[江戸前の海十六万坪(有明)を守る会]
情報、其之弐拾弐  2000.10.23
[ 港湾局に再度工事中止の申入書、提出
[ 
十六万坪、破壊の愚行!Vol.2
[ 
護岸デモ レポート
とらじゃレポート VoL.2.3.

 
都港湾局長に、工事中止と公開の話合いを求めての申し入れ
 

 

本日19日、東京都港湾局長 斎藤哲哉氏に宛てて、”江戸前の海十六万坪(有明)を守る会”を中心に、工事中止と公開の場での話合いを求める申入書の手交が行われました。
着工からひと月、急ピッチで進む十六万坪の破壊工事を何とか止めたいと、
会のメンバー他10人が港湾局を訪れ、安田 進会長をはじめ、つり人社鈴木社長、世話人の中野、加えて、地元自治会代表も参加、
日本TVの取材班も加わり、二時間近い申し入れ行動となりました。

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         申 入 書 

  東京都が多くの人々から江戸前の海「十六万坪」の愛称で親しまれている水域有明貯木場埋立工事を強行着工して一ヶ月以上が経過しました。
工事の着工に対し九月十九日、十六万坪の保全と埋め立て中止を求めている「江戸前の海十六万坪を守る会」は、知事と工事を強行した関係局と業者に対し強く抗議するとともに、「十六万坪(有明貯木場)の埋立て中止と計画の見直しを求める申入書」を提出しました。
「申入書」について都知事並びに港湾局長はこれを読み、検討されたのでしょうか。私たちは埋立ての必要性、環境問題、水生生物等の保全などに対する配慮など埋立事業がもたらすリスクに対して慎重に対処することを求めたものです。
知事には私たちの申入書を読んでいただいたのでしょうか。局長は申入書の内容を十分に検討していただいたのでしょうか。都民の声をどう受け止めているのか、結果が知りたいのです。
 一度埋めた水辺環境はもとにもどすことは不可能です。いまならまだ間にあいます。当面、工事を中止して十分な調査と再検討をすべきです。
 私たちは十六万坪の保全、埋立工事の即時中止と計画の再検討(見直し)、関連の環境アセスのやり直しを再度求めるとともに、次のことをお願いし、早急に回答を求めるものです。

1. 環境問題、財政、街づくりなど、埋立事業に対する知事の考えを知りたいのです。知事と話し合える場を設けてください。
2. 埋立ての必要性、住宅・道路建設、環境問題、水生生物の保護と自然環境保全に関する問題、まちづくり計画、埋立事業に関わる財政問題など、私たちの危惧する問題について、都はまともに対処、検討しているとはいえません。先に例示した事項を中心に、私たちの会と港湾局をはじめ関係局による「公開討論会」を開催し、都民に広く事業に対する関心と埋立てに対する是非などについて問いかけるべきです。局長出席のもとで「公開討論会」を開催してください。開催時期は、準備期間を考えると11月中旬が適当と考えます。

2000年10月19日
江戸前の海十六万坪(有明)を守る会
会 長   安田 進      

東京都港湾局長
   斎藤哲哉様       
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また、現地では、連日午前中に行われている会所属の船宿の海上デモに呼応して、護岸からの当会と地元自治会合同の反対表明シュプレヒコールも行われ、あらためてこの無謀な埋立着工にあくまでも抗議し、「守るべきものは声をからしても守る」という、強い意志を表明するものとなりました。
"10/19 護岸デモ”レポート  (とらじゃレポート Vol.3)
 Am9:30、当会・地元自治会メンバーが一丸となって工事作業船の前に立ちはだかり、埋立に対する反対表明を開始。
 メンバーそれぞれが自分の立場、思いから反対を訴える。環境、生態系、公共事業、教育、文化継承など様々など問題点を投げかけ、シュプレヒコールとともに力拳が高々と挙げられた。

 ハゼ代理人も反対に参加。「住みかを奪うな!殺さないで!話を聞いて!」と。
反対運動の最中にも工事が進行していく。参加者全員「絶対諦めない!」と更に力がこ
もり、海上デモ船に手やプラカードを振ってエールを送る。
「一緒にガンバロー!」


 陸地の反対運動の場所とデモ船のコースは、旧防波堤を挟んで、なかなかお互いを確
認できない距離がありました。けれど、思いは同じ場所にあります。船まで届け、いや、
都庁まで届けとばかり声を張り上げ、埋め立て反対を訴えました。船宿さんたちも然りです。
 運動の最中も、工事は進行されていましたが、参加者の中には、作業員自身に人間と
してのジレンマを問う一幕もありました。彼らの心の耳には、どのように響いたで
しょうか。
 90分という限られた時間、目一杯声を上げ、更に強固な意志をアピールしたこの運
動は、必ず未来に繋がることでしょう。意義深い一時となりました。

 デモ船は、今回5隻が参加していましたが、残念ながら許可コースが遠く、当日の様子は
撮影できませんでした。近づける唯一の埠頭は、立入禁止区域とのこと。
だけど、諦めているわけではないので、いつかお届けできると思います。
船宿さん!連日の頑張り大変なことと思いますが、待っていて下さいね。

                            ー  by とらじゃ ー


 
 "とらじゃ”の「自然破壊わっちんぐ Vol.2
 

 現地十六万坪の工事による破壊の様子を、日々監視している”とらじゃ”さんの
写真とコメントによるレポート第二弾です。

 
←  9/27
筏杭水上部の取り壊しを
終えたところから
浚渫工事が始まる。
原木の樹皮が目立った。
9/28 →
東雲水門側、筏杭の最後の日
9/29 →
上と同位置からの撮影
翌日にはこのとおり
工事進行の速さが判る。
もはや筏杭は見る影もない。
← 10/3
無残にも撤去された筏杭
これが羽田沖の漁礁に?
→ 10/5
前日に旧防波堤側に
クレーン船が移動
防波堤側から伸びていた
小さな筏杭も破壊の対象に、
翌日には水上部分は全部破壊!
← 10/10
オイルフェンスを張り、
主柱らしい杭柱を
一本づつ引き抜き上げる。
後方は瓦礫の山
漁礁にできない廃材の行方は?
← 10/10
上部に見える青い機械は
バイブレーターと呼ばれ
杭に振動と回転を与えて、
引き抜きやすくするもの。
水中に伝わる振動の魚への影響は?
おそらく大変なものでしょう。
← 10/10
H杭のようなものを回転させ、
海底の杭の桁部分にこじいれて、
引き抜きやすくするらしい。
← 10/10
筏杭の上部はびっしりと付いた
フジツボやカラスガイ、
カキ、などの貝が、
海底に埋れていた部分にこびり
ついた泥を落とす作業らしい。
貝も泥もみんな貴重な
生物のゆりかごなのに!
10/10 →
筏杭の撤去も残すところ
中央部分のみ、
防波堤沿いもわずかな桁を
残すのみ。
9/28からこの日までなんと
二週間足らずで。
← 10/11
常時、約10台ものクレーン船が
見渡せる。
レインボーブリッジよりの
中央水路からも
同時進行で工事が進んでいる。

 
 浚渫工事が始まって、見た目には工事の進行に派手さは
感じられなくなりました。よって、写真による効果的なアピールがしにくくなってしまいましたが、定点観測的に追っていくとその変遷具合が判ります。
水面下の作業は確実に進み、気づいた時には、まったく無くなっていたという日が、刻々と近づいて来ているようで不気味です。
今までの東京湾干潟の埋め立てのように・・・。
                    ー とらじゃ ー