同じくグラッツェルの息子たるホロゴンと比べたとき、歪みのない画像はさすがにホロゴンに譲るが、ホロゴンのファインダーを考えたときには直接像を見ることの出来る一眼の利点は超広角の作画において大きいといえる。
また開放でF3.5という明るさは室内での撮影で大きな強みをみせ、レトロフォーカスタイプのため周辺減光は絞ることによってかなり緩和されるようだ。

このレンズはライカRではスーパーエルマーという名前でOEM供給され、さらにローライにも供給されていたようで生産数の少ない割には人気のあったレンズとも言える。それも描写力をみれば納得することだろう。
なおこのレンズについては下記の米国特許にてその原形を知ることができるという。(検索も可能)
当時は「大口径の超広角レンズ」として特許出願されていたようだ。
US3864026:WIDE ANGLE PHOTOGRAPHIC LENS
Inventor: Glatzel; Erhard , Heidenheim
Applicant: Carl Zeiss Stiftung (a.k.a. Carl Ziess)
Issued/Filed Dates:Feb. 4, 1975 / Sept. 19, 1973
ちなみにD21については下記の特許が関連するようだ
US05742439: APOCHROMATIC WIDE ANGLE LENS |