11月17日におけるザンジバル、タンザニアの状況


17日の金曜日のロイター電によると、ザンジバルの最大野党Civic United Front (CUF)は金曜日(17日)、彼等の支持者が与党CCMによって、嫌がらせや迫害を受けていると発表した(CCMは総選挙以後の支配を固めようと躍起になっている)。 与党Chama Cha Mapinduzi (CCM、 革命党) は、新聞や色々な独立系のメディアで報告されてもいる、この事実を否定した。 CUFのスポークスマンは、1万5千人くらいのCUF支持者がウングジャ島(ザンジバル本島)から、ペンバ島へ逃れ、何十人もの活動家が逮捕されたと発表した。 CUF支持者の家への放火がCCMの若者によって行われていると、目撃者が語っている。 CUFの古参活動家Juma Othman氏は、14日間の拘留の後金曜日に反逆罪を宣告された。 ザンジバル(タンザニア連邦を構成する1つの部分、本土<タンガニーカ>+ザンジバル=タンザニア)はウングジャ島(ザンジバル本島)と、ペンバ島から構成される。 10月22日の選挙で野党CUFはペンバ島の全ての議席21とザンジバル本島の3議席の計24の議席、CCMはザンジバル島の29議席のうち26議席をとった。 結果的には、広範囲で不正が行われたと言われている、この選挙でCCMは勝利した。 しかし、この選挙でペンバ島とザンジバル島の政治的対立は、CUFのペンバ島と、CCMのザンジバル本島という形で先鋭化した。 慣習的には、ペンバ島との連帯を表すために、官房長官はペンバ島出身者が選ばれるが、Amour 大統領はウングジャ島出身のMohammed Bilal氏を選び、内閣は一人を除いて全てウングジャ島出身という、かつてない組閣を行った。 本土のCCMは、ペンバ島出身者へのいかなる迫害は存在しないと、公式的には否定するが、その裏でザンジバルでのCCMの行動をフォローしようと躍起になっている。そして、 「我々はCUFとの和解を望んでいる。そして、我々が再び選挙で勝ったときには、退陣してもらう」と語った。そして、 「Salmin Amour大統領は、そのことを理解していないから、我々が説得しなければならない」 とも語った。 ザンジバルでの政治は本土に比べて、激しいものがあった。 1964年1月の革命では何百人も亡くなったし、1972年には独裁的だった、カルメ初代大統領が暗殺されている(タンガニーカ<本土>は、62年に平和的に独立を果たした。一方ザンジバルは63年12月に独立するが、その際の国会選挙の票と議席の配分の問題から、64年1月野党によって革命が起こされた)。 国際アムネスティは野党CUF活動員への政治的迫害の調査を続けている。
14日の深夜(現地時間14日午後9時)ザンジバルの友人と話す。CUFのSeif Shariff氏と現タンザニア大統領Ali Hassan Mwinyi氏と会見したらしい。このことは、CCMがザンジバルの大統領選について譲歩する可能性を見せていると考えられる。
13日の月曜日のロイター電によると、全ての野党大統領候補は広範にわたる選挙違反に抗議して、選挙戦から退いたため、与党CCMの Benjamin Mkapa氏が大統領になる模様だ。
記者会見で、野党10党連合は日曜日に行われる予定の首都ダルエスサラームでの大統領選挙、国会選挙のやり直しもボイコットすると語った。 NCCR-Mageuzi 党の Augustine Mrema 氏(野党第一党党主であり、大統領候補者)は「至るところで行われる選挙違反の故に、大統領の職を争うことが無意味に思える」と語った。
そして、野党は National Electoral Commissionに何の信頼も寄せていないと語った。 National Electoral Commissionは、野党からは10月29日の選挙で不正操作をしたと言われ、また独立系の選挙監視団からは混乱を将来させたと言われている。
the Civic United Front(CUF)のIbrahim Lipumba大統領候補、the United Democratic Party( UDP)の党首で大統領候補のJohn Cheyo氏も同じく大統領選から退くことを表明した。
野党は10月28日の選挙である種の決定的な敗北に直面させられ、大統領・国会選挙での正当な選挙を望めなくなり、結局選挙自体が無効であるということのみが明るみになったのだ。
最高裁は月曜の朝、野党側からの1.ダルエスサラームでの選挙のやり直しをやらないこと、2.大統領選の結果発表を保留すること、この2点の申し出を却下した。
1時間に及ぶ判決で、Josephat Mackanja裁判官は、野党の選挙のやり直しを止めるという申し出に対し、選挙のやり直しが行われたら、如何に事態が悪化するかを野党は明確に示さなかった、と語った。
申し出を認める判決はこういう場合、疑う余地のない場合だけに与えられるべきだとも語った。
また三人の裁判官はもう一方の大統領選の結果の発表の保留についても、却下した。
与党Chama Cha Mapinduzi(CCM)は国会選挙で80%以上の議席を得手、圧倒的勝利だと発表された。
しかし非公式の結果によれば国会選挙でCCMは60%の得票を得ただけだと言われている。
ダルエスサラームの選挙のやり直しは、投票用紙の不足で多くの人が投票できなかったために行われることになった。
150人の英連邦オブザーバーは、タンザニアの選挙はかつて行われた英連邦諸国の中でも類を見ないほどの混乱と混沌が広範囲に広がったと語った。
また、地方の選挙監視員は選挙は決して自由でも公正でもなかったと語っている。
ザンジバルでの第一野党であるCUFは英連邦に対して、11日土曜日10月22日に行われたザンジバル大統領選の結果を無効とするように、働きかけるように訴えた。
CCMは自分たちの支持者だけで大統領選の勝利を宣言したが、外国の選挙監視団はその結果を疑っている。

11月8日のロイター電によると、ザンジバルの選挙結果について今のところ 何の動きもないようだ。 国連の主導する何百人もの選挙監視団は、自分たちの無力さを彼等自身感じ、 そして選挙で不正を行われた野党の側からも指摘されている。 これは、国連が今回の選挙監視について、選挙のプロセスには関与しないことを監視団に 要請していたためである。 つまり、監視するための監視を要求し、そこで行われた不正については、口出し をしないという方針で望んだ。 このため、ザンジバルの選挙の不正について確信している監視団のある者は 「もう国連主導下のアフリカの選挙の監視を認めたくない」と語っている。 また、ザンジバルの大統領選で破れた野党CUFのSeif Shariff Hamad氏は「監視団が 不正について強く発言しないのならば、監視団を送った援助国の税金の無駄 遣いだ」と語った。 元大統領ニエレレ氏との長年の友好関係にあるスカンジナビアを中心とした 西側援助国は今回の選挙に2000万USドル(20億円)を費やしているからである。 ある評論家は、この事態について「とかくクーデターと専政の多いアフリカ 独立諸国の中で、ニエレレ元大統領が貧しいながらも安定した国家を形成して きた業績を考え、援助国が戸惑っているのだ」と語っている。 しかし、年間5億USドル(500億円)を、援助している17の国は10月27日 ザンジバルの選挙の開票方法における矛盾に異議を申し立てた。 しかし、その後は黙して動ぜずである。 それは「彼等がNational Electoral Commission との間に結んだ no-strings contract?を恥じているからだろう」と事情通は言っている。 N.E.Commissionは援助金をを手に入れたが、選挙の方法についての技術的な 援助を拒み、首都ダルエスサラームや一部の地域での投票自体の混乱を将来した。 今度の選挙援助の中心であるデンマークの Flemming Bjork Pedersen 大使は 「ローマは一日してならず。我々は選挙だけを見守っているのではなく、 民主主義化を見守っているのだ」と語った。 しかし、最大野党(NCCR-Mageuzi) のタンザニア大統領候補 Augustine Mrema氏にとっては、 援助国とその監視団はアフリカの政治の直の現実性を認識するのに失敗したと 考えられ、「私達は理念では複数政党制を認めるが、現実的には自分たちの 政権を引き渡せない、指導者を持ったのだ。問題は監視団が監視するのみで、 事態の悪化に何のコミットも出来なかったところにある」と語った。 the Commonwealth(英連邦)からの調査団が「かつてない混乱と無秩序」 と報告するまで監視団は沈黙を守った。 これは、監視団が国連の意向に添っていたためである。 アフリカの国々では、こういう事態は頻繁に起こる。 つまり、援助国に強要されて支配政党は複数政党制を認めるが、 選挙後には野党は不正が行われたと訴え続けるが、結局与党が政権を握る。 しかし、社会には大きな新しい亀裂が走ってしまう。
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E-mail from Tanzanian 15 .Nov.
何故ぼくはザンジバルの総選挙に関心があるのか?