〈１3〉主の祈りについて
キリスト紀元２００３年 ６月 １日公開
★主イエスは弟子たちに祈りの手本を示されました。それが主の祈りと呼ばれているもので、マタイ６：９〜１３に記されています。十戒が神に関する戒めと人に関する戒めに分けられるように、主の祈りも神についての祈りと自分を含めた人々についての祈りの二つの部分に分けられます。
★「天におられる私達の父よ」天地万物の創造主である唯一のまことの神を「私達の父よ」と呼ぶことを許されるのは、私達キリスト者が御子イエス・キリストを信じて神の子らの一人とされたからです（ヨハネ１：１２，１３）。キリストは神を「わたしの父」と呼ぶことのできる「神の実子」ですが（ヨハネ１０：２９，３０）、私達キリスト者はキリストの血で買い取られた「父なる神の養子」です(使徒２０：２８；エペソ１：３〜７）。父なる神を「私達の父」と呼ぶことによって、私達は自分のことだけでなくすべての兄弟姉妹のためにも祈ることを教えられます。
★「み名が崇められますように。」「み国が来ますように。」「み心が行われますように。」この三つの祈りそれぞれに「天におけるように地の上にも。」のことばが続きます。偶像の神々や為政者が崇められることや、自分の名誉を求めるのでなく、天地の創造主にしてイエス・キリストの父なる神のみ名が崇められるように祈ります。◆キリストにある聖霊による義と平安と喜びの神の国が人々の心を支配し、キリストの再臨が早まるように祈ります。◆聖書に現わされた神のみ心が教会を通して地上で行われるように祈ります。以上が神に関する祈りです。
★「私達の日毎の糧を今日もお与えください。」で私達の衣食住の必要のために祈ります。「私達に負債のある人々を赦しましたように、私達の負債をも赦してください」でキリストのあがないによって無償で大きな罪を赦されたことを覚えて、自分も隣人の自分に対する過ちを主イエスのみ名によって赦すことを宣言し神の自分への赦しの確信を深めます。「もし人を赦さないなら、あなたがたの父も、あなたがたの過ちを赦してくださらないであろう。」（マタイ６：１５）。「私達を誘惑にあわせず、悪い者から救ってください。」で人食いライオンのように我々キリスト者の霊的命を狙っているサタンから守られるように。旧約聖書出エジプト記でイスラエル人が子羊の血で滅ぼす者から守られたように、主イエスの血によっておおわれてサタンから守られるよう祈るのです。以上が自分を含めた人に関する祈りです。
★「国と力と栄えとは限りなくあなたのものだからです。アーメン。」では祈りは賛美で始まり賛美で締めくくることを教えています。私達人間は神の栄光を現わす神の被造物の頂点に立つ者として造られた故に神への賛美は私達にふさわしく、かつ喜ばしい務めです。国と力と栄えとを神は私達キリスト者にも与えようと計画しておられるのです（ルカ１２：３２；イザヤ４０：２９〜３１；ローマ８：３０）。
主の祈りに基づいた日々の祈りの一例
キリスト紀元２００５年 ５月 １０日公開
天の父なる神様（天におられる私達の父である神様）
御名が崇められますように（天においてと同様に、地においても）。
私達キリスト教会とキリスト者とその中の一員であるこのしもべ（私）が、今日も、その思いと言葉と行いと更にその存在において、主なるあなた（様）の栄光を現すことができますように。主が弟子たちの足を洗われたように、今日も私たちを尊い血潮によって洗い聖（きよ）めて、世の光、地の塩としてお用いください。「キリストが私たちのために死んで、よみがえって下さった以上、私たちのいのちは、もはや自分自身のものではなく、キリストのものであり、神様のものです」（２コリント５：１５）。飲むにも食べるにも、何事においても神の栄光のために生きるものと成らせてください（１コリント１０：３１）。
御国が来ますように（天にあるように地にも）。
主よ、あなたは「私が神の指で悪霊を追い出しているなら、神の国はすでにあなた方の中に来ているのである」（ルカ１１：２０）と言われました。主イエスの御名によって悪霊が追放されるだけでなく、病いが癒され、死人がよみがえり、福音が権威をもって宣べ伝えられているところに、すでに神の国は来ているのです。ですから、主よ、私たちの福音伝道の働きにより、多くの人々が救われることによって地上に御国が来ますように。また、すでに救われた私達が身も心も主に捧げることによって、御霊による義と平安と喜びの神の御国（ローマ１４：１７）が私達自身の中に力強く来て支配するようにしてください。全世界に福音が宣べ伝えられることによって、イエス・キリストの再臨がはやめられるますように（マタイ２４：１４）。
御心が行われますように（天においてと同様に、地においても）。
天において御心が１００％行われているように、地においても御心が行われますように。まず、私達自身が御心を行う者となるために、神の御心が記された聖書を日々調べ、学び、知るだけでなく、日常生活において実践する者としてください。そのために、聖書を読むとき真理の御霊が私たちを古くして新しいあらゆる真理に導いてください（ヨハネ１６：１３）。また、聖霊の御助けによって御心を実践させてください。
聖書に「この世は悪い者によって支配されている」（１ヨハネ５：１９）とあります。そして、主よ、あなたは私達神の民の御心にかなう祈りを通して地上に御心を実現して行く事を喜ばれます。どうか、主よ、私達が御霊とみことばによって御心を行うと共に、きよくただしい神の御心が地上の諸国の為政者たちによっても行われるように祈ります。
私たちの日用糧を今日もお与えください。
聖書に「人はパンだけで生きるのではなく、神の御口から出る一つ一つの言葉によって生きる。」（マタイ４：４）とあります。神の御心でないなら人は有り余る食料に囲まれながら病死することもあります。私たちの霊・心・からだの健康を支え、衣食住の必要を満たし、天の御国に入る時まで、御霊と御言葉によって信仰深く歩ませてください。
私たちに負い目のある人々を私達が赦すように、私たちの負い目をお赦しください。
「私達が兄弟の罪を赦さないなら、天の父もあなた方の罪を赦してくださらない。」（マタイ１８：３５）と主は言われました。私たちの丸太よりはるかに大きな罪を主が赦してくださったのですから、とげのように小さな兄弟の罪を赦すことが出来ますように。兄弟を赦すことによって主が自分の返済しきれない負債を免除してくださった事実を実感させてください。「復讐はわたしのすることである。」（ローマ１２：１９）と主は言われます。裁きは主に委ね、人の悪を思わず、すべてを耐え忍ぶ者となさせてください（１コリント１3：４〜７）。
私たちを試みに遭わせず悪より救い出してください。
私達キリスト者は、自分の肉の性質（生来の罪の性質）とこの世とサタン(悪魔）という３つの敵に囲まれて生きています。これらの敵によってつまずかせられ、罪を犯し、神の恵みの下から落されることがないように、弱い私たちを試みにあわせず、あらゆる災難から私たちと家族とを主の血潮でおおってお守りください。神のみことばと御霊によって日々主と共に歩み、主イエスの名によって悪霊を撃退し、主にある勝利者と成らせてください（１ヨハネ５：４〜５）。
国と力と栄えとは限りなくあなたのものだからです。
私たちの求める祝福のすべてはキリストを通して父なる神から来ます。本来、ご自身の専有物である国と力と栄えとを、主よ、あなたは私達キリスト者にも与らせると約束してくださいました。御国をくださり（ルカ１２：３２）、サタンに勝利する力を与え（ルカ２４：４９）、御霊とみことばによって日々きよめ（ローマ８：３０）御子キリストの形に聖化してくださる御約束（２コリント３：１８）を感謝します。
主イエスの御名によって、アーメン。
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