〈2〉輝きに満ちた喜び
「いましばらくの間は、さまざまな試練で悩まねばならないかも知れないが、あなた方は大いに喜んでいる。こうして、あなた方の信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外は無い金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、賛美と栄光とほまれとに変わるであろう。あなたがたは、イエス・キリストを見たことはないが、彼を愛している。現在見てはいないけれども、信じて、言葉に尽くせない、輝きに満ちた喜びにあふれている。それは、信仰の結果なるたましいの救いを得ているからである。」（１ペテロ１：６〜９）
「イエスは答えて言われた、『あなたがたは、聖書も神の力も知らないから、思い違いをしている。』」（マタイ２２：２９）
★上記の「あなたがたは、イエス・キリストを見たことはないが、彼を愛し信じている。そして、現在言葉に尽くせない、輝きに満ちた喜びにあふれている。」という箇所の説教をある福音的教会で聞きました。その説教者は会衆を見渡し、「皆さんは、このみ言葉のような喜びをもっていません。しかし、落胆しないでください。このみ言葉は現在のことを言っているのではありません。キリスト再臨の日のことを言っているのです。」と言ったのです。上記の聖書箇所を各種の翻訳で見比べても、原語で調べても、その説教者の解釈には無理があり、未来のことでなく、明らかに現在のことをこの聖句は語っています。
★今日の日本の多くの福音的教会は何故上記の説教者が認めるように「言葉に尽くせない、輝きに満ちた喜び」をもっていないのでしょう。その答えの一つが上記２番目の聖句に示されています。そうです。「聖書も神の力も知らないから、思い違いをしているのです」。この言葉を投げかけられたサドカイ人たちはパリサイ人たちと共に聖書研究のプロです。主は彼らに面と向かって、「あなたがたは、聖書を知らない」と言われたのです。その理由は、聖書の主人公である主イエスに逆らい、聖書の著者である聖霊をもっていないからです。
★主イエスに従い、聖霊をもっている今日の牧師・信徒も聖霊についての正しい理解と信仰をもっていないと、聖書読みの聖書知らずに陥るのです。１コリント１２：１〜１１に記されている聖霊の賜物を聖書の時代は存在したが今はないと思い込んでいる教会は聖霊について正しく理解し信じているとは言えません。聖霊との関係が正しくないなら、聖霊によってあらゆる真理に導かれる（ヨハネ１６：１３）はずがありません。そして、神の力は、み言葉と御霊が正しく受け取られ信じられた時に現わされるのです（ガラテヤ３：５）から、正しく信じられていないところでは神の力が現わされないのは当然です（マタイ１３：５８）。「私を信じる者は、私のしているわざをする、そればかりか、もっと大きい業をする。私が父のみもとに行くからである」と言われる主イエスのみ言葉（ヨハネ１４：１２）を額面通り受け止め信じる者は神の力を知る者となるのです。そして、「あなたがたの喜びが満ちあふれる」（ヨハネ１５：１１）という主の約束が未来のことでなく、今のことであることを知るのです。
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キリスト紀元２００３年 ６月 １日公開
