　★イエス・キリストの復活は、キリスト以前に書かれた旧約聖書に預言され、弟子たちも主イエスご自身によって再三復活の預言を聞かされていました。それにもかかわらず、弟子たちはその復活を目の当たりに目撃しながら、始めは驚きのあまり信じられなかった位ですから、これは弟子たちの作り話ではありません。被造世界には復活を暗示するものが満ちています。たとえば、一粒の麦粒は地の中で自らが死ぬことによって百倍の麦の穂を実らせます。トンボの幼虫ヤゴは不自由な水中生活をしていますが、水から上がって脱皮することによって、空中を自由闊達に飛遊する優雅な昆虫となります。
　★聖書はイエス・キリストの復活を信じる私たちキリスト者が、世の終わりのキリストの再臨の日にキリストの復活の身体と同じ死なない栄光の身体によみがえり（ピリピ３：２１）、再創造される新天新地で永遠至福の新生活に入ることを約束しています（黙示２１：１～４）。
　主イエスの十字架上の死は私たちの罪の身代わりの死だったのであり、その復活は信じる者が罪を赦され神の子供としての新しい命をもつための罪と死の力に対する勝利の力の現われでした。「主は私たちの罪過のために死に渡され、私たちが義とされるために（罪を赦され永遠の命を得るために）よみがえらされた。」（ローマ４：２５）。
　★私たち人間を罪とその裁きから救う救い主は罪のない真の人でなければなりません。罪ある者は自分の罪のために死ぬことはできても、人の罪のために死ぬことはできません。また、救い主は死に打ち勝つ力をもつ神でなくてはなりません。ただの人は死に勝利して復活することはできません。イエス・キリストはその聖（きよ）く、義（ただ）しい生涯によって罪のない真の人であることを示し、死なない栄光のからだへの復活によってご自身が神であられることを立証されました。
　このキリストの他に、救い主は天にも地にもどこを探してもいません（使徒４：１２）。キリストを信じなければ誰も天国へ行けないのはこのためです。
　★主イエスの十字架を目の当たりにした弟子たちは、クモの子を散らす様に主を捨てて逃げ去っておりましたから、復活がなかったらキリスト教会は今日まで存続する力はなかったでしょう。しかし、キリスト教会を発展させ今日まで存続させた原動力は、キリストの復活だけではありません。復活と昇天、そして父なる神の右の座に着座され、天地で一切の権威・権能をに握られた後（マタイ２８：１８）、ご自身の予告通り、天から弟子たちと信じる者一人一人の心の中に注がれた聖霊なる神ご自身の存在と働きがあります（使徒１：８；同２：１～４；ローマ８：９）。私たちキリスト者の心の中に住んでおられる聖霊は私たちの霊と共に、キリストの十字架と復活と再臨が真実であることを証言し、確信と力を日々与えていて下さるのです（エペソ１：１３，１４）。

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キリスト紀元２００３年　６月　１日公開