ムネオハウス疑惑の渦中の人、鈴木宗男衆院議員の涙を見た
ムネオハウス疑惑の渦中の人、鈴木宗男衆院議員の涙を見た。「男の涙もなかなかどうして」などと言うニュースキャスターがいたが、涙などでごまかされるわけにはいかない。
そもそも自民党を離党する、党をやめるということで、涙を流すなどというのは茶番劇もいいところだ。鈴木氏がこれまでやってきた数々の罪状に対して、これを悔い改めて流す涙なら、理解もできるというものだ。自分がやってきたことは確かに間違っていた。この国と国民の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びする。そう言うのかと思ったら、自民党にご迷惑をかけた。だから離党すると言う。
つまり、今まで自分がやってきたことは何ら悪くない。問題はない。だけど、これだけ騒がれて自民党への国民の信頼が揺らぐことになったから、自民党を離れるだけだ、とこういうのだ。
絵に描いたようなトカゲの尻尾切り。いったい誰がこんなことで納得するだろうか。ところが、このトカゲ、どうやら尻尾は1本ではなく、2本生えているらしい。いやいや、もっとたくさん生えていそうである。
というのも、同時に離党を表明しようと言う加藤紘一氏がいるからだ。こちらは秘書の公共事業への口利き疑惑。秘書がやったことで自分は知らなかったというが、党に迷惑がかかるから離れるという理屈は同じだろう。
知らなかったとか、覚えていないとかの言い逃れで済ませられる問題ではない。議員辞職は最低限の責任の取り方だ。ところが、野党が提出した議員辞職勧告決議案は自民党など与党の反対で否決される見込みだという。こんな横暴が許されていいはすがない。偽証罪での告発の動きがあるが当然だろう。
それにしてもこの2本の尻尾、元党幹事長であり、影の外務大臣と呼ばれた大物議員だ。いわば自民党の中心部にいた人物で、決して尻尾の位置に居たのではない。小泉首相が鈴木氏の離党を「本人の決断だから、尊重すべきだ」などと持ち上げて幕引きを図ろうと言うのは、まったく無責任と言うほかない。自民党の体質自体が露呈したということ。そして問題は何も解決していないことを、国民はみんなわかっているのだ。
(2002.3.17)![]()
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