鹿児島県薩摩川内市久見崎町字片平山1765-3 |
1984年7月 |
九州電力 |
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加圧水型軽水炉(PWR) |
1984.07.04 |
89万kw |
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加圧水型軽水炉(PWR) |
1985.11.28 |
89万kw |
改良型加圧水型軽水炉(APWR) |
1991.1218 |
159万kw |
計画中 |
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川内原発1号機が着工されたのは1979年1月。まだこの地形図には反映されてないだろうが、すでに着工前の下準備は着々と進んでいた。海岸側に原発は建設されるため、付け替え用として内陸側に新しい道路が造られた。現在原発構内の敷地となっている部分には「荒地」のマークが広がり、既に土地買収を終え、樹木は伐採され、これからブルドーザーで大規模に山を削り整地してゆく段階なのであったと思われる。またこの地図では分からないが、船間島の北側には川内火力発電所が立地する。 |
大きな港湾施設を持つ、川内原発がひときわ目を引く。南側(下側)のみやま池の右側に建つのは原発のPR館。川内川の河口には、右岸の船間島と左岸の久見崎とを結ぶ大きな橋が架けられた。この橋もまた原発関係の交付金で建設されたものである。船間島の東側の砂州が埋め立てられ、小規模な工業地域が造られた。原発と河口の橋を除けば、それほど大きな変化はない。 |
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↑新幹線も開通しすっかり立派になった川内駅。その橋上駅より薩摩川内市の中心部を望みます。中小のビルが立ち並び栄えているようにも見えますが、この街も他の地方都市と同様、中心市街地の空洞化という問題を抱えているとか。市の人口は10万人ほどで、原発の立地する自治体としてはかなり多い方です。 |
↑川内原発に行く前に、原発から5kmほど離れた場所にある「川内戦国村」へ立ち寄りました。別に興味があった訳ではなくただの時間調整だったのですが、訪ねて見てみると結構面白かった。特に幕末以後の西郷さんの歴史を振り返った原寸大ジオラマはなかなかリアルで興味をそそります。本当に鹿児島の方は西郷さんへの愛着が深いのですね。 |
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↑川内河口大橋の全景。右岸(北側)より左岸(南側)を望みます。親柱部分に埋め込まれた銘板には「電源立地促進対策交付金施設」と刻まれており、この橋もまた原発関連の補助金で造られたものだと分かります。また対岸側の山の上には風力発電の風車が。原発のある所になぜか風力発電所も立地するというのもまたお馴染みの事。 |
↑川内河口大橋を渡り、久見崎の集落を通り、県道を3kmばかり先に進むと、今回の旅の主目的地「川内原子力発電所展示館」があります。展示館の前に広がるのは「みやま池」。建物は小高い所にあり、池の向こうに原発の建屋を望むことが出来ます。 |
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↑展示館に入ると、床には「みらいくん」の姿が。玄海原発を訪れた時もさんざん拝見させて頂きました。それにしてもどうして原発をアピールする際に「未来」だの「エコ」だのという言葉を使うのがお好きなのでしょう。 |
↑展示館の館内は勝手に見てまわっても良いのですが、受付でお願いすると、案内係の方が展示物について説明してくれます。所要時間は30分から1時間ほど。最初に映像モニターのある部屋で「川内原発の概要」と「福島原発事故以後の安全対策」、2本のビデオを見ます。 |
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↑「福島原発事故以後の安全対策」のビデオ。近頃話題になっている「超巨大噴火」については全く触れられていません。案内係の方に突っ込もうとも思ったのですが、女性相手に気の弱い私には出来なかった・・・。 |
↑2階には展望室がありますが、この建物自体が小高い場所にあり途中障害となるものも無いので、原子炉建屋、タービン建屋など良く見えます。 |
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↑原子炉建屋・タービン建屋付近をズームで。原子炉建屋はブルーとグリーンで着色されていますが、これは周囲の環境と調和するように選ばれた配色だとか。日本の他の原発の建屋でも青系統の色が使われていることが多いです。 |
↑私が訪れたのは2014年11月。日本中すべての原発の運転が停止しており、来年2月にはここ川内原発が再稼働第一号になると騒がれています。なのですが、大事故の際、最後の砦となる免震重要棟がこの原発にはまだありません。写真の中央部よりやや上の部分の工事している箇所が、免震重要棟の建つ位置だそうで、完成は来年度中だとか。 |
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↑原子炉建屋の外部しゃへい壁の模型。放射性物質を包む5重の壁の一番外の壁ですね。鉄筋コンクリート製で壁の厚さは約90cm。 |
↑この展示館の最大の見ものは、この原子炉の実物大模型。西日本に多い「加圧水型」で上に制御棒がある。なかなか良く出来ています。 |
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↑原子炉格納容器内の20分の1模型。中央に原子炉圧力容器。その左右、上部が大きくなっているのが蒸気発生器。 |
↑巨大な天秤があり左右が釣り合っています。左側が燃えるウラン(ウラン235)1グラム、右側が石油でドラム缶10本分。両者の発電できる電力量がほぼ等しいということを表しています。 |
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↑九州内の発電方法別電力量の推移のグラフ。上のピンクの部分が原子力による発電の割合です。2010年までは約4割を原子力でまなかっていましたが、2013年度はゼロ。果たしてピンクの部分が復活することはあるのでしょうか。 |
↑2014年2月現在の日本の原子力発電所の分布を示した地図。福島第一につけられた6つの×(バツ)マークがなんとも複雑な気持ちにさせられます。 |
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↑館内のあちこちにはこのように「原子力クイズ」と題したカードが配置されています。全問正解だと何かグッズが貰えるのか? 私も挑戦したかったが、案内係の方に「あくまでもお子様向けです」とやんわりと断られてしまった。 |
↑待ってました、スタンプコーナー。これを集めるために私は北海道から九州まで廻っていると言っても過言ではない。 |
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↑さようなら、みらいくん。今、世間で一番騒がれているのは、2万5千年前の姶良大噴火級の超巨大噴火が起きたらどうなるかという事ですが、結局この館内にはそれに関する展示物はいっさいありませんでしたし、私も案内係の方に尋ねることは出来ませんでした。 |
↑来館記念。原発グッズと期待したのですが、中はふつうのボールペンで「川内原発」という文字も「みらいくん」の絵もありませんでした。考えてみればこれらを作成する経費も我々が払う電気代から拠出されているのですね。 |