やっぱり石油の利権が狙いの侵略か!
 先日見かけたジョークで、「大統領、やっと大量破壊兵器を発見しました!」「そうか!で、どこにあった?」「はい、わが軍の武器貯蔵庫です。」なんてのがあった。ジョークのとおり、アメリカ軍はきっと必死で探しているのだろうが(案外本気じゃないのかしれないが)、今日まで見つかっていない。

 フセイン政権を是とする者ではないが、国連の決議もなく、米英がイラク攻撃に踏み切った最大の理由は、大量破壊兵器の存在にあったはずだ。フセイン政権崩壊後に投降した科学技術担当大統領顧問は、大量破壊兵器は存在していなかったと証言しているという。弾圧の心配がなくなってからの話だけに信憑性が高いことは、国連監視検証査察委員会のブリクス委員長も認めている。

 アメリカ・イギリスはイラクへの制裁解除決議案を提出した。経済制裁を解くというのは、一見イラク国民のためのように聞こえるが、どうもそうではないようだ。決議案の主旨は、一言で言えば、国連は人道支援だけやっていればいい。色んな国からお金を集めて「イラク支援基金」を作るが、管理は米英が指示する。そして、米英の占領を追認し文句を言うな、というものだ。

 原油を売ったお金で復興を図るが、そこに参入できるのは、米英企業を中心に、イラク攻撃に賛成した国だけ。反対したフランスやドイツなどは締め出すという姿勢だ。石油の利権自体もアメリカの言いなりではという感じがする。報道によれば、チェイニー副大統領の関連会社が受注した油井消化や石油施設の運営・販売等の事業規模は、なんと8,400億円余りになるのだという。もともとイラクの石油利権が狙いだといわれた戦争だった。アメリカの否定にもかかわらず、やはりそれが狙いの侵略だったことは、現実の動きが証明しているではないか。
 
 もともと国連安保理決議は、経済制裁解除の条件として、国連査察による大量破壊兵器の廃棄の確認を条件としていた。

 今、その国連の査察も受け入れず、占領政策に邪魔になるから、経済制裁だけは解除しろ、口は出さずに金は出せという姿勢なのだから、あきれるばかりだ。

 米英は占領後、原子力関連施設からの危険物質の略奪を放置していた。非衛生な病院が放置されたまま、多くの人が死んでいる様子も報道されている。イラク南部ではコレラが広がっているという。

 これがアメリカが目指したイラク民主化なのか。復興への支援は必要に違いない。でもそれがアメリカ企業の儲けのためのものなら、ごめんだ。  

                                        (2003.5.11)