5月の園芸家見習



どの園芸書にも
「苗は種から育てるにこしたことはない」と書いてある。
しかし「自然は----種に関するかぎり----ふしぎな癖をもっている」
とは書いてない。
まいた種は一粒もはえないか、全部はえるか、どっちかだ。
これが、つまり、自然の法則なのだ。
カレル・チャペック「園芸家の12ヶ月」より


ゴールデン・ウィークの頃、
園芸店にいっせいに花が並び始めると、
園芸家見習は居ても立ってもいられなくなる。
「ちょっと見るだけだから。」といいながら
帰りには何かしら手に入れている。
「そういえば、この山野草、前から欲しかったのよ。」
もう、植える場所はないはずなのに。


5月の花たち