ルツェルンでは、他の二都市と比較して滞在時間が長かったので、より街の 雰囲気を味わうことができました。
私は、訪れた先の市場やスーパーをのぞくのが好きです。日常的にどんなも のが売られているのか、興味があるのです。
ルツェルンでは、木造屋根付きのカペル橋のたもとの川岸の通りに店がなら びます。野菜やパンなど、日常の食料品を主に売っていますが、鉢植えの花を 売っている店や、チーズを秤売りする店が多いところにスイスらしさを感じま した。私が訪れたのは土曜日だったせいか、昼前には「撤収」してしまう店が かなりありました。
ルツェルンで特筆すべき観光ポイントは、「ピカソ・コレクション」と「ス イス交通博物館」でしょう。
ピカソ・コレクションで興味深かったのは、写真家デビッド・ダンカンがピ カソとその家族の生活をとらえた200点近い写真の展示です。ピカソが子供と 遊んだり、夫人にダンスを習ったりする光景には親しみを感じます。
スイス交通博物館は、鉄道・航空機・自動車などの実物が展示してあります。 スイスは鉄道大国だけあって、展示してある機関車や電車の台数が半端ではあ りません。全部で20両ぐらいはあったでしょうか? また、引退したスイス航 空のジェット旅客機も一機まるごと!展示されています。さらに、スイスらし く、ロープウェイやリフトなどに関する展示もあります。
ところで、ルツェルンでは、町中で、車いすの人や杖を使う人をかなり見か けました。障害を持つ人でも出歩きやすい街なのだと思いました。
実際、ルツェルンに限らず、少なくとも私たちが訪れた街では、駅や地下街 の階段に必ずスロープかエスカレータが併設されています。
総じて、短い期間ではありましたが、お金やモノでは計れないヨーロッパの
「ゆたかさ」の一端をかいま見た旅でした。
(つづく)