悠の章−3『決意』


 

 

 ローラは血の付いた全身をタオルで拭いた後、セリーヌの荷物を漁っていた。

「やっぱり! セリーヌさんは運が良いからいい武器を支給されてると思ったのよ」

セリーヌの支給武器であった拳銃を懐に入れる。

ローラはセリーヌの亡骸を見つめた。

「セリーヌさん、あたしまだ恋もしていないの。新しい世界が始まってまだ2年しかたっていないの。

だからまだ死にたくないの。セリーヌさんは優しいから許してくれるわよね」

 

亡骸は何も語らない。

 

「あたし優しかったセリーヌさんが大好きだった。もう行くね」

 

ローラはドームから真直ぐに伸びる林道を歩き出した。

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