東京都勤労者つり団体連合会より、下記の決議報告を頂きました。
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有明北・旧貯木場の埋め立て事業の中止を求める決議
東京都は昨年9月13日に、有明北地区の旧貯木場の埋立工事を強行しました。
昨年来の海上デモやシンポジウムを通じて「ハゼの生息場所を守れ」の声は、東京湾岸にひろがり、著名な自然保護団体も意見を表明するなどの動きに発展し、運輸省が即座には認可を下せない状況をつくりだしました。しかし東京都は、この批判に答えられないまま事業認可前に工事請負契約を結ぶなどの不当な方法も使って、工事着工を急ぎました。
着工後の9月19日に「16万坪を守る会」では石原都知事に対して埋立の中止を求める申し入れを行いましたが、都はこの回答を2ヶ月もたってから行い埋立の「正当性」をあれこれ主張しました。その回答がもつ重みはありません。加えて、これまでの様々な要請の内容が、石原知事に伝えられていないことが判明しました。テレビ番組では何をさておいても気軽に発言の場を求める知事が、都民の声には耳を貸さないという態度が明確になりました。
臨海部開発の財政破綻を「解決」するため都は、埋立・羽田沖埋立事業会計と臨海副都心開発会計を統合すると伝えられています。これは正に非民主的な財政運営であり、こんなことで赤字を隠すというやりかたは言語道断です。「どんぶり勘定」の手だてをとることが何より開発の「正当性」のないことを示しているといわざるを得ません。都の少なくない退職幹部がこれに関係する建設会社に天下りしているという事実もあわせ、都政の行く末が反都民的に運営されることは許されないことです。
「ハゼの生息場所」がそのことだけではなくて、限られた場所ではあっても、残すべき自然であることは、東京湾の漁獲量がかつて20万トンあったものが、現在5万トンにまで落ち込んでいるという事実で明らかです。水産関係の専門家は、東京湾の埋立開発が止まっていることによって、様々な魚種の稚魚が蘇っていると発言しています。木更津市では小櫃川河口干潟を「自然環境保全地域」指定することに前向きの姿勢をとっていますし、三番瀬干潟埋立問題では環境省が千葉県の埋立計画の見直しを求める意見を表明しています。東京湾内部でも、こうした自然環境の保護・保全についての積極的な動きがすすめられているときに、「東京から発信する」東京都が後手に回っては、後世に禍根を遺すことになるでしょう。
東京都がこれまでバブルを主導する「開発事業」を推進して失敗し、そのツケの解決をせまられているときに、なおその同じ手法をとってキズを深くし、都政を抜き差しならない方向へ導くことは避けるべきです。「16万坪」埋立工事の中止と計画の見直しをするよう総会の名をもって表明するものです。
東京労釣連は、釣り場とその自然環境の保全・保護のため引き続き行動をしていきます。
2001年2月25日
東京勤労者つり団体連合会第33回総会
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※ 掲載が遅れまして、申し訳ございません。(丸帆亭)