イーカゲンにATV

====小目次====
0.発端
1.半導体は飛ばすためにある?!
2.一難さって、また一難!!     
3.完成への道           




0.発端

1月10日 SSTVが楽しくなると、「もしも、この画像が動いたらいいなぁ」と誰しも(?!)思うものだ。そこで思い立って、FM-ATVのワイヤレスを作ることにした。と、言っても実に簡単な構成だ。秋月で買ったスワローのVCO(MWO12ATV)の出力を、広帯域増幅素子二段で増幅しただけである。広帯域増幅素子には、最初は秋月で買ってきたERA-3を一段だけ入れたのだが、どうも出力がダイオードで検出するぎりぎりなので、もう一段入れて、MAV3--ERA3としてみた。これでダミーをつけて数ボルトの電圧がダイオードで検出できるようになった。多分、80mwの出力限界まで出ているはずだ。
 VCOにはビデオカメラの出力をいれ、BSチューナーの13チャンネルに合わせて見ると、ホホホッ画像が映ったぞ!!置いてあったサルの人形を映していたら、子どもがめざとく見つけて、騒いでいた。もちろん、室内実験であるが、これはなかなか楽しい。

 続いて以前のHAM-JOUNAL誌に出ていたBSチューナー改造・FM-ATVトランシーバーを作ってみることにする。これは、BSチューナーのVCOを改造して、1.2Gの送信と受信の両方で使うというものである。さて、で発振させると・・・あらら、うちの周波数カウンターでは表示しないよ・・。トホホホホ。感度が悪いんだ・・。うーむ、どうしてくれよう・・・。

1.半導体は飛ばすためにある?!

1月11日 CQ誌を見て、MPL(マイクロパワー研究所)に電話してみる。1.2Gで使えるパワーモジュールが出ているのだ。電話して聞いたら「二つで3000円でいいよ」との事で、送金することにした。ふふふ・・・・

1月14日 やっぱり、周波数カウンターは3G程度までは必要だなぁ・・・。で、金曜日だが、仕事の後に川崎経由で秋葉に向かう。職場を出たのが16時半前。まずは、川崎のマキ電機に行く。ここでベタコン・貫通コンなどを入手する。そして、再び駅に戻って秋葉へ・・・。秋月に入った瞬間、「店内閉店です」だと・・・。ゲッ、せっかく来たのに。慌てて買い物をすませる。3GまでのPIC周波数カウンターキット、広帯域増幅素子、1Pのコンデンサ、などなど、あらかじめ決めてあったので、なんとか買えた。
 さーて、これで周波数カウンターを作ってしまえ・・・、でもって、夜なべをして本体を組みたててしまった。明日は仕事なのに眠いぞ・・。

1月15日 今日は土曜日。今度はプリスケーラーを組みたてる。結構、悪戦苦闘したが、要するにはんだ付けの問題なのだ。なにせ、小さい部品は苦手である。でも、なんとか動き出したので、ケースをサトーさんで買ってきた。液晶の部分を切りぬいていないので、本体の蓋を空けたままなのだが、まあ、いいや・・。そのうちにケースに穴をあけよう。
 さて、次は8セクションのキャビティでもってRF-AMPを組みこんでみよう・・・というのだが、いやはや、これが大変だ。まずベタコンのはんだ付けで悪戦苦闘。次に2SK571のはんだ付けで悪戦苦闘。ふーむ・・・・。もう今日は眠いから寝よう・・・

1月16日 今日は朝からRF-AMPの動作確認からはじめる。が、変だ・・・。テスターを電流計にして見ると、なんとFET一石で200mAも流れている。ゲッ、飛ばしたの??それにしてもわかんなぁーい・・・。
 こういう時は、河岸を変えて見るのが一番だな、と3セクションのキャビティを取り出してみる。これで単純な2ステージのAMPにしてみようとう事である。でも、2SK571を取り外そうとしたら、いやはや、足がもげてお亡くなりになってしまった。トホホホ。やむをえない・・・夕方になって池田電子に行って見ると、「うちには571はないねぇ、こっちの方が足が長いよ。」と言われて出されたのがMGF1302だった。見ると、いかにも足が長い。ふふふ、これならはんだ付けが楽だろう・・と三つ程買ってくる。なんでも、MGF1302は10Gまで使えるらしく、「1.2Gで使うなんてもったいなーい」らしいのだが、ま、ここは不器用に免じて許してくれぇ・・。(-_-;)
 データーシートがないというので、インターネットで検索する。日本では見当たらなかったが、アメリカの三菱のサイトで見たら,PDFがあったので、DLして印刷した。これで足の接続さえわかればいい・・・。で、組みこんで動かしてみると15mA程度で正常動作である。ふーむ、調整するか・・といじっていたら、「プシュー!!」と煙をあげたゲッ飛ばしたぞ!!
 なんで??と思って初めて規格表をみたら、なんとこのFETは12Vで使うものじゃないらしい。うーむ、電子回路は12Vで動くもんだ、というのは昔々の物語だったのか。5Vの所に8〜12V]をかけたらそれは飛ぶわなぁ・・・。

#言い訳を加えておくと、私しゃ、以前、まとまった物を作ったのは熊本シティスタンダードの秋月のキットを使ったSSBトランシーバーくらいである。だからあれは15年か16年前だね。その間に時代はすっかりかわったらしい。

 で、前に神奈川支部大会で買った7805の15個パックを取り出した。「こんなにいらないなぁ」と言ったら、「そんなことはないよ、すぐに使ってしまうよ」と言われたのを思い出して、なるほどこういう事か、と納得。とりつけて1302を交換すると、電流は正常値である。あー、もー午前1時だ。明日は6時には起きなくては間に合わないから、寝なくては・・・

1月17日 深夜帰宅したのだが、やっぱり調整をしてみたくなってしまった。が、どうもうまくない。なんでだろ・・・またまた寝るのが1時過ぎになってしまった。

1月18日 今日はキャビティアンプと格闘したのだが、調整していたらどこかがショートしたのか、またまたGasFETが死んでしまった
いやー・・・。そんなのいやー・・・と叫んでも遅い。で、頭にきてプリント板にエッチングしないで紙エポ基板を切り張りつけたストリップラインのアンプを組んだら、これは動くみたい・・・・。ふーむ。道とおし・・・。ちなみに今日、パワーモジュールが着たのだが、これがまた「電源6vで使う1.5G用」という奴。うーむ、大変そう。でも30dbはゲインがあると書いてあって、1mw未満でドライブして1Wは出るそうな・・。でも、これって12V電源だと結局は電流食うんだよねぇ。マイナス電源も必要だしねぇ。参った・・・。

1月21日 今日は勤め先の合唱コンクール。でも、今年はヒマなんで余裕シャクシャクである。こんなヨユーは初めてだねぇ。(ま、この辺の話は こちらのページを見てね・・・)
 で、夕方に職場の若い人の結婚を祝う会があるのだが二時間ほど余ったので、川崎に再び出かけた。目的地はマキ電機である。パワーモジュールはどうも電圧があわないので、2SC2588でアンプを作ったらどうだろうか・・・と考えた。二つほど買ったのだが、「これも飛びやすいよ」とのお言葉・・。ふーむ、そうかぁ・・・。

2.一難さって、また一難か・・
 

1月22日 帰りにサトーさんでフェライトビーズを買って帰る。さらに池田電子でFSC11LGを十個ほど。これは安いので安心して飛ばすことができる。(-_-;) ただ、問題点は2SK571と同じく、足が短いのだ。疲れてきたので1302の残り一つを取り出して、とりつけてみた。今度はフェライトビーズをゲートに入れた。電流をはかると正常値だ。あー眠い・・・。ここで沈没

1月23日 日曜日の朝から調整を始める。TH-55にこのアンプをつけて、調整をしてみる。リピーターくらいしか信号が無いので、それを使ったり144Mの9倍波を使ったりした。なんとか動くのだが、どうも音が変だ。発振かな???でもなぁ・・・。なにげに電源のACアダプタを006Pに交換したら、なんと音がクリヤーになった。なーんだ、電源がいかんのか・・。
 さて、ここまでできたら、とりあえずケースを買ってこよう。というわけで午後にな町田までチャリをこいで、サトーさんに。少し大きめなYM200を買ってきた。で、組みこむと、VCOの出力でのBSチューナーへの画像がイマイチである。どうしてかなぁ・・・。

1月25日 深夜にゴソゴソとATVトランシーバーをいじる。「もうちょっとで完成よ」とルンルン気分であります。が・・・ガラガラとその自信は崩れていってしまったのであった。
その1
 最初に零号機の二段目がどうも異常発振気味らしいので、発振防止のおまじないをしました。・・・これで1.2G中にスプリアスが出ていたのはとまった。要は広帯域増幅素子の入力に50オームを入れただけ。さて、しかし映りが悪いなぁ・・という事でいろいろやっていたら、ふとBSチューナーの表示を切り替えようとしてボタンをまちがってしまった・・・15chを13chにしてしった。なーんだ、眠いからかな・・と思って、これだとどうなるんだろう、と見てみたら、なんとバッチリ映るではないか。アンテナをはずしてもバッチリ・・。試しにATV一号機の変調をかけたVCOだけでやってみても、アンテナなしでバッチリ映る。うーむ。周波数が違っていたのか。そりゃあ、映りが悪いはずやなぁ。(-_-;)
で、もう一度、他の本をながめたら、「BS13chで見える」と書いてあるんですねぇ。うむ、思い込みとは恐いものだ・・。最初は13CHでやっていたのをいつのまにか15CHだと思いこんでいたのだ・・・。おぞましい・・・。

その2
 さて、BSチューナーだけでかなりちゃんと映ることがわかると「でも、この一号機(トランシーバー)は、プリアンプ付なのに映りが悪いよ・・」という事に疑問がわいてきた。「ひょっとして、これも局発のスプリアスで受信していたりしてねぇ・・」という悪魔のささやきが・・ 一号機の場合、HJ誌の記事にあった方法で発振部の銅版の部分を変形させて可変周波数の最低をさげてある。1265Mが最低になっていることは前に確認したのだが、いい加減な線でつなぐと高い方は表示がわからないので、「画面が出ていれば、いいじゃん」と「テキトー」を決め込んでおりました。そこで、受信の時に局発のVCOがどうなっているか、送信用に引き出した同軸の先にカウンターをつないで見ると・・・・ゲゲッ!!!最高が1470Mだぞ・・・。IFが402Mだから受信しているのは最高でも1068Mじゃないか。200Mも違っている!!
 なんと受信がVCOのスプリアスで受けていたとは・・。どうりで感度が悪いはず。このままでは完成どころではない。・・・という事で、再びBSユニットをあけてゴソゴソ。VCOの銅版をもう一度曲げてみました。すると上は高くなったのですが、今度は最低が1306M。これじゃオフバンドになってしまうがね。(VCOだけの実験ですから、実験のうちならいいんですが)
 ではもう一度のばして・・・・
 ポロッ!!   ゲゲッ 銅板が・・・もげたぞ。ヤバッ!!なんとVCOの銅板がぽろりと折れてしまった。でも、あせらず慌てず、銅なので半田付けという手で逃げる。これで再び復活。再度のばした状態で測定。1265Mからに戻りました。でも、上は1500M台の様子。さっきよりはいいかな。あー、でももう寝よう・・
 次なる対策としては、次の順番でやってみよう・・・・
1)VCOの電圧をあげてみる。13.8Vを15or18Vまで。でもあげすぎると壊れますね。コワー。どの程度までならば壊れないですかねぇ。
2)銅版をまげて高くしてからVCOのバリキヤップに1P程度のコンデンサを抱かせてみる。周波数の高いほうがどうなるかわからないのですが、意外と使えるかも。

1月26日 どうも妙だ。まず、VCOの電圧を高くしてみたが、1500Mほどでおしまい。1700M近くまで必要なのに・・。で、次は再び銅版の部分を曲げてみる。が、これでも最高が1500M台で100M以上たりない。うーむ・・・・。VCOに変調をかけるためにつないである配線をしなおして、少し可変範囲が広がるが、それでも1500M台。目的は1280+403M 1682Mなのに・。・・・。
 いろいろやっているうちに再び銅板がポキッ・・。いっそのこと・・と銅板をはずして銅線やら手持ちの薄い銅板と取り替えてみたが、1400Mあたりまではカウンターでは出るものの、届かない。Lの銅版をまったく作りなおしてみて、やっと1600M台が出たが、1500Mを越えると突然、2400Mとかになっりして、「周波数飛ぶ」のだ。しかも、BSチューナーの出力をテレビにつないだら、関係なく画面は真っ黒になったり・・異常発振しているらしい。

1月27日 VCOに壊れてしまった銅板の代わりに薄い銅板を切ってとりつけて、いろいろ変形させてみる。不思議なことに、1700Mあたりは結構、安定して発振する。ところが1280+400で使う、1600M台になると突如として周波数が飛んだりしてしまう。その下の1550Mあたりまではやっぱり安定しているのに・・・。とりあえず、組みこんでみたら、送信・受信ともに一応、動作する。送信の方はなかなか綺麗。でも、受信は零号機の方で送信したのを受けても、なかなか綺麗にあいません。見えないことはないのですがねぇ。参ったねぇ。

1月29日 土曜日なのでハンズで銅板を買って帰った。分厚い奴で誘電体を作ったらどうかな、と思ったのだが・・・。で、いろいろやって変形させようとしたら、銅版が丈夫すぎて、BSチューナー基板のチップコンデンサが割れてしまった。ゲゲッ容量がわからんぞ・・・。うーむ。今日はワンゲルのob会の飲み会なので、ここまでだなぁ。・・・
# かくて、ついついこの日は飲みすぎてしまった。

1月30日 日曜日の朝から川崎に行くつもりだったのだが、起きたら既に日は高かった。で、午後になって再び復活した。割れてしまったコンデンサのかわりに、推定の回路図から考えて、テキトーに10Pほどのセラコンを入れてみたら発振が復活。それでもう一度銅板をはずして、また別の奴をつけてみてから周波数を測定。うーむ。やはり1600Mほどで飛ぶ、異常発振だなぁ。

「ひょっとして・・」とVCOへの変調のためのマイクロインダクタの線をはずしてみたら、あれれ、ちゃんと発振する。本体に戻してつなぐとちゃんと零号機の送信画像が映った。ヤッター!!どうやら、マイクロインダクタの線がもろにバッファに回りこんだのか、同調して発振していたのだろう、と推定する。ま、とりあえずヨカッタヨカッタ。

うーむ。でも、これがないと変調がかけられないんだよねぇ・・・。「そうだ、マイクロインダクタのチップの奴をつけて、別の向きから配線したらいいだろう。」・・でさっそく池田電子へチャリ3分。1マイクロと3.9マイクロを買ってくる。とりあえず1マイクロをはんだ付け。小さいのはひたすら「涙」ですな。カメラをつないでBS13CHにしたテレビをつけて・・あっさりと画像が出また。でも、今度はストレー容量のせいで受信時VCOの周波数が低くなってしまった。あと少しで映らない・・。

  「えーい。電池をのせてVCOにかけるコントロール電圧をあげてしまえ・・」(実はすでに3V余計になっている・・・)リチウム電池6V分で手を打つことにした。一通り動くと次に気になるのは画像がどうも荒い。変だなぁ、という事。ちゃんとビデオICを使った回路なのだが、試しにトランジスタ一石での簡易型のアンプ(エミッフォロアー)にしたら、その方がはるかに画像が綺麗でガックリ。・・ここは簡易型のアンプと交換してあっさり原因無視。かくて発振段と受信まではなんとか動いた。
 でも、このままでは1mWもないので、広帯域増幅素子μPC1677cを使ったアンプを入れる。これで多分、結構、ちゃんと出力は出ているはずだ・・・。

#後で聞いたら、ザラザラするのは「発振気味の証拠」だそうです。いやん、もう異常発振なんて・・・ (-_-;)

3.完成への道・・・

2月4日 午後にちょうど時間が空いたので、川崎のマキ電気に向かう。ちょっと臨時収入があったので、1.2Gのパワーモジュールユニットを買うのである。これだと楽してしまうなぁ、と思いつつ、買ってきてしまった。ついでに3セクションのキャビティも買ってきた。これで「BPFとして出力に入れると、モジュールを飛ばしにくい」とHJ誌No99の記事にあった。

2月5日 BPFを作ってみる。3セクションのうちの二つを使って、HJ誌No99の記事を参考にした。TH55で送信して、前に池田電子で3kで拾ってきたパワーメーターで見て調整した。最初は全然出力が出ないと思ったら、出力検出用のダイオードの付け方が悪くて。そちらにみんな行っていたみたいだ。ふーむ、1.2Gともなるとそうなんだねぇ・・・。

2月6日 ふふふ、ついにできたぞ。池田電子ででかい放熱器を買ってきてとりつけ、マキ電機で買ってきたM67715のモジュールをとりつける。さらに出力には、3セクションのキャビティを使ったBPFを入れてできあがり・・・。ちょっとヒートシンクがでかすぎて、これでは移動用にはどうだかねぇ・・・という出来になってしまったけど。

さあ、電波だそう・・・と思ったら、「変更」しなくちゃだめじゃん!!!! ねー、早く包括免許にしてよ、オブチさーん。 ・・・でも、その願いもかなわぬうちに、あんな事になるとはねぇ・・