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情報、其之拾四 2000.8/18 [ 運輸省の事業認可に 抗議運動を! ] |
8/17 運輸省は埋立事業免許に認可をいたしました。 有明貯木場は多くの人々から江戸前の海「十六万坪」の愛称で親しまれている水域です。
その暴挙に対し、本日(8/18)、当会を中心とした抗議団が、抗議文の手交と質疑のため、
運輸省を訪れました。参加者は緒方靖夫国会議員をはじめ、40名ほど。
当会のメンバー以外に、三番瀬の運動の方々ほか、多くの自然保護団体より、
残念ながら、一時間半ほどの質疑応答は、運輸省側の言い訳に終始した模様です。
充分な審査という論拠は、すべて東京都側に要求した資料からのものですから、
基本的に、都の環境アセスをなぞっただけのものと、言わざるをえません。
何のための運輸省の認可というシステムなのか?運輸省の仕事の意味を問われる今回の認可です。
認可の取り消しを求める 抗議文
運輸大臣 森田 一 様
運輸大臣は昨日8月17日に東京都知事より認可申請のなされていた旧有明貯木場の埋立事業に
ついて認可しました。
私たちは運輸大臣に対し
1.埋立事業免許を認可しないこと。
2.申請内容について慎重に審査すること。
3.審査するにおいては環境庁長官の意見を求めること。
などを求めてきました。
こうした私たちの要請に対しこれまで運輸省は、住宅建設や環境問題、水生生物等の
環境保全に対する配慮など慎重な審査を約束し、認可には慎重に対処することを表明し
てきました。
東京都が埋め立ての理由としている有明北地区の「街づくり」計画は、住宅建設を理由に
貴重な自然が残された海辺を埋める自然環境の破壊であり、高速道路を含む幹線道路(計20
車線)の建設による大気汚染・騒音・交通渋滞などの環境破壊を公共事業の名のもとに正当
化し、財政負担を含めそのツケを都民に押し付けるものです。
埋立造成後の土地利用計画について、東京都は9.000戸規模の住宅や商業施設を建設する
としていますが、この住宅の基本計画は12年前に策定されたものです。周辺臨海部において
1996年以降に建設、または建設中の住宅が17.000戸近く(計画中のものは含まず)に達
し、また、臨海副都心地域内には住宅立地可能な未利用地が多く残されているなど、
いまや住宅建設のために貯木場を埋め立てる必要は全くなくなっています。
一方、東京都は財政危機などを理由に、今後は公営・都営住宅の建設から撤退するなど、
矛盾した方針を打ち出しています。
東京都は、バブル経済が崩壊し、開発財政の破綻が誰の目にも明らかになっているにも
かかわらず、臨海開発推進に固執して、計画の一環として貴重な海辺を埋めるという愚行に
しがみついており、そこには民意はありません。
「江戸前の海十六万坪」といわれる旧有明貯木場は、波風の影響を受けない東京港に残さ
れた貴重な浅場です。マハゼをはじめキス、スズキ、海老、アサリ、蟹など多くの魚介類が
生息しており、最近では絶滅危棋種といわれるエドハゼの棲息も確認され、多くの稚魚が成
長する「ゆりかご」の役割を,果たしている貴重な海辺です。
8月11日、世界的に重要な湿地の保全に取り組んできたNGO(非政府組織)のWWF・ジャパ
ン(世界自然保護基金日本委員会)が十六万坪の埋め立て反対を正式に表明し、「豊かな水辺
環境は代替性がなく、十六万坪は保全すべきだ」と指摘し、十六万坪はハゼ類を中心とする
江戸前の魚の生息場所や稚魚が育つ「ゆりかご」として、東京湾では貴重な浅場であること
から、「環境保全上特別の配慮を要する埋立」とする見解を発表、近く運輸大臣、都知事に
見解を送付することが伝えられていました。
埋立計画が日程に上り、その問題点が明らかになるほどに、地元住民、自然保護団体、
つり愛好者、釣り舟・遊漁船事業者などの埋立計画の中止を含む見直しを求める運動と世論
が広がり、マスコミも注視しています。いま「十六万坪」の保全・埋め立て中止を求める世論
が広がっているのです。
水生生物の生息に関する環境調査をはじめ、私たちが指摘してきた問題点について必要
十分な審査がなされたか疑問であり、こうした状況のもとで埋立事業免許を認可したこと
は、問題点を曖昧にしたまま、運輸省に対し執助に「早く認可してほしい」旨を要請して
きた東京都に屈服したものであり、私たちの運輸省に対する信頼を裏切るものです。
このたびの突然の認可について強く抗議するとともに、認可を取り消して再度、
慎重に審査することを求めます。
2000年8月18日
江戸前の海十六万坪(有明)を守る会
会長 安田進
※ 以下は、マスコミ等に向けた声明文です。内容は上記とほぼ同じです。
東京都に求める(声明文)
有明貯木場は多くの人々から江戸前の海「十六万坪」の愛称で親しまれている水域です。運輸大臣は昨日8月17日に東京都知事より認可申請のなされていた旧有明貯木場の埋立事業についてこれを認可しました。
本日、十六万坪の保全と埋め立て中止を求めている「江戸前の海十六万坪を守る会」は、運輸大臣に対し強く抗議するとともに、認可を取り消して再度、慎重な審査を行なうよう求めた。
私たちがこれまで運輸大臣に求めてきた内容は1.埋立事業免許を認可しないこと。2.申請内容について慎重に審査すること。3.審査するにおいては環境庁長官の意見を求めること。でした。こうした私たちの要請に対して運輸省は、住宅建設と埋立の必要性、環境問題、水生生物等の保全に対する配慮など慎重な審査を約束し、認可には慎重に対処することを表明していました。
水生生物の生息に関する環境調査をはじめ、私たちが指摘してきた問題点について必要十分な審査がなされたか疑問であり、こうした状況のもとで埋立事業免許を認可したことは、問題点を暖昧にしたまま、運輸省に対し執拗に「早く認可してほしい」旨を要請してきた東京都に屈服したものであり、私たちの運輸省に対する信頼を裏切るものです。
「江戸前の海十六万坪」といわれる旧有明貯木場は、波風の影響を受けない東京港に残された貴重な浅場です。マハゼをはじめキス、スズキ、海老、アサリ、蟹など多くの魚介類が生息しており、最近では絶滅危慣種といわれるエドハゼの棲息も確認され、多くの稚魚が成長する「ゆりかご」の役割を果たしている貴重な海辺です。
8月11日、世界的に重要な湿地の保全に取り組んできたNGO(非政府組織)のWWF.ジャパン(世界自然保護基金日本委員会)が十六万坪の埋め立て反対を正式に表明し、「豊かな水辺環境は代替性がなく、十六万坪は保全すべきだ」と指摘し、十六万坪はハゼ類を中心とする江戸前の魚の生息場所や稚魚が育つ「ゆりかご」として、東京湾では貴重な浅場であることから、「環境保全上特別の配慮を要する埋立」とする見解を発表、近く運輸大臣・都知事に見解を送付することが伝えられていた。
埋立計画が日程に上り、その問題点が明らかになるほどに・地元住民、自然保護団体、つり愛好者、釣り舟-遊漁船事業者などの埋立計画の中止を含む見直しを求める運動と世論が広がり、マスコミも注視しています。いま「十六万坪」の保全.埋め立て中止を求める世論が広がっているのです。私たちは、東京湾の奥にすばらしい自然環境が残っていることに喜びを感じており、その価値はお金では計算できないと思っています。ところが、都の役人はこのすぱらしい環境を守るのではなく、埋めてしまおうとしています。
いくらはじいても赤字にしかならないソロバンをはじき続けています。大変おろかなことと言えます。東京都が埋め立ての理由としている有明北地区の「街づくり」計画は、住宅建設を理由に貴重な自然が残された海辺を埋める自然環境の破壊であり、高速道路を含む幹線道路(計20車線)の建設による大気汚染(騒音)、交通渋滞などの環境破壊を公共事業の名のもとに正当化し、財政負担を含めそのツケを都民に押し付けるものです。埋立造成後の土地利用計画について、東京都は9.000戸規模の住宅や商業施設を建設するとしていますが、この住宅の基本計画は12年前に策定されたものです。周辺臨海部において1996年以降に建設、または建設中の住宅が17.000戸近く(計画中のものは含まず)に達し、また、臨海副都心地域内には住宅立地可能な未利用地が多く残されているなど、いまや住宅建設のために貯木場を埋め立てる必要は全くなくなっています。
一方、東京都は財政危機などを理由に、今後は公営・都営住宅の建設から撤退するなど、矛盾した方針を打ち出しています.東京都はバブル経済が崩壊し、開発財政の破綻が誰の目にも明らかになっているにもかかわらず、臨海開発推進に固執して、計画の一環として貴重な海辺を埋めるという愚行にしがみついており、そこには民意はありません。私たちは広範な人々と連携して、十六万坪の保全と埋め立て中止を含む見直しを東京都にひき続き求めていきます。
2000年8月18日
江戸前の海十六万坪(有明)を守る会
会長 安田進
2000.8.18 校了