巣を作っている。それぞれのリスに決まった巣があるようだ。木には巣を作っていない。巣材は、園内に置かれた杉の皮や、鳥用に用意しているミズゴケを使っているようだ。

活動時間は、夏の間は涼しい時間(午前中)、秋と初冬は1日中活動していることが多く、寒くなるとまたあまり活動しなくなる。



← ひとつ戻る   ひとつ進む →
「リス園訪問レポート」に戻る
アリスの国の入り口へ
おたよりお待ちしています