丸帆亭 萬釣報 #39_1 2000.4/21 更新                   
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いささか古い情報ですが、重要と考え、新ページにまとめました。
 一つは、3/14の国会、参院環境委員会での緒方議員の質問議事録で、
環境庁の環境アセスがたとえ50h以下の場合でも、適応される可能性を示したものです。
長文ですので、別途、TXTファイルにてお読み下さい。
 もう一つは去年のつり人9月号の記事で、今後開催予定のハゼサミットの
主軸となる記事です。本誌売り切れとの事で、表や図面なしですが、お読み下さい。
【江戸前の海十六万坪(有明)を守る会】活動報告!!。
4月11臼(火)世話人4人と地元東雲に住む相原さんが都議会民主党の竹下、和田、林、馬場
さんの案内で民主党衆議院議員で運輸委員会に所属する玉置一弥、高木義明、奥田建、今田安
野保典、佐藤敬夫、永井英慈、前原誠司の7氏に対して、有明貯木場(十六万坪)の埋立中止
を求める要請を行った。
当日は、衆議院本会議があり、議員本人には面会出来なかったが、秘書の方に。「シンポジウ
ム報告書」等、資料を渡すと共に、それぞれより訴えを行った。

ウオーターフロントへの展望
つり人`99 .9月号より
かつて東京湾は、その地域に住む人々に、生活の
糧とは別に、潤いと安らぎを与えてくれる場所で
あった。
ところが、企業による海辺の埋立や立入り禁止措
置などにより、しだいに人々は東京湾に無関心に
なっていった。しかし今、東京湾のアメニティー
価値が大きくクローズアップされている。疎遠に
なってしまった人と海を、再び結びつけるもの、
それがマハゼなのだ
  釣り人は、東京湾と市民のインターフェース
昭和30年代、東京湾の湾岸には、四季折々の庶民のにぎわいがあふれていた。当時は、経済
的、物質的に恵まれているとはいえなかったが、そこに住む人々にアメニティー、つまり憩い
と安らぎを与えてくれていたのが東京湾であった。春の潮干狩り、夏の海水浴、晩夏から初冬
のハゼ釣り。これらは、身近に健全な海があればこそ成立した”安.近.短”の大衆レジャー
であった。
 確かに、高度経済成長は日本を豊かにした。しかし、埋め立てによって重化学工場
や港湾施設に占拠された湾岸からは、市民と生物のにぎわいが失われた。長年にわたる市民と
東京湾の断絶の結果、湾岸のほとんどの市民は、東京湾の存在すら意識することなく生活する
ようになってしまった。
 バブル後の長引く不況、心配される地球環境問題。今、求められているのは、モノの豊かさ
ではない。藤前干潟の埋立撤回、三番瀬埋め立て計画の大幅縮小などを引き合いに出すまでも
なく、世の中の価値観は大きく転換しようとしている。
 現在、専門家の間では、東京湾のアメニティー価値は高く評価されている。こうした流れの
なかで、合意なしに一方的に身近な海を奪われた市民が、失われた東京湾とのつながりを取り
戻したいと望むのは至極当然である。
 すでに各地で、人工海浜や臨海公園が建設され、親水空間は着実に増加している。それらす
べてで釣りや潮干狩りが楽しめるわけではないが、自ら海の幸を獲って食べる経験が市民に広
がれば、東京湾と市民との精神的距離は縮まっていくはずだ。ここで、すでに魚を求めて東京
湾へと繰り出している釣り人の存在がクローズアップされる。
 釣り人は、東京湾の豊かさともろさ、そしてかけがえのなさを肌身に感じている。東京湾と
市民との関係を再構築する上で、橋渡し。又が期待される重要な存在なのである。

夢のウオーターフロント像
 東京湾と市民を結びつけるため、21世紀に普及してほしいウオーターフロントのレジャー
が、かつて大衆レジャーだったハゼ釣りである。マハゼは、都市に隣接した内湾の岸辺に住
み、塩分の変化や有機汚濁にもよく耐える。ハゼ釣り全盛期の東京湾は、決してよい環境だっ
たわけではない。シラウオやアオギスといった汚濁に弱い魚はすでに姿を消しつつあったし、
埋め立てもそこそこ進み、岸辺の多くは護岸で固められていた。
 しかし、自然に適度な人為が加えられることによって増える生物が知られている。ホタルを
はじめとする里山の生物の多くがそうなのである。最近、人間との伝統的な関係が良好に保た
れている海のことを、里山になぞらえて”里海”と呼ぶことが提唱されているが、まさにマハ
ゼは、里海を代表する生物だ。
 過度な人為的環境改変がなければ、100年先、1OOO年先まで人間と共存共栄できるはずの
魚である。里海の魚には、クロダイやスズキを加えてよいだろう。どちらも人気の釣りの対象
魚で、環境要求はマハゼとほぼ同じ。しかも、マハゼをエサにする。したがって、マハゼが増
える環境を保全して復活していけば、クロダイとスズキの将来も安泰なのである。
 誰もが手軽に楽しめるハゼ釣りとともに、奥の深いクロダイ釣り、スポーティーなシーバス
フィッシングもますます盛んになる。家族連れ、孤高のベテラン、若いルアーマン。多様な市
民で海辺がにぎわう。私は釣り人としての願いも込め、こんな夢あふれるウオーターフロント
像を21世紀に描いている。
ただ、海辺を開放すれば、ハゼ釣り場になるわけではない、
産卵場に適した水深、地質があり、幼魚が育つ浅い干潟が
あることが絶対条件になる

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