<大聖寺・全昌寺>
(ぜんしょうじ)石川県加賀市
旅行日 95/12
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山中温泉を出立した芭蕉は一旦小松の町に戻ってから、大聖寺という城下町のはずれにある禅寺、全昌寺に泊まります。この寺には山中で別れた曽良が前の夜、泊まっており次の句を残していました。
よもすがら 秋風聞くや 裏の山
<句意>一晩中(なかなか眠れず)裏山に吹き渡る秋風の音を聞き明かした。
一夜の隔て千里に同じ
前の夜は曽良が泊まり今夜は私が泊まる。たった一晩の隔たりに過ぎないのだが、二人が千里も遠くに隔たっているような気がする、と曽良のいない寂しさを表しています。
この禅寺で一夜を明かした後、今日は越前まで行こうと慌しくする芭蕉に、若い僧が硯や紙を持って駆け寄ってきて、句を詠んで欲しいと懇願します。
禅寺に宿泊した場合、翌朝その礼に庭などを掃除してから出立するのが習わし。それをせずに旅立つ謝意を込め、芭蕉は即興で次の句を詠みます。
続けて、芭蕉の句(↓)へ。
<芭蕉の句>
庭掃いて 出でばや寺に 散る柳
(にわはいて いでばやてらに ちるやなぎ)

<句意>
- (出発しようとすると、おりから柳の葉がはらはらと散った。せめて)この寺に散る柳の葉を掃き清めて、出立したい。
写真は全昌寺に建つ碑。左側は「はせを塚」で芭蕉の句も刻まれている(はず)。右側は曽良の句碑。私が全昌寺を訪れたのは12月でみぞれの降る日。落ち葉も見られぬ時分でありました。
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