<岩沼・武隈の松>
(いわぬま・たけくまのまつ)宮城県岩沼市

旅行日 '94/12

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 芭蕉をして「武隈(たけくま)の松にこそ、目覚むる心地はすれ」とまで言わしめた松の名木をもとめて、岩沼までやって参りました。
 仙台から電車で15分、岩沼駅からあるいて10分、竹駒神社の近くに目指す松の木はありました。あれ・・・?
 ずいぶんとまた、ヒョロヒョロとして葉の茂りの悪い、生気の無い木だこと・・。
 この松のまたの名は二木の松(ふたきのまつ)。見てのとおり、根際からふた方向に分かれています。木そのものは、幾度か伐り倒されたり、大風で倒れたりしていますが、そのたびに植え継がれ、今に姿を伝えています(といっていいのだろうか?)。芭蕉いわく

 代々、あるは伐り、あるひは植次などせしと聞くに、いまはた千歳(せんざい)のかたち整いて、めでたき松のけしきになん侍りし。
<現代語訳>代々あるいは伐り、あるいは植え継ぐことなどしたと聞いているが、いままた千年の(樹齢を保つといわれている松の姿にふさわしい)形が整って、すばらしい松の様子であった。

 


 ついでですから、竹駒神社に寄ってみましょう。聴くところによると「日本三大稲荷」のうちのひとつだそうですが、私の知る限り「三大稲荷」と名のる神社は全国に他に4カ所あります・・。
 何年か前、火災で焼失した後に再建された社殿。白木も初々しく朝日を浴び、神々しい色を放っておりました。社寺へ参拝するのならば、やはり早朝がいいのであります!

続けて、芭蕉の句(↓)をどうぞ。



<芭蕉の句>

 桜より 松は二木を 三月越し

(さくらより まつはふたきを みつきごし)


<句意>
 (私を待っていてくれたのは)桜より武隈の松で、(古歌に詠まれたとおりの)二本(の姿の武隈の松)を三月越しに(見ることができたのである)。
三省堂・新明解シリーズ「奥の細道」(桑原博史監修)より




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