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RTS II − Real Time Systemのために
RTS - それはReal Time Systemの略であり撮影者の感動の瞬間と写真のシャッターの切れる瞬間を同一にしようと言うものだった。

そのため復活コンタックスの第一弾でもありCONTAXのフラッグシップの代名詞ともなるRTSではレリーズに電子方式を採用し大胆に電子化技術を投入した。露出計は独立したボタンで用意されシャッターレリーズボタンに半押しはない。感じた瞬間に軽く触れるだけで電光石火シャッターはきれる。
これがツアイスとヤシカ(後に京セラに吸収)の歴史的合弁事業の第一歩であり、そのボディデザインはポルシェデザインが担当した。
RTSIIは1982年に投入されたRTSの後継機であり外見上は右肩のシンクロターミナルのあるなし(あるほうがRTSII)とセルフタイマーの形がすこし違う程度でポルシェデザインの造型はほぼ完全に残されている。事実その人間工学をも考えたボディデザインは非常に使いやすい。

RTSIIは元来コンパクトでP50/1.4などとの組み合わせでは非常に軽快だ。
しかしP100/2などを組み合わせると重量バランスがかなりわるくなるのでワインダーW3を装着すると非常にホールドしやすくなる。PMD-W6をつけるとすさまじい連射力をみせるが重過ぎて手持ちはきつい。(W3は単三6本、W6は12本を使う)
RTSIIはそのファインダーの見易さでは定評がある。それはファインダー倍率が公称87%とファインダー像が非常に大きくピントあわせがやりやすいからだ。またボケの確認のためのプレビューもかなり正確だしあがりの感じがつかみやすい。これは背景に意味を持たせたいときに欠かせない要件だと思う。
ただしこれらはぼくのように裸眼でファインダーを覗くものにとっては目の前に広がる像に感動させられるということで、RTS2はアイポイントが現行ほどでないため眼鏡使用にはややむいてないかもしれない。周辺部や表示を見るのにちょっと不自由かもしれない。
反面ぼくが感じる最大の難点はストロボのシンクロ速度が低すぎること。1/60はかなりきつい。
いぜれにせよ、このカメラにはヤシカとツアイスが熱い想いをこめて世に出した初代RTSの精神が生きている。
いまRTS2をみればシャッター速度優先モードもプログラムオートも無い古いカメラだ。
しかしこのカメラはいまのカメラに無いRTSというフィーリング優先モードをもっているのである。
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