子宮頚ガンdiary
【その3】

〜予後〜


7/10

出血は術後すぐの頃より多いが、生理2日目くらいの量でなければ心配ないとのこと。ゆるゆる歩きながら近所に買い物にも行く。今までは人が多くてもさっさと道を歩いていたが、見た目にはわからなくてもさっさと歩けない人もいるんだな、と気づき、気をつけて歩かねばなーと思った。夜はお寿司を食べる。生ビールも2杯飲む。もういつもと変わらない。見舞いに来れなかった友人からお花が届いていた。

これを書いている現在は一件落着で喜びでいっぱいだが、今後何か変化があるのかはまだ未知だ。仮に妊娠できたとしても、胎児を支える子宮頚の一部を失っているので流産しやすくなるそうだ。その場合は妊娠中にその部分を縛る手術をしなければならない。またそれより以前に、セックスが解禁となっても何らかのトラウマが残っていた場合は?今はまだ回復だけを考えていればいいのだが…

7/12
出血が少し増えた。排尿時血のかたまりのようなものが出た。怖い。次の診察は明後日だ。電話して聞いてみるべきか?切っているのだから当然のことなのか?腹痛はまるでない。やはり不安なので病院に電話してみる。それによるとやはり多少の出血は仕方ないそうだが、お酒は飲まない方がいいらしい。夫からも退院の時にいいか聞けと言われていたのだが、特別言わなければ少しくらいいいのだろうと勝手に判断していた。飲酒のせいで急に出血が増えたというわけでもないだろうが、まだ控えていた方が良いに越したことはない。反省。
7/13
Yちゃんから電話。今日抜糸して、明日には退院できるという。おめでとう!出血はもう全然ないそう。私の出血は相変わらず。子宮頚の方が止血しにくいんだろうか?外は大雨。
7/14
昼のニュースによると、J医大の医者が結核にかかっているのを知らずに勤務していたというという。うっそー!やばいじゃん。科は違うけど、こんな身近でもあるんだね。午後病院へ。きょうはI先生がなぜか休みで、知らない若い先生だ。ちょっとやだな。診察台でしばらく待たされる。(ちょっとひどい)その間にだいぶ出血したようだ。今まであまり使っていなかったエコーもとってる。出血は子宮の中からで、生理じゃないかという。全然予定じゃないけど、初めての手術などがあったから狂ったのかな?1週間続くようだったらまた来いとのこと。病気の再発についても、可能性はあるときっぱり言われてしまって、落ち込む。I先生はもう大丈夫と言ったのに。外陰部の傷も、なんだか痛痒いしこりになっていて、処方せれた軟膏まで疑わしくなる。(この件は聞くの忘れた)なんだか、診察も長く感じられ、つらかった。私の体はどうなっちゃうの?やっぱり死の影に怯えなくてはいけないの?
7/16
帰省中の友人一家を囲んでのお食事会で焼き肉屋に行く。タンも骨付きカルビもミノも全然大丈夫。レバ刺し食べて増血だ。
7/17
天気がいいので歩いて新宿まで快気祝いなどの買い物に行く。途中のショップでビバンダムのかわいいTシャツがsaleになっていいたので、快気祝いとして夫に買ってあげる。デジカメで2人の写真を撮って、暑中見舞い兼お見舞いお礼のハガキを作った。出血は相変わらず。外陰部の痛みも良くならない。水曜日の診察以降よりひどくなった気がするので、院内感染かも?Yちゃんから貸してたパジャマとお菓子が届く。手紙によるとかなりちゃんと自宅療養しているみたい。私って歩きすぎ?
7/18
きょうは完全自宅療養にしようと思い、友人関係への快気祝いにつけるイラスト入りのカードを作る。フォトプリント紙はすごくきれいにプリントできるし、厚手なのでカードに最適。少しおとなしくしているためにも、いろいろ作ってみよう。
7/19
きょうはI先生がいれば病院へ行ってみようと電話してみる。が、なかなかつかまる状況じゃないみたい。月火水が腫瘍外来のある日だが、木曜に再来というのもあるらしい。どーゆーシステムになってんじゃ?K先生がつかまったが、判を押したように同じ回答。切ってるんだから出血はしょうがないと思うが、最初の説明の血が混じったおりものが続くというのは…おりものの域を越えてる。手術後なので、ホルモンバランスやら自己治癒力やらが狂っているらしい。行ってもしようがないのできょうは行かないことにする。なんだか不信感。また新宿まで歩いて買い物に行く。ひとりなので結構歩き回ってしまったら、帰りには腰が痛くなった。これくらいで?やはり本調子じゃないのかな。本屋で医療ミスに関する本を立ち読み。大学病院だからって安心な訳じゃない。病院で尿管など入れると、抗生物質に耐性のある黄色ブドウ球菌に感染する可能性が結構あるらしい。外陰部の痛みってまさか…?抗生物質も効かないみたいだし…。さらにきょうもまた医療ミスのニュース。できるだけ病院とは無縁でいたい。痛みはナプキンによるムレ、摩擦のせいもあると思い、柔らかいものを買ってみる。ネットの掲示板でナプキンかぶれのトピックスを見つけたので。薄くて吸収力がいいばかりのものはもういらない。フェミニーナ軟膏のCMがあるくらいだから、かぶれてる人多いんだろうな。
7/21
主治医がいることを電話で確認してから病院へ。診断は先週の先生と同じことを言われるが、I先生は患者をほっとさせる雰囲気がある。子宮からの出血は何か他の病気ではないかとの問いに、それはない、ときっぱり言ってもらえたので一安心。思えばそろそろほんとに生理が始まりそうな時期。このままなし崩し的に治っていくのかな?ガンの再発についても、99.9%ないと言ってもらえてうれしい。もちろん子宮はあるのだから、他のガンにかかる可能性はあるので、検査は必須だが。先週の言われ方と全然感じ方が違う。ただでさえ傷ついているんだから、もっと心のケアも考えて欲しいな。久々に晴れ晴れとした気分。外部の傷は別の薬を処方してもらう。が、これも同じゲンタマイシンが配合されている。大丈夫かな?帰りにものすごい雷雨にあう。夜のニュースを見ると、割と近所で地下にいた人が溺死したそうだ。こんな雨が降らなければ死ななかったのに。人の運命ってわからない。ガンにかかる確率を見ると、私ってすごく運が悪いと思って悲しかったけど、死ぬ要因は病気だけじゃないしな。くよくよしててもしょうがない。
7/26
早くも手術から3週間。出血が止まりそうな気配。外部の傷はまだ痛痒いが。退院後、喜びいっぱいのハイテンションで一気に日記を書き上げたが、あの時ほど今はテンションが高くない。こんな個人的な記録を誰が読みたがるだろう、などど思うほどに醒めている。でも、病気はまだ完治したとは言えない。また今までのような怠惰な生活に戻らないためにもこの記録は続けていこうと思う。
7/27
ほぼ出血が止まる。生理はどーなっちゃったんでしょ?今、体温は低温。
8/4
病院。傷はだいぶ治ってきたようだ。旅行などはOKが出る。でもプールは体調と相談して、とのこと。セックスはまだ2〜3週間はダメだって。
8/15
美容院へ行ったら、髪が薄くなったのでは、と言われた。短いから全然自覚なしだが、これも入院&手術のせい???
8/18
法事で仙台へ行き、夜は温泉に泊まる。退院後初の温泉だが、入ったとたん生理が始まる。暖まったせい?これってちゃんとした生理なのかな?
8/31
病院。基礎体温表を持参。手術跡はきれいだそう。細胞診をする。腫瘍外来については次は2ヶ月後。細胞診は99%問題ないと思うと言わる。今後は不妊治療を進めていくことになる。1年は避妊、と言われていたが、きょうは、半年避妊でいいと言われる。そーなの?ついで不妊外来の先生とお話。半年間はナチュラルな不妊治療(基礎体温や排卵しているかの検査等)をし、半年後から積極的な治療にしましょうということになる。やはり年齢的に悠長に構えていられないのだろう。次回は生理中に採血しに行く。そして生理後10〜12日してエコーをとるのだそう。不妊治療についても調べなきゃ。不妊治療についての説明書をもらって読んだが、これはこれでしんどそう…。
9/1
術後初めてのHに挑戦。途中リタイア。なんか、痛くはないんだけど、へんなかんじ。やはり気持ち的に、出血したらどうしようなどの不安があるので、体がこわばるようだ。不感症になっちゃたのかな、と悲しくなる。でもこのまま終わるとさらに怖くなるかもしれないと再度、ゆっくりやってみましたよ。そうしたら、うまくできました。よかったー。夫も泣いて喜んだよ。これで元通りだねって。私も泣けた。それにしても、こんなこと書くのはずかしー。でも、記録を残すのだ。
9/14
1ヶ月遅れの帰省で、義母やみんなを安心させる。生理が始まる。先月からいくと順調。サイクルは戻ったようだ。但し、体温は高温期なしのまま。
9/16
不妊治療のうち、ホルモン検査のため採血にだけ行く。生理中じゃないとダメな検査なのだ。
9/19
友人から、文芸春秋にマンガ家大島弓子さんの卵巣腫瘍体験記が載っていることを聞き、読んでみた。全然知らなかった。手術のくだりはそうそう、ってかんじ。でも、なぜ文芸春秋?もっと若い女の子もよく見る雑誌の方がいいのに。今は化学療法も終わって、お元気そうで安心。これはP16だったので立ち読みしちゃった。おわびってわけでもないけど、かわりに新刊文庫を買って帰る。赤星たみこさんも体験記を描いているそうなので、探してみよう。
9/24
生理から12日目くらいに来るように言われていたので病院へ。きょうはいつにも増して、ものすごく待たされる。プンスカ!前回生理中に血液検査をしたものが、手違いで別の検査をされていたそうで、もう一度血を採られる。でも、生理中じゃないとわからない検査なんでしょ、きょうの血でいいのかよー!と聞くと、参考値だからいいんだって。なんか不信感。検査はエコーで卵巣の様子を見るもの。それによると、排卵しそうだと!(でも基礎体温表は全然排卵しているようには見えない。)で、タイミング指導でHをしなさいと言われました。術後半年(最初は1年)は避妊しないといけないのでは!?もしできちゃったらどーすんの?聞くと、歳も歳だから、自然にできればいいんじゃなかいかと。術後跡も切除した割には子宮頚が短くなっていないそうで、ここみたいな設備の整った病院だったら、多分問題ないでしょうというようなお答え。まあ、生Hしても受精するかはわからないけど…。帰りは既に会計が終わっていて、そのことに対する案内もなく、なんだか不信感の募る日だった。週末から週始めにかけて生Hをしなければならないが(不安だが)こーゆー時に限って夫が超忙しかったりする。難しいところだ。
10/13
細胞検査士のこっこママさんのHPでHPVについての更新記事を読む。私がうじうじ悩んでいたことを専門家の立場からはっきり言ってくれていて、かえってすっきりした。「NEWS TODAY」で10代の女の子にSTDが拡がっている、という特集をやっていやが、HPVについては特に触れられず。それに出ていた女の子たちがあまり多数派とは思えないタイプ(わかりやすく扇情的)で、対岸の火事のように思われてしまうのもマイナスなんではないか。誰でも処女以外はその危険性があるということを、もう少し声高に言ってもいいんじゃないか?
10/15
探して見つからなかった本をネットで注文して、今日届いた。その中に赤星さんの本もあった。彼女のステージは私より進んでいて、子宮全摘をされているが、共感できる部分がすごく多く、自分の時のことを思い出しては涙ぐむ場面もあったりして一気に読んだ。「三田佳子オッケー!」は私と大きく違うところだ。「堀江しのぶ、清水クーコ…」だったもん。これから闘病する人には絶対おすすめ!人と比べてどうこう言うのはいけないが、私はほんとに早くてラッキーだったと改めて認識。その分いい人モードもあっという間に終わってしまいました。記録を残さなければ、詳細もほとんど忘れてるし。喉元過ぎれば…ってほんと、わたしみたいなやつのこと。