グリップガード顛末記

神奈川支部 M003:宝積 敦



ちょっと古い話ですが今年の初め(2月)に防寒対策として、グリップガード(ヤマハ純正部品 XT225、DT200R 等用)をTDM(91年式)になんとか取り付けて、通勤やツーリングに使ってみましたので書いてみます。

取り付けた経緯:
元はといえば指が寒くて指先の冷えないグラブを捜してはみたものの、操作性と相反する要素だけに満足のいくものがなかった(そのグラブがどれくらい暖かいか使ってみないとわからないのも見つからない理由のひとつでは有りますが。)。次善の策として見えを捨ててハンドルカバーがある訳で、捨てたとは言っても少しでも見栄えの良いものを選んだところがR&Rの製品でした。(R&R:ラフ&ロードの略)R&Rに行って色々聞いたところ「カバーが大きめに作ってあるので内側からブッシュガード等で支えないとレバーやスイッチの操作に問題が出るかもしれない。また、TDMは想定されていないのでそれ用のガード類が無く、1品もので作らざるを得ないので費用がかさむ。」と親切な答えが帰ってきたので、素直にその場での購入を断念。それならばとヤマハ純正オプションカタログで何かないかとめくって見つけたのが今回購入取付したグリップガード(XT225他用)です。左右各々のレバーの根元で支えられた樹脂製の泥よけみたいなものです。レバーのエンドには支えが無くて開放されているタイプです。

購入したもの:
ヤマハ純正オプション品

グリップガード(XT225他用) 定価 2,000円
黒色(他に”紫”、”白”。価格は皆同じ。)


取付:
クラッチ側とブレーキ側にわけます。
(以下、グリップガードでは長いので”カバー”と略します。)

●クラッチ側:
クラッチレバー回転軸の位置はカバーのそれ用の穴とTDMのレバーホルダーでズレは無く、とりあえずカバーを被せるのに邪魔なものだけ取り去れば後は固定を何とかすれば割と簡単に付きそうです。邪魔なのはクラッチスイッチとそれを動作させるクラッチレバーの突起です。クラッチスイッチは取外して余ったコネクタをショート(しておかないとセルがニュートラル以外で回らないので。)してハンドルに沿って伸びてきているハーネスに水に濡れにくいようにして留めます。クラッチレバーの突起は金鋸とヤスリで大体平らになるように切り取り仕上げます。これでカバーが正しい位置に被せられます。

正規の取付では被せた上にレバーホルダーに開いた貫通穴にネジを通してカバーをホルダーに固定するのですがTDMのレバーホルダーにそんな穴はありません。(セロー等も同じです。そのためにレバーホルダーの付属品が付いてくるのですから。これが余ったので1万番の景品になりました。)せっかくカバーの上下(裏表?)に穴があるので、そこにタイラップを通してハンドルを跨がせて固定としました。(タイラップの通し方は上の穴に上から通して後ろへ向かい、ハンドルの後ろ側を上から下へ回して前へ向かい、下の穴の上から下へ、そこからまた後ろへ向かって、ハンドルの後ろ側を下から上へ、上の穴の上で一回り。と一応書いておきます。想像して頭がウニになっても責任は負いません。でも、わかりにくくてごめんなさい。)

一応取り付いた位置は本来の車両に取り付けた時の位置とそれほど変わりないようです。

●ブレーキ側:
こちら側はTDMのレバー部の厚みが本来のセロー等の倍近くあってかなりキタナイ取付になります。(このレバー部の厚みの違いはM002安藤さんも言われていました。)正規の取付ではブレーキレバーの回転軸を長いものに交換して、さらに座をかましてカバーを回転軸1本で保持します。1本では回転してしまうところをブレーキのリザーブタンクにカバーの角を当てて止めています。(長い回転軸や座はカバーの付属品に入っていますがもちろんTDMに取り付ける際には使えない代物です。)

まず、カバーをレバー部へ被せる算段ですが、レバー部の厚みが違うのはカバーの一部を切って曲げて逃がしてやるしか無いようです。幸いカバーの材質がかなり軟らかいので切ったり曲げたりはニッパとプライヤで楽に出来ます。ここで厚み方向の位置(カバーの上の面をレバーホルダーに当てるか、それとも下の面にするかです。)を上基準にしました。これはレバーとグリップの位置関係からレバーホルダーとカバーの上面を当てた方がより本来の位置に近いように思えたからです。(路駐しているセローやTTを色々見て、取付の具合を勉強しました。なにせ、オフ車と言えば高校生のころにXE50に触ったのが最初で最後。)で、おもむろにニッパを持ち出して、カバーの下面のレバーホルダーとオーバーラップするところへ切り込みを入れ、プライヤで曲げて、を3回ほど繰り返していいところで強引な作業は終わりです。これでカバーはそこそこ安定して、なお且つ、レバーの回転軸にカバーの上の穴がうまく入りました。(どこをどのように切って曲げたかはうまく書けないので省略です。ごめんなさい。)カバーの平面的な位置は本来の車両に取り付けた時よりも1cmくらい前(ハンドルから遠ざかる方向)になっています。これはレバーの回転軸のレバーホルダー上での位置が本来の車両のよりも端に(前に)寄っているためです。このままではちょっと効果が薄れるかもしれないので開いた1cmくらいの隙間に詰め物をしてカバーをレバーの回転軸周りに上からみて時計方向に少し回転させました。こうすることで少しカバーがブレーキレバー(当然ハンドルにも)に近づきました。

あとは固定です。固定はレバーの回転軸にカバーの上の穴が入っているのを利用して回転軸を少し長くすることでより安定させて、あとはタイラップで押えます。タイラップは2本(2個所)通します。1本はブレーキのリザーブタンクの右側面からハンドルの上から後ろへまわり、ハンドルの下からブレーキスイッチとブレーキマスターの隙間を抜け、カバーの下面の穴(本来回転軸で固定されるところ)を通して上へ行き、リザーブタンクの右側面へつながります。もう1本は、カバーがレバーホルダーから少し浮いているところにマイナスドライバーを熱して上下の面にタイラップの通る長四角の穴を開けたところとハンドルのセルスイッチケースとレバーホルダーの間を通します。

効果:
2/10と12の通勤に使ってみました。あまり冷え込んでいない(最低気温が4度くらいだった)ので効果が解り易いようにと夏用のオフのメッシュグラブで走りました。(因みに通勤は国道1号をメインに22km程を1h弱です。)

防風効果はありました。通勤でそれほど速度の出ている時間(出ても7〜80km/h)が長くないせいもありますが冷えたのは手の甲が主で、肝心の指先は少し寒いくらいで済みました。運転中、操作に影響がでることもなく(むしろ操作性が良すぎてちょこまかとすり抜けてしまう・・・。)、とても夏用のメッシュのグラブでとは思えないくらいです。すり抜けに支障が出るかなとも思いましたが意外と大丈夫です。路肩でなくて車線間のすり抜けでハンドル幅みっちりにミラーが来たりするとハンドルを切って右左に逃がすのですが、その時にちょっと気を使うくらいでそれ以外は問題無しでした。(路肩の植え込みが手に当らなくなったのは本来のグリップガードの効果でしょうが、助かりますです。)

2千円(カバー)+100円(ブレーキ回転軸を長くするネジとブッシュ)ならコストパフォーマンスは問題無し、お釣が来るかな。

ちょっと残念なのはレバー部に取り付ける形のカバーなのでそこに向かってカバーが絞られていてグリップの付け根近くにある親指、人差し指に多少風が来る点です。このためもあってか80km/h超える速度ではさすがにそれ以下の速度域ほどの効果はありません。でも、直接走行風が当たらないだけでも大分違うことは違います。ぬゆわkm/hまで瞬間的には出してみましたが、後ろへたわんでは来ますが外れたりはしませんでした。また、見た目にオフ車っぽくなるのと取付のキタナさが難点です。まぁ、取付がタイラップなのでその時の気分で付け外しをすればいいかなと思っています。取付は意外と持ちそうです。ハンドルの震えにシンクロしたりするとちょっとぶれたりしていますが外れる気配は全くありませんでした。


因みに、思ったよりグリップガードに防風効果があったので本題のハンドルカバーは
ちょっと頭の中から出て行っています。


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