[江戸前の海十六万坪(有明)を守る会]
情報、其之拾七   2000.9.13
[ 強行着工に至る3日間 レポート
 
強行な工事着工! 9/13 早朝5:30 実施
 
 

 情報によると、我々反対運動の船が手配できない早朝5:30から、
11隻の工事関係船舶が入域し、3ケ所の入口を海上保安庁の大型船と水上警察の船が、
ロックアウトしたかたちでの、工事着工となった模様です。
同時に、入域禁止のブイ、看板等を設置、測量作業を開始したとのこと、
台船とクレーンの設置も行われたとの事です。
その後、反対運動参加の釣舟が現場についた時には、もはや現地水域には立入ることも
まったくできない現状でした。

 これは違法な強行着工であると云う我々の主張を、まったく無視するのが、
港湾局のみならず、水上警察や国の行政組織であるはずの海上保安庁までが結託
との事実には、怒りを通り越して、只、呆れるばかりです。
 当サイトでは、この事実の映像を、何とか発信したいと考えています。
まるで権力とはこうやって使うものだ!とでも言いたげな東京都の行政の本質が、
恥も外聞もなく露呈しています。
 この事実に、「やはりお上には勝てない」などと、弱気な発想を持つ方は、
この運動の本質を理解できないと思います。
皆さん、この日を忘れないように。無限の生命環と、江戸前の海と文化すべてを
埋没してしまおうとする作業が、今日、2000.9.13に始まりました。

  ※ 工事着工の違法性は声明文にあります。 

 まず、論点は強行に行われたこの工事着工こそが、違法性をはらんだものであると、
 我々は訴えている訳です。
 形式的な書類上の不備がなければ、どんな世論も現地からの声も無視して、
 現地水域の封鎖を含む工事着工の強行もできるという、都港湾局の思い上がりは、
 何としても正さなくてはなりません。
 唯一の外からのチェック機関であった運輸省が、その責任を放棄して認可という事態に
 至った今となっては、都は自らの書類に自らが許可を下し、やりたい放題です。

  工事説明会は終っていません。彼らが実施したと言う事実を残すためだけに、
 無理やり終会としたまま、です。参加者の意向を無視した会はふつうは不成立です。
  環境アセスも捏造した書類があるだけです。
 つまり、こう言った事実を隠して、まるで工事着工は合法であり、
 それを邪魔するものは、警察や海上保安局に頼んで排除をすると言う姿勢は、
 今後絶対に正さなければなりません。

 
着工前日、前々日 の現地レポート
 
  

 9/11 前日からの極秘の取り決めによって、午前7:00より現地水域に集合、
釣舟約20隻にて東雲運河側から3個所の入口の前に分散して終結、しかし、
係留はせず、エンジンも止めず(違法対策)。運河の通行に障害のない配慮もする。
“十六万坪の自然を守る会”の自ら仕立てられた船も合流、じゅうぶんな体制となる。

9:30ごろ、工事関係と思われる数隻が運河を往来するが、その中の一隻(第5ひざん)
が運動の船に接近し、ビデオとスチール撮影を始める。

下記の様なやり取りがはじまる。

第5ひざん:運河を行ったり来たりするのは危険ですから、止めて下さい。

運動船K :貴方はどちらの方ですか?

第5ひざん:東雲運河安全協会の者です。

運動船K  :危険な事はないと思います。東雲運河安全協会とは?

第5ひざん:埋立関係ではない団体です。

運動船K :所在地と電話は?

第5ひざん:書類を見ないとわかりません、(ゴソゴソ)5548-3025です。

運動船K  :貴方のお名前は?

第5ひざん:それは言えません。
   (これ以降いっさい無言で、対応なし。)

運動船K  :名前も言えない方の話しは聞けないのですが。

運動船K  :なぜ撮影をしているのですか?

運動船K  :名前を言って下さい。私は船宿**の名前**船名**電話**です。 
                (**はWeb発信の為の伏せ字です。)

運動船K :トモに東亜建設工業の旗が立っていますし、建設会社の方では?
      お共の方のヘルメットにもロゴが入っていますよ。

第5ひざん:(答えないまま、盛んにどこかに電話をするばかり。)

このやり取りで、運動船数隻と報道船が第5ひざんを取り囲むカタチになる。
逃げられないようにはなっているが、第5ひざんからは道を開けろとの要請は、
いっさい無し、そのまま電話を繰り返すのみ、返答はなし。
つまり、もしこの時の通報が水上警察や海上保安部だとしたら、彼は、何の事件も
起こっていない状態で呼んだ事になる。運動船が道を開けろという要求に応じず、
我々が拘束した事実でもあるのならのならまだわかるが、
名前を言うべきだとの要求には答えず、具体的な要求もいっさいなしに、
その場を逃げたいための通報には警察は関知すべきではないだろう。
まして、他人の営業の場所で職業身分を詐称しての権利なき警告や、
無断のビデオ撮影などをすれば、
陸の上の一般人でも、怪しい奴だと、束縛するのは、決して罪にはなりえない。
もし、この過程で、潮流によって運河の航路に出ても、一般船舶に影響が
なければ、問題はなにも無いはずだ。
その後、第5ひざんに同乗の部下らしき男が、彼の無言名無し男と自分が
東亜建設工業の社員であることを認めた時点での開放となったが、
この日、埋立工事関連業者とのトラブルはまったくこれだけのことだ。
(この身分詐称、無言男とその部下のマヌケ面、会社の旗の映像は、当サイトからの
リンクの、あのサイトのどこか、簡単に見つかる場所にある。)

 その後は、現地十六万坪の岸に集まった地元市民団体、自然保護団体、を中心に
都議会自治市民なども参加した陸上からの守る会の活動が、運動船と呼応し、
シュプレヒコールが現地にこだまして、運動の大きな盛り上がりを見せた。

 午後からは水上警察と海上保安部とのやり取りだけになる。
最初に来たのが船腹に警視庁と書いた水上警察の船が2艘で、
主に不法な係留と航路の安全妨害などの理由からの警告を、各運動船に対し、
ときには逮捕と言う言葉で恫喝し、ときには優しげな態度で懐柔をこころみてくる。
船長によって、警官の警告にもにいろいろ違いがあるようで報告はばらばらだった。
その後、この日の一応の着工中止アピールの成功を確認し、ほとんどの船が
引き上げた後にわずかに警戒のために残った運動船に現れたのが、海上保安部の
巡視船だ。放水銃まで装備した大型船の威圧とともに、おもにデモ行為の違法性を
各運動船に警告した。ここでも逮捕するなどの恫喝があったらしいが、保安部に逮捕権が
あるのかは、現在調査中である疑問だ。しかもデモ行為の違法性を警告はするが
合法のデモの成立手続きすらわかっていない担当官が、である。
その後、港湾局まで同行し、初めて手続きを確認するというオソマツさである。
見かけの巡視艇の脅威を傘に借りただけの中身のない行為だが、無届けのデモ行為の
違法性は確かに運動側の落度になる問題となった。

この日の昼のTVニュース(NHK)や夕刊、翌日の新聞各社の報道によって、
東京都が11日の埋立着工を出来なかった事実は大きく報道され、
この事実によって新たに問題を知るという人も多く、反響も大きいものであった。

報道によっては、実力行使で、工事を阻止したような印象を受けるものもあり。
 情報の受け取り方によっては誤解を生ずる場合もありえる。との判断から、
11日の現地において、違法な実力行使などは行われていない事実をここに明言しておく。

 9/12

 早朝から10隻程度の運動船の参加で、前日より違法性を回避した行動をとる。
 午後になり、引き上げるが、特に工事着工の動きはなし。
 合法なデモ活動へと、個人的に手続きをする船宿さんも現れ、数日間の活動延長も
 ありえるかとの話しも出そうな状況。現地では工事関係か否か不明の小型船の
 往来程度。

   そして、本日、13日早朝5:30 突然の強行着工へと至る。