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メッセージ
〈17〉バラムの教訓
聖書
「モアブの王チッポルの子バラクが立って、イスラエルに敵し、人を遣わし、ベオルの子バラムを招き、あなた方を呪わせようとしたが、私がバラムに聞こうとしなかったので、彼は、かえって、あなた方を祝福した。こうして私は彼らの手からあなた方を救い出した」 (ヨシュア24:9,10)。
民数記22章〜25章
事件の概要
★イスラエル民族がエジプトを出て約束の地カナンに入国してから破竹の勢いで諸民族を征服しているのを見て、「自国も犠牲者になる」と恐れをなしたモアブの王バラクはアラムの国の預言者バラムを雇って、イスラエルを呪わせようとしました。バラムの祝福と呪いはほとんど百発百中だったからです。
★「神が祝福する民イスラエルを呪ってはならない」との啓示を受けながら、バラムは報酬に眼がくらんで依頼人バラクのもとにロバに乗って出かけましたが、途中で天使に行く手を阻まれ、天使を見たロバはしゃがみこんで動かなくなる。ロバに見えた天使がバラムに見えなかったので、バラムはロバを鞭で撃ちすえて、こらしめる。
★そこで、ロバが口を開いて鞭の不当性を訴えると同時に、神がバラムの眼を開かれたので、ロバが動かなくなったのは天使の出現のためであり、ロバが前進を続けていたら、自分の命が無かったことに気付く。
★天使を通じて「神の啓示のみを語ること」を命ぜられ、バラクのもとに出かけ、何度か祭壇を築いてイスラエルを呪おうとするが、その度に彼バラムの口からはイスラエルを祝福することばが発せられる。
★バラムの物語を語る民数記22〜24章はバラムとバラクの決別で話は終わったかに見えるが、続く25章に入るとバラクの国のモアブの女の誘いによってイスラエル民族のある者らが偶像バールを礼拝する罪を犯し、その結果24000人のイスラエル人が死刑に処せられました。
★この事件と異教国の預言者バラムとの関係について、旧約聖書ではなく、新約聖書の黙示録2:14が事の真相を解き明かしています。
「バラムはバラクに教え込み、イスラエルの子らの前に、つまずきになるものを置かせて、偶像に捧げた物を食べさせ、また不品行を行わせたのである」(黙示録2:14)。
バラムのこと
★バラムは聖書の中に登場する不思議な人物の一人です。異教国アラムの預言者でありながら、聖書の神との交わりを持ち、その神の言葉を語り、その言葉が聖書の中に長々と記されているからです。しかし、彼の最後は惨めであり、イスラエルに偶像礼拝とその裁きをもたらした張本人として、最後には占い師バラムと呼ばれてイスラエルの手によって死刑に処せられています。
「イスラエルの人々はまたペオルの子、占い師バラムをも剣にかけて、その他に殺した者たちと共に殺した」(ヨシュア13:22)。
★しかし、新約聖書の中では「狂気」ながらも彼は預言者であったとされています。
「彼らは正しい道からはずれて迷いに陥り、ベオルの子バラムの道に従った。バラムは不義の実を愛し、そのために、自分の過ちに対するとがめを受けた。ものを言わないロバが、人間の声でものを言い、この預言者の狂気じみた振る舞いをはばんでのである」(Uペテロ2:15,16)。
★時代をさかのぼってアブラハムの孫ヤコブの時代に、ヤコブの母リベカは息子ヤコブが異邦人の中からでなく、パダンアラムのハランの地から嫁を取らせるために叔父ラバンのもとに息子を送り出しています。このことは、パダンアラムには聖書の神に対する信仰が残存していたと考えられます。
★しかし、現実にはヤコブの叔父ラバンは偶像にもなじんでいたことが記されていますので(創世記31:30〜32)、その地には純粋な聖書の神への信仰でなく、占いまじないも行う二心の信仰が行われていたようです。
★ですから、バラムの住んでいたアラムの国には聖書の神と偶像の神バール信仰とが当時混在していたとも考えられます。
★従って、バラムは偶像の神バールによる占い師であると共に聖書の神による預言者でもあったと考えられます。
バラムと現代のご利益宗教的キリスト教会の牧師たち
★バラムは神から「イスラエルは神に祝福された民だから呪ってはならない」との明確な託宣を受けながら(民数記22:7〜12)、莫大な報酬ほしさに、眼がくらみ、神の御心に逆らって、イスラエルの敵の要請に答えようと行動を起こしています。
★現代のご利益宗教的キリスト教、即ちキリストの名を用いて、人生に成功と繁栄を呼び込む方法を説く牧師たちは、自分達の教えが、「金銭を愛することはあらゆる悪の根である」などの数ある聖書の教えに違反していることを承知の上で、繁栄と成功の哲学を広めて、人を集め、捧げられた献金を自分の欲望達成のために使用しています。
★バラムが最後に処刑されたように、これらの繁栄哲学の牧師たちは、キリストの再臨の日、「不法を行う者よ。私はあなたを知らない。永遠の裁きに入れ」と言う判決を聞くことになるでしょう(マタイ7:15〜23)。
バラムのわなにはまったイスラエル民族
★正面から武力で立ち向かってくる敵たちに対しては、主が味方として共に戦ってくださったために無敵だったイスラエル民族も、モアブの若い女性による誘惑にはコロリとやられてしまい、バール礼拝という重大な偶像礼拝の罪を犯し、一日に24000人の死者を出す結果を招きました(民数記25:9)。
★迫害によってはキリスト者の信仰を損なうことが出来ないと見るや、私たちの敵サタンは私たちの信仰にダメージを与えるためにあの手この手の巧妙な手段を使います。
★富、異性、名誉などのあらゆるこの世の誘惑によって私たちをわなにかけようと待ち構えています。
★私たちキリスト者の敵は、サタン・この世・肉(キリスト者自身の生来の人間性)の三者です。この世に来られた御子イエスの命を付け狙ったヘロデ王のように、サタンは神の子等であるキリスト者の命を付け狙います。無神論や進化論に支配されているこの世は、霊的に死んだ人々の集団です。キリスト者の中に残っている肉の性質は、この世の性質の名残です。
★私たちキリスト者のこの世の生活は、この三つの敵との戦いの生活です。日々、主の血潮とみ言葉と御霊によってきよめられていないと、足をすくわれ、バラムのわなにはまったイスラエル民族の二の舞を演じかねません。
★まことに、私たちはブドウの幹につながる枝として、主イエス・キリストから離れては何も出来ないのです。
「私はブドウの木、あなた方はその枝である。もし人が私につながっており、また私がその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。私から離れては、あなた方は何一つ出来ないからである」(ヨハネ15:5)。
「これらの事が彼らに起こったのは、他に対する警告としてであって、それが書かれたのは、世の終わりに臨んでいる私達に対する警告のためである」 (Tコリント10:11)。
URL http://31church.net
キリスト紀元2006年 4月 20日公開
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