「三種の神器」を求めて…

 すっかりマイクロ波にはまってしまったこの一年。測定機も増えてきた。で、「やっぱりほしーなー」というのが「三種の神器」…つまり「スペアナ」「周波数カウンター」「パワー計」なんだなぁ。(これを「三種の神器」と呼んでいるのは私だけかなぁ…)でもこれらを新品で買ったら大変なことになる。(って誰もそんなこと考えないよ…)でも、欲しいものが増えていくのは困ったものだ。 「猫に小判、クマに測定器」と言われそうなんだが。

その1 スペアナを求めてー・・・・

 なんと言っても、スペアナはスゴイ道具だ。目で見て、ビジュアルにスプリアスも出力もわかってしまう。調整もこれがあると「発振した」なんてのも一発だ。でも、「ありゃあ、中古でも百万はするんだ。」と聞いていたので、全然、最初は眼中に無かった。が、最近は新品でも、「2Gくらいのは30万以下でもあるんだよ」とローカルに教えていただいた。(なにせ、プロの開発屋さんたちばかりだから・・・)まさか、だからと言って「新品購入」なんてことはないが、日本は5年で減価償却できるので中古価格も下がる。すると、中古の放出価格も下がる…というタマツキ状態を期待しよう。
 で、怪しげなものも含めて、スペアナを手に入れると、「モー、便利で手放せない」となってしまう。

1.GigaStのスペアナ・キット

 2000年春に入手したGigaStの簡易スペアナは実に重宝してきた。なんと言っても、パソコンの大きな画面で表示されるので調整も楽だ。16インチのCRTでスペアナの表示が出るんだから、文句はないよね。また、キーボードのCOPYボタン一つでキャプチャーできる。これも第二世代の今の奴だと「4Gまで可能」「SGにもなる」とGRADE−UPしている。

 でも、これにも難点がいくつかある。レベル表示がどうも??なことがあるのと、ハーモニクスでの測定はどうもうまくないのだ。簡易コンバーターをつけて10Gを計ったが、やっぱり高い周波数でも直接にある程度レベルを読めるものが欲しい。(まあ、欲望はとどまらない という法則ですね)
 

2.真空管式(!?)スペアナ

 で、こんな時はyahooのオークション… という事で年末からずーっと見ていたのだが、や、やはり高いんだな。(そりゃあ仕方がないさ、高いものだから)年末に手を出しかけたのは22万以上だった(支払いの予定を忘れていただけで、まったく手が出せないとすぐに判明…)し、ちょっとしたもので15万もしてしまう。トホホホホ。

 が、1月末に「格安Ghzスペアナ」というのを発見した。なんと8000円からはじまっている。「ホホホこりゃ安い。なになに真空管式だって??4.5Gまで見られるんだってねぇ・・・それはすごいな。まあ古くてもいいやぁ。」が、よく読むと「久しぶりに動かすと画面の半分くらいしか展開しなかった」とも書いてある。ふーむ・・・。そこで考えた…「多分、これは湿気たんだな。一日か二日、火をいれておけば戻るはずだよ。」と。
 なんでそんな事を考えたかと言うと、似たようなことをよく昔、経験したのだ。真空管のRIGって、生き物みたいに湿気るとご機嫌が悪くなる。高校時代、JA1YAKでコンテストなんぞにも出ていた。ある時、パナスカイマーク6 「スカ6」に久しぶりに火が入れられた。でも、「なんにも聞こえないよ」という状態。すると先輩が「湿気たかな」「じはらく火を入れておけ」という。冗談かと思ったのだが、電源をいれてしばらくすると、面白いように聞こえだしたのだ。で、先輩いわく「長く使わないと湿気るんだ」「真空管のRIGは使わなくても、時々、火を入れないと痛むんだ」とな。

 で、めでたく落札したのが15k円。「うむ、動かなかったら大損失かな」などとのんびりと考えていた。が、届いてびっくり玉手箱。なんと茶箱ほどの大きさなのだ。でかいので、ちと一人では二階にあげられない。で、カミさんの冷たい視線…「こんなでかいの置いて、家が傾くんじゃないの」とのお言葉。でも、そんなに極端に重くは無いんだけどね。でも、本を片付けて減らしてから、カミさんに頼んで二人してなんとか二階に持ち上げた。
 さて、スイッチON!! おー、。確かにCRTの真中よりも上に線が出るぞ。垂直位置では真中までかな。マーカーはどうなっているんだ???… でも、一時間半ほどいじっているとだんだん真中よりも上にあった横の線が下に降りて来た。やっぱりアタリだ。湿気ていただけだな。ただ、LOG表示が死んでいるのはちとつらい。もっともATTが100dBまであるので、出力調整には使えるな。ダイアルをぐるぐる回していって、見る場所を変えるのだが、スキャンする巾が狭いようだ。でも、画面はきれいで見やすいな。試しに10Gを入れてみると・・・おーっ、ハモニクスで見えるジャン。ふーん・・・すごいなぁ。
 でも、でかいのがタマに傷なんですよねぇ。で、偶然、次のもっと優れものが手に入ったので、次の里親に発送しました。

3.12.4Gマイクロ波スペアナ

 上のスペアナが到着して玄関を占領していた頃、ふとある日の夕方にYahooのオークションを見た。ん!!?? アナログスペアナ??12.4Gが65Kだって?? うーん、なんだろう。ともかくチェックだ。で、質問を送ったが、ぎりぎりすぎて返事がない。出した人が今、家に見はいないらしい。で、考えること数時間。えーい、なんとかなるだろう!!と入札した。「どうせ誰かが上をいくだろうなぁ」と思いつつ…。
 が、なんとそのまま落札してしまった。(こういう時ってたいていそうなんですね)・・・その後、何度か質問のやりとりをさせていただき、SHF技術講習会でも何人かの方に話をうかがってみた。で、週末には早々とこのスペアナが到着した。で、カウンターなどと重ねて、ちょっとした測定デスクのできあがり・・・である。
 

 このスペアナは最近のものとは違って、ガチャガチャとバンドを切り替え、ダイアルをまわして周波数をかえる。「YIGフィルターはついてない」と聞いていたが、ハーモニックスを使ってみているので、違うバンドのスプリアスがあると同時に見えてしまう。面白いのは、206Mの発振器に逓倍ダイオードがついたユニットを見てみた場合だ。10Gのハーモニクスの横に5Gのハーモニクス(?)が見える。まあ、気になるなら導波管フィルターをつくればいいのだろう。なんと言っても、ちゃんとしたスペアナだなぁーとていう安心感がある。スキャン巾もあれこれ選べて、レベルもかなり正確なようだ。
  ただ、使ってみると、ちと妙な部分はある。 ATTのスイッチが妙なのか、日によってはATTを30dBから20dBにすると画面上の表示が減ることがある。あるいは、ベースのラインがバンド巾などによって変動するようだ。
 でも、これはやっぱり「一生モノ」のおつきあいをする道具になりそうだ。

その2 ちょっと気難しいけど、便利な周波数カウンター

 高校のときから「周波数カウンター」(とオシロかな)は、「憧れの測定機」だった。まだ無線機はダイアル式で、我が家にはそれすらろくになかった。JR−60に6AQ5’sのVXOにした水晶一つだけの送信機で7Mhzに出ていた頃…。でもって、秋月でキットを見つけて、「ひゃーっ、こんな値段で作れるの!!」と叫んで買って作ったのが最初だった。発信器がどこで発振しているのか、やっぱりカウンターでピタリと出るとこんなにうれしいことはない。
 もっとも最近は、「うーム、増幅器が発振しとる。どれどれ、どこで異常発振しているか調べよう」なんて、使い方もするのだが…。(~_~;)
 でも困ったのは、どうも「ご機嫌斜め」なものか゜多いことだ。まあ、中古やら自作物とかだから無理もないのだが・・・。で、タイトルの通り、「気難しい」となるわけである。

1.秋月のキット 1.2Gまで表示もの  ずいぶん前に製作した。当時は1.2Gまで表示したのだが、最近は1G−OVERはどうもうまくない。でも、赤色のLED表示は見やすいので好きだ。使いやすいんだよなぁ・・・。しかし、なんで最初は見えた周波数が見えなくなったのかねぇ??気難しいのかなぁ。配線がタコだったんだろうなぁ。

2.秋月のキット 3Gまで表示  FM−ATV製作のために作った。一台目の感度がイマイチというより、高いところがでなくなったので、これを使うと3Gまでは出るようだ。PICを使っていて、シリアルにも出力できるという事なんだが、どうも電源を入れてから切り替えないと3Gとかは見えないので、この点が使いにくい感じがする。それと表示の変化がなんだか不自然な感じだ。ちょうど表示数値が飛んで変化するような気がするのだ。なんでだろ??

3.オークションで買った18Gまでのカウンター   実は18Gまでの信号源がないので、まだ10Gあたりまでしか表示させたことがない。電源を入れるとしばらくプリスケーラーが発振しているが、暖まると安定する。特に冬場はダメな感じで、電源関係かなぁと思ってみている。(?!)我が家で気難しいカウンターの代表格である。
 でも、これは本当に便利だ。10Gを作っている時、アンプの異常発振に悩まされた。で、その時にはアンプの近くにカウンターのケーブルをセットして調整した。すると異常発振すると、その周波数がおおよそわかるのだ。こりゃあ、便利だった。(本当は発振しないほうがいいに決まっているのだが) あるいはホーンアンテナからの出力を受信して、「何cmまで表示できるか」でもって出力が出ているかどうかをはきかる」なんて事にも使った。(邪道だなぁ・・・)
 GPIBのコネクタも出ているので、これをつなげるともっと便利に測定できるのだろうなぁ。もっとも、測定ソフトがないかな。

その3 ほしーなーと手に入れた、パワー計だったのだが・・・。

 1.2GまではうちにもSWR計兼用の通過型電力計があるのだが、その先がなんとも怪しい測定法となってしまった。

その1 チップ抵抗とダイオード
 
 SMAコネクタに50Ωのチップ抵抗をはんだ付けした。そしてその先に1SS97と貫通コンデンサをつけただけのインジケーターだ。これで、テスターにつなげば、「一応、出力もどきがわかる」という仕組みだ。もちろん、10Gでも表示は出る。調整にも使えるからたいしたものだ。が、問題点はいうまでもなく多い。1)インピーダンスが全然あっていないので出力段の調整でFETを飛ばしてもしらないよ・・・ 2)だいたい絶対値がさっぱり???だ。 まあ、でもこれももっと丁寧にあれこれ調整すれば使えるには違いない。(というか、使っているんだな・・)

その2 もらいものの検波器とATT

 ある時、あまりのイイカゲン測定を哀れんだ方から、「これ、古いからあげるよ」といただいたのが検波器。N型にコネクタの先にダイオードが内蔵されており、反対側はBNCコネクタがついている。これに電圧計をつないで使うのだが、どうやらATTと併用しないとダメらしい。まあ、ATTを入れると周波数が高くなってSWRが悪化しても、反射も減少するので見かけ上は理想的なダミーに見える(はず)という事もあるだろう。ネジ式のユニットを外してみると、(なんでもはずすからイケナイという話もあるがこの場合は被害はないので)IN23Eが入っていた。 10G程度までは使えるものらしい。ATTは池田電子で2K円ほどでいくつか買ってきた。さらに、「無線機交換室」で掲示のあったWEBをたどって、「特性付一つ1K円」という格安で、3dB/6dB/10dB/20dBを手に入れた。これでOKでしょう??
 さて、これでどこまでちゃんと計れるかということなのだが、5Gあたりまではそこそこつかえそうだ。絶対値はともかく、ATTを交換すれば、ゲインの比較もできる。10Gでも相対値は見れるのでけっこう使うことになった。この方がさすがにその1よりは使えるみたいだ。でも、やっぱり絶対値が知りたいなぁ…。

その3 センサーだけのHP432A

 で、「ホシーナー」と見ていたら、10GまでのサーミスタセンサーがYahooのオークションで出ていた。ついつい落札してしまったのだが、考えたら「本体」がない。「本体作ったら?!」なんていわれたけど、センサーの構造とか、結線はナゾなので、手が出ない。うーむ、これはHP432Aを買うしかないかなぁ。 

その4 やっぱり買ってしまったHP432A

 かくて、US電子商事さんにて、なけなしの金をつぎ込み、買ってしまいました。でも、センサーの問題なのか、ご機嫌が悪い…。しばらく使っていると、無信号でもパカパカと発振したみたいに振りきれる。日によってはご機嫌が悪くて使えない。ダマシダマシ使うとしても、こりゃあどちらの問題だろうか???

 さらに、よろこんでパワー測定したら10Gのパワーがずいぶん少ない。100mWがやっとだ。「じゃあもう一息、調整しようかな」と思ったのがいけなかった。巨大スタブを取り外して、調整しようとしたら出力がでなくなり、ここから泥沼にはまり、目下、回復してやっとこ15mWまで落ちてしまったのだ。トホホホホ。これでは移動どころじゃないぞ・・・。本体も妙だし、どこがおかしいんだ???