ハムフェア2002

 8月24日 今日からハムフェア2002だ。考えたら、1995年くらいから、毎年、ハムフェアを中心に8月は過ぎていくようになった。SAGAMI−NET、そしてSPG−NEWSからFWD−NETとの出合があり、その後、毎年、ハムフェアに「出展者」というありがたい立場で参加することができた。なにがありがたいか、と言えば、「自分のブース」つまり自分の家のようなものが会場にあるのだ。参加者として通りぬけていくのと、自分の居場所があるのでは、祭り の意味は全くかわってくる。

 さて、そんな能書きはともかく、今年の私の課題は二つ ズバリ 「パソコン−無線機 簡易IFの配布」と「マイクロ波関係の展示」 である。

 簡易IFは、SSTVやらNON−TNCパケット、CQマシンなどで使う無電源で簡単な切り替えを兼ねたIFである。「配布価格千円以内で楽勝だろう」と思って、企画をすすめることにした。が、価格調査をしてたじろいだ。いや、純粋な「回路の部品」だけなら楽勝なのだ。ところが・・・「RS232CのD−SUB9pin」は、コネクタ部分が50円なのに、それを入れるプラスチックのケースはなんと百円!!・・てな具合で、周辺のコネクタ、ジャックやらの方がはるかに高いのだ。極めつけは、8PINなどのマイクコネクタである。このセットだけで、電子部品が全部、買えそうである。・・・しかたなく、8PINコネクタは省略して、ケーブルだけを出すことにした。
 *中身に付いては、こちらを見てね

 で、製品を作り出したのが数日前になってしまった。なに・・・ちょっと大物に手を出したら、ハマッてしまったのである。だが、このままでは間に合わないので、作りだだした。で、なんとか作ったのだが、コネクタからの線を剥いたり、はんだ付けするのが、10個あるだけであんなに面倒で単調なものだとは思わなかった。・・・。でも、全部を一つ一つ無線機につないでテストして、動くことを確認してから袋にいれた。

  さーて、売れてくれないと部品代が回収できないよ・・・でないと、ジャンクも買えないじゃん・・・。

 展示のほうは、今年は去年に続いて2.4G/5G/10Gの移動用TRVの展示運用に加えて、「固定からの5Gで交信できた局」を関東甲信越の地図に貼り付けた一覧を作ってみた。RSで交信できた新潟がとても遠くに見えて、改めて感動…。また、資料として「イーカゲンにマイクロ波 PART2」と「5G帯無線LAN拡大の動きに注意を!!」というものを150部ほど準備した。

 さて、一日目に出陣である。新エルグランドに拾ってもらって、会場についたのは、7時半過ぎだった。それから荷物を下ろして、8時半を待ち、準備が始まると共に怒涛のごとく、準備をした。電源も昨晩のうちにコードをまとめておいたので、6本を接続するのも簡単だった。そして、始まる前に、とってもイイモノ(怖いもの)をもらってしまった。うししし、食べたら危険な砒素入り電力FET なんだなぁ。
 やがて開場の時刻となった。すると、ゲゲッ、始まったとたんにヒトがやたらと多いのだ。会期が二日になったので、今まで一日目と二日目にそれぞれ別に来ていた人が、みんな一緒に来たのだろうか。通路をはさんだ前のブースがよく見えない程だ。IFは午前中から引き合いがあり、なんと、一日目で完売してしまった。で、すっかりブースに釘付けで、好きなジャンク漁りもできない。昼飯を食ったのは、15時過ぎだった。(まあ、液体燃料は口にしていたのだが)

 さて、展示の方はというと、結構、たくさんの人と話ができた。やはり百円の鍋の実物を用意したのは正解だったようで・・・

 ト・・・しげしげと5Gのかきあげ鍋アンテナの穴を見ている
 「えーと、これは5Gなんですが、元はですね、コレ!! なんです。百円です。」 ト 指差す
 「あっ!!」  クスクス という笑い
 「ちなみにこちらは10Gなんですが、由緒正しき鍋の蓋です。」
 「はぁ」
 「これでも10Gだと18dBから20dBほどのゲインがあるようです。」
 「ホーッ!!」
 「ちなみに固定ではですね、こんなのを上げてますが(ト 写真を示す)、これももらい物です。BSデジタル化に伴う入れ替えもあり、出てくる奴をもらったり、使ったりするわけです。5Gは75cmで団地なんかで使う奴ですが、10Gは45cmでどの家にもある奴です。これで33dB程度のゲインがあります。」
 「ふーん」
 「で、どこまで交信できたかと言いますと(ト 地図を指差す)町田のここから、一番遠くは、この新潟市内です。」
 「えーっ!?」(ト たいていびっくりする)
 「これは完全な見とおし外ですが、この一帯(と佐久あたりを指差す)に強い雨が降りまして、すると5Gってのは気象レーダーの5.2Gに近く、雨で散乱反射するんです。」
 「へー!!」
 「ですから、皆が雨の強い向きに向けると交信できるんですよ。WEBで雨の位置を確認しながら実験をするわけです」
 ・・・・てな調子ではじめて、10Gの高崎との通信実験の話まですると、交信実験としてはフル・バージョンである。そこまで行くと、気象レーダーとLANの話になったり、もっと調子に乗ると台風の目反射での交信実験をやりたいだのとの話も加わる。あれこれと質問してくれるともっと乗ってしまう。

 また、 「1.2Gはだいぶん昔に作ったんだけど。5Gじゃ難しいだろうなぁ」という方も割といる。すると、自作の話になって、マイクロストリップラインの基板の場合、基板がちゃんとできていれば確実に動く、というとたいていの方は反応を示してくれる。あとは問題は「カンタン局発」なんだよねぇ。ドレークがたくさんあれば、いいんだけども…。で、そんな方には講習会の話をして、ぜひ来てね…と話をすることにした。
・・・こんな調子なので、次々と人と話をしていると、時間は飛ぶように過ぎてしまった。
 
 また、昨年に引き続き、JA6BI 田縁OMには、基板の作り方や部品調達その他について、お話をうかがった。その他にも、JA1XFA 田島OMやJE1AMI 池亀OMなどもわざわざご挨拶いただいた。もちろん、マイクロ波でいつもお世話になっている方々にも、のぞいていただいたので、ひっきりなしである。うーん、なかなか充実だ。

 でも困った・・・。外人さんが来たのだ。かきあげ鍋をしげしげと見ている。これは割とカンタンだ。「This one ・・・HERE」なんてイイカゲンな言葉でもとの実物を示せばいいのだから。が、「鍋蓋」って英語でなんて言うのだろうか?_? 「ミラー??」と聞かれたので、NO うーん、えーと、そーと、 IN KITCHIN 」なんてごまかした。

 最後にようやく会場をを見て廻って、HP432Aの本体をゲットした。こいつは今のがどうも調子が悪いのでとりかえてみたかったのだ。9K円なり。
 こんな具合で、20年ぶりの大学時代のサークルの集まりには疲れて行けなかった。

8月25日 今日が二日目で最終日。なんだか短いな。朝、辞書をみて、「鍋蓋」を調べる。といっても和英辞典がないので、テキトーを引いたら、どうやらCOVERが蓋、POTが深い鍋らしい。COVER of POT でいいんかいな??

 さて、今日は会場前にご挨拶をする余裕があり、さらに人出もそんなにゴミゴミしていない。そこで、まず朝のうちに導波管を何本か仕入れてきた。これも朝、サイズを見て、短い定規を持ってきて、サイズをはかった。24Gではやはりこれが便利に使える部分が多いみたいなのだ。
 開場したが、今日はあまり積極的な人が多くない。それでもボツボツと、話しこんでいった。割と余裕があるので、ゆったりした感じで話せる。昼飯もちゃんと食べられたし、そこそこジャンク漁りもできた。
 
で、二日目もやっぱり来ました、外人さん。今度は、結構、関心の高い人のようです。で、予習(?)を活かして、あれこれと怪しげな説明を・・・。

「It'S 100-YEN PAN」とか「This is a .COVER OF POT.It's EXPENSIVE.1000YEN!! AND I use only cover.So pot is a present for XYL」てな調子。
(もっと怪しげ、身振りばかりでしたが)でも、一応、通じたみたいで、IFは144Mかとか、24Gはガンプレクサーか、FMだけか などと聞かれました。もちろん、「NO! It’s XTAL OSC.Now it's only 1mw OUTPUT.I hope up to 10mw.」なんて感じで、英語の先生にぶっ飛ばされそうだが、意味は通じた(と思う)。やっぱり予習はしていくものだ・・・

#ちなみにDB6NTなどを見ると、EUとかアメリカでは、SHFでも144M/430M親機というのが多いようだ。イメージスプリアスをどうやって抑えているのかが、私にはどうも不思議だ。

 かくて、二日目も終りに近づいた。欲しいものはあったのだが、ちと高過ぎて買えない。それで、マイクロ波関係の資料やレポート集を買って終りにした。本当は、24Gまでストレートに見えるスペアナがほしいんだけど、先立つものがないものねぇ。

 SAGAMI−NETのCD−ROMももちろん、完売。(というか、一日目でなくなって、20枚も増やしたけどなくなった・・・)これでめでたく、ハムフェアも終った。

さーて、来年までに何ができるかなぁ。