「クール・ビズ」と「ESD」、「かりゆしウェア」をつないで考えた
 6月1日は衣替え。役所勤めの身では、あまり衣替えを意識してきた覚えがない。ところが、今年は6月に入るころから急に衣替えしようかという気持ちになってきた。一つの理由は冷房が入るまでの期間がとにかく暑いということ。もう一つは、「クール・ビズ」という言葉を耳にするようになったことによる。

 28℃の冷房でも涼しく効率的に働くことができるような「夏の軽装」を「COOL BIZ=クール・ビズ」と名付けたのだという。環境省が作った言葉だ。一言で言えば、「ノーネクタイ・ノー上着で仕事をしよう」とまあ、こういうことだろう。

 この「クール・ビズ」、環境省のホームページによると、「地球温暖化防止『国民運動』」の一環として行われている、とある。経費節減だけでなく、地球温暖化防止のためなのだ、といわれると賛成したくなるというものだ。

 政府も力を入れるというので、さっそく小泉首相もノーネクタイ・ノー上着で登場した。初日に着ていた服は「かりゆしウェア」。首相のまねなどしたくもないのだが、こればかりは自分もそうしようかと思った次第。

 岡山市も改めてノーネクタイ・ノー上着での勤務を呼びかけたのだから、「かりゆしウェア」に文句はあるまい。この際、率先する意味で市長も首相をまねてみてはどうか。

 話題の「かりゆしウェア」は沖縄産のアロハシャツ(これは登録商標らしいが)といったところで、沖縄サミットで各国首脳が着たことから急速に普及したもの。開襟で通気性もあり、上着のように着るものだから、そうとう涼しくて快適だ。

 以前沖縄の名護市で開かれた研究集会に出かけた際に出会った職員さんたちは、もちろん「かりゆしウェア」で当たり前のように仕事していて、背広姿の人を探す方が難しかった。そういえば、通風性に配慮したユニークなデザインの名護市役所には冷房装置がないと聞いた。ならば、暑さへの対処に慣れた「うちなんちゅー」の知恵に学ぶのも悪くないというものだ。

 岡山市はESD(持続可能な開発のための教育)に力を入れるという。おりしも8日には、ESD−J(持続可能な開発のための教育の10年推進会議)主催の円卓会議が岡山市の国際交流センターで開かれる。ESDという言葉自体がまだ十分理解されているとは言えないが、まずすべての人が参画できる社会の仕組みや発想が必要だろう。この会議の案内にはノーネクタイ・ノー上着でおいでくださいと断り書きがあった。ESDもまず形から入るというのも悪くない。これなら誰でも参画できるというものだ。

                                                    (2005.6.1)